2020/02/22 10:45

ロンドン渡航まであともう少し!

 
毎日必死のパッチで準備を進めています。
案の定いろいろギリギリです(T_T)
(いつものことですが…)
 
いろいろ心配な状況ではありますが、諸々なんとか間に合わせられるように頑張っています。
 
 
染め屋さんや和裁士さんにもロンドンに持っていきたいんです〜と話して協力をお願いしたら、急ぎで対応してくださっで本当にありがたいかぎりです。

 
新作の着物と帯も、一部はすでに仕立て上がり、残りももうすぐ仕立て上がって来ます。
 

仕立てに出すためにカットしてるとこ↓




今回の新作は「メメント・モリ」テーマで「Murder case」と題して制作したもので、まだシリーズとしては制作途中なのですが…

 
こんなテーマで作っていますというのを支援してくださった皆様に知っててもらえたら、作品撮影や、ロンドンから発信することをもっと楽しんで見てもらえるかも?と思って少し書いてみます〜


少し長いですが、良かったらお読みください!

 
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今回の新作は、以前ニューヨークとメキシコに旅行に行った時にいろいろ見てまわって思いついて、ずっと作りたいなと思っていたものです。
 


ニューヨークではMOMA(現代美術館)、MET(メトロポリタン美術館)など美術館を見て回って、どちらも名画がこれでもかこれでもかと出て来て「これがいつでも常設で観れるなんて!!」ともの凄く恵まれた環境に感動したのですが、
(これはルーブル美術館行った時にも思った。日本にもあのくらいのボリュームで常設で観られるところがあったらいいのに・・・)
 

METでは、大好きなダリの画集に掲載されていて、見た時からずっと気になっていて大好きな絵画を初めて生で観る事が出来ました。
 





これは、バージョンがいくつもあって(Wikipedia参照)画集で見たのはおそらくまた違うバージョンだったのですが…
そこに展示されてるのを知らなかったので、びっくりして本当に嬉しくてしばらく絵の前でうろうろといろんな角度から楽しみました。
 

思ってたより小さく、見ていると、すっと吸い込まれるような、なんとも言えない不思議な絵です。
向こうにすごく大きな世界(ボッスの楽園みたいな)があるような、もしくは島の向こうは完全な虚無が広がっているかのような。
 
 
で、死の島を見たあとで、館内で小さく特集展示?みたいな感じで、電気椅子、ケネディ暗殺、犯行現場、遺体などの報道写真・記録写真、マフィア関連記事、指名手配犯の写真や記事などなどが展示されていました。






「死」にまつわるものなのか「犯罪」にまつわるものだったのかは英語の説明書きがめちゃ長くて読みきれなくて、ちゃんとは理解出来なく明確では無いのですが…
 
 
その前にMOMAでウォーホルの「電気椅子」を見てきたとこだったのもあったのですが、マフィアの記事?もなんだかコミカルだったり、事故現場の写真が切り取った瞬間がとても淡々としていて怖い感じも無く、とても印象深かったです。


 



ずっとテーマにしている「メメント・モリ(死を想え)」ですが、言葉の捉え方は、メインテーマに設定した大学当時からはだいぶ変わって来ています。
死は怖いものではなく日常のすぐそばにある、そこにはおかしみや面白みもある、というのがその時の私に響いたのかなぁと思っています。

 
ニューヨークの後、1人で10日間くらいかけてメキシコ国内を旅しました。






東部のグアダラハラから、グアナファト、サンミゲルデアジェンデと南下して行って、最後にメキシコシティへ。

本当に色が美しく、面白い国でした。


滞在した日本人宿で、日本出身でアルゼンチン育ち、舞台の仕事をしていて日墨の芸術補助金を受けてメキシコに滞在して仕事をしている女性と出会い、メキシコの事をいろいろ教えて貰いました。
 
メキシコの麻薬汚染、警察の腐敗…
 

2014年に、政府に対するデモの為に遠方からメキシコシティに団体バスで移動していた学生43名が行方不明になった、という事件があったそうです。
 
 
当時の政府のトップだった人物が警察に指示を出し、学生たちを消し去った・・・・というのが真相だと言われている様子。
 
それが、きちんと捜査がされないままなんだとか。


男尊女卑も激しく、レイプ事件も多発しているし、人を人とも思わないような残虐な事件も多発している。
 
 でも、自殺者は世界で一番少ない国。



そして、その方から「メキシコには4つの信仰があるんです」と教えてもらいました。

一つはグアダルーペの聖母信仰。




もう一つはサンタ・ムエルテ信仰(悪魔信仰)






なにそれ凄い面白い!これを素材に制作しよう!と思ったはずなのに、なぜか最後の一つはいつのまにか忘れてしまって、うっかりメモもとってなくてわからなくなってしまったのですが…

(その方に再度聞いてみたけど、わからなかった)
 





 <ニューヨーク、パリ、あるいはロンドンの市民にとって、死は唇を焦がすからと決して口にしない言葉である。反対にメキシコ人は、死としばしば出合い、死を茶かし、かわいがり、死と一緒に眠り、そして祀る。それは彼らが大好きな玩具の一つであり、最も長続きする愛である(略)隠れも、それを隠そうともしない。もどかしさ、軽蔑、あるいは皮肉をこめて、死を正面から見つめるのである>

<死は生の結末ではなく、円環のように生と死が交互にやってくる。また生の中に死が入り込んでもいる。死は生の映し鏡であり、生がむなしいからこそ、死もまたむなしい。>

(高山智博氏、熊谷明子氏訳)


ニューヨークで見たモダンアートとニューヨーカー。死の島と、死にまつわる特集展示。

メキシコの美しい色彩の街や、広大なサボテンの荒野、美しい教会と信仰深い人たち、インカの泥臭さと、スペインから入って来た文化が入り混じった感じ…


旅行中に見聞きしたいろんなものが全部自分の中で繋がって何か作品にしよう、と思いました。

 
帰国してから簡単なスケッチは描いて、でもなかなか手がつけられずに後回しになっていたのですが、去年の後半からようやく絵を描き始め、その絵をもとに年末年始は着物のデザインに落とし込む作業をずっとしていました。
 

絵はニューヨークの美術館で見たものや、メキシコで自分で撮影した写真やイメージを下敷きに、構図を借りたり、変換したりして描きました。
 

 



今回は絵を描くところを動画に収めたりもしてみました。
 
 

 




「マーダーケース」
 



 
「来世」
 
 

 
これまでは描いた絵をわりとそのままデザインにしていましたが、これまでと違うことをやろうと思って、描いた絵をまた一回壊して全然違うデザインに変えて行く、というプロセスで作りました。
 

マーダーケースはこんな柄に↓


 
私がずっとテーマにしている「メメント・モリ」にまつわる、「生→死」の逆回し「破壊→再生」のプロセスを経ています。
 
 
一見繋がってないように見えるかもしれませんが、この金魚の絵も「マーダーケース」「来世」のスケッチを描いていた時に入れたくて描いたモチーフです。





美しい尾びれや背びれを命の揺らぎに例えて。
 
これも着物や帯になりました。
 
 




 
「メメント・モリ」→「マーダーケース」というテーマ自体は重く暗いものかもしれませんが、死も破壊もループの中の一つの段階であって、ネガティブなものでは無いですし、重く暗いように見えるものも、ポップでエネルギーに満ちたものに落とし込みたいというのも、今回の目標の一つでした。
 
 

このシリーズはまだもう何枚か描きたいのがあるので、ロンドンから戻ったらまた続けられたら良いなぁと思っています。

 
最終的に全体で一つの作品として、見てもらえる機会が作れたらいいのですが。
 
どんな風に着地するかは、私もまだよくわかりませんが…!!
 
 
とりあえずは、新作が他にもあるのでそちらのデザインもお楽しみに。

そして、今回のロンドン行きのメインである、個人の作品撮影のビジュアルもお楽しみに!!
(つつがなく進行するよう、祈っておいてくださいませ…)
 
 
ヴィクトリア&アルバートミュージアムに収蔵されたRumirockさん、モダンアンテナさん、irocaさんと結成した、Kimono  Magic Societyでは、合同展示会の開催も出来る事になりました!!

 

 
ロンドン行きを決めた当初は展示会出来たら良いなぁと1人で動いていて、でもなかなか条件的に難しくて諦めていた事だったので本当に嬉しいです。
 
 
そして、ロンドン王立美術院で、生徒さん向けにワークショップも開催することになりました。
 


★A workshop (lecture) will be held at the London collage of art (RCA) with kimono creators and dressers. 

Please join us.


https://google.com/search?q=RCA+kimono+bash&oq=RCA+kimono+bash&aqs=chrome..69i57j33.4854j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8…


Designer:

Rumix Design Studio https://rumirock.com

Modern Antenna https://modernantenna.com

iroca http://iroca.shop-pro.jp

Tamao Shigemune http://tamao.thebase.in


Dresser/Stlist:

Tomoko Fukuchi http://tsubomiphoto.com

Madoka http://colorfulmore.com




★Group Exhibition Creating Today's Kimono by Kimono Magic Societyat SWAY Gallery

Address: 70-72 Old St, London, EC1V 9AN


Feb 29th: 13:00-18:00

March 1st: 12:00-18:00

March 2nd~3rd: 12:00-18:00

March 4th: 12:00-17:00


 There will be an Artist Alley on February 29th

 There will be a fashion show performance from 17:00 on March 1st.

Guest: Kanon Wakeshima (cellist)  17:00 on March 1st.


Designer:

Rumix Design Studio https://rumirock.com

Modern Antenna https://modernantenna.com

iroca http://iroca.shop-pro.jp

Tamao Shigemune http://tamao.thebase.in


 
ロンドンからも出来るだけ発信して見てもらおうと思っています!

頑張ってまいります。