初めまして!神戸在住、今年30歳になった久保と申します。

 

今回僕はこのプロジェクトで、全てのお客様と同じ目線でオーダーメイドを気軽に楽しめるアトリエを作りたいと思っています。

既存のオーダーメイドのお店は、年に一度や二度着るくらい特別な一着を仕立てるお店が多いかと思います。

その中でカジュアルウェアを仕立てるお店はあまりないと感じていました。

日常的に、何気なくいつも選ぶ一着、これだけはなんとなく捨てられないなと思えるちょっと特別な一着を仕立てる。そんなどなたでも気軽にオーダーメイドを楽しめるアトリエを作ります。

そのような考えに至った経緯を、自己紹介をふまえながらご説明します。

自分について

中学生の頃より4つ上の兄の影響でファッションに興味を持ちました。

高校時代〜20代前半までは、アルバイトの給料は全て服を購入するのにつぎ込むという、まさに服バカでした。

今までにヴィンテージを中心とした古着から誰もが知っている高級ブランドまで、多くの服に袖を通してきました。

当時通っていたセレクトショップのバイヤーさんの話を聞くうちに、自分もこんなお店が持ちたい!バイヤーとしてアパレル業界に携わる仕事がしたいと思い、外国語大学に進学。

その頃、趣味として衣服製作をしていました。1着の服が仕上がるまでの工程、構造を知れば知るほど楽しくなり、もっと服の勉強がしたいという思いが強くなっていきました。

それを機に大学を中退し、自分で集めた様々な資料を基に独学で型紙製作〜縫製までを勉強しました。

 

服作りのきっかけとなる出来事

その頃友人に、神戸にて古着屋を開業するので手伝って欲しいと声をかけてもらい、約2年間勤めました。その友人が服飾の大学を卒業した経験をいかした洋服のお直しやオリジナルアイテムの展開も行っていた為、徐々に僕もその業務に携わるようになりました。

お店で沢山のお客様と会話する中、あるお客様に「こんな服があったら欲しいな〜。作れたりしないんですか?」と聞かれ、僕はそれまでは着心地や素材感まで考慮して使った経験がなかったのですが、色々な資料を参考にしたり友人に教わったりしながら挑戦してみようと思い、「作れますよ。」と応えました。ではぜひ作って欲しいと要望があったため、1着のコートを作ることになりました。

完成後、そのお客様はとても喜んで下さり、製作途中の相談やアドバイス、完成後の達成感がとても充実しており自分自身もすごく楽しんでいました。

一度デザイナーに憧れた時期もありました。これまで沢山の服を製作してきた中で、不特定多数の方を対象に服を作るのではなく目の前にいる人の為に作ること、「これこれ、こういうのが欲しかったんだな〜」と喜んでいただくことこそが、自分にとって服を作ることの醍醐味だとも感じました。

 

それをきっかけに、僕はもっと服を作る勉強がしたい。この道が自分の進むべく道なんだと確信したので勤めていた古着屋を退職し、イギリス人によって日本最古のテーラーがオープンしたとされる神戸で、「黄綬褒章」や「現代の名工」の輝かしい経歴を持つ仕立て職人の方の下で、本格的に紳士服(主にスーツやシャツ、コート等)の仕立てを勉強しました。

 

既存のオーダーメイドのお店に感じた違和感

仕立て職人の方の下で勉強している間、いくつか感じたことがありました。

・年配のお客様が多く、若いお客様が少ない。

・使用する資材や手間のかかる工程を知った上では妥当だと思うが、一般的には馴染みやすい金額ではない。

・スーツ等のフォーマルウェアのオーダーメイドのお店はあるが、カジュアルウェアのオーダーメイドのお店はあまりない。

・仕立て屋と聞くと敷居が高く感じられ、少し緊張しながら来られるお客様が多い。

 

それは以前僕がコートを仕立てた時のお客様とのやりとりとはかけ離れていて、そのギャップに違和感を感じました。

僕はもっとオーダーメイドで服を仕立てるということを気軽なものにしたいと思い、今回このアトリエを作りたいと決意しました。

 

アトリエについて

では次に具体的にどんなアトリエを作ろうと思っているのかをご説明します。

・ファッションの街と知られ、僕が育った街でもある神戸でアトリエを構える。

・木製のインテリアを中心として使用し、陽の光のぬくもりを感じられる温かみのある雰囲気のアトリエにする。

来ていただいた方にリラックスした時間を提供したいと思います。生地がたくさん置いてあったり縫製道具が目に入るような店内ではなく、神戸のちょっとお洒落なカフェみたいな感覚で来て頂けるような雰囲気を作りたいと思います。

・ざっくりとしたイメージであってもじっくりと時間をかけて話し合い、お客様の頭の中にあるイメージを形にするお手伝いをする。

どんなものが欲しいですか?と聞かれ、しっかり説明できるという人はほとんどいないと思います。ですので、お客様の頭の中にあるわずかなヒントでもあっても、納得いくまでお話させて頂きます。

今まで数多くの服に触れてきた経験を生かし、ボタン一つから使用する糸といった細かな所まで、その方にとっての「理想の1着」を形にするお手伝いをします。

・今までの経験をいかしてデザイン面はもちろん、サイズや素材感などもしっかり考え、お客様の生活に寄り添う服作りの提案をする。

お客様の予算に合わせたもので、豊富なバリエーションの素材での提案が可能です。

綿素材一つをとっても国産のものから、イタリアやイギリスの有名なブランドのインポート生地も数多く扱う予定です。

お手頃な価格の小物1点からご注文をお受けする予定です。(例:ハンカチ、ネクタイなど)

・リーズナブルなお値段で高品質のアイテムを仕立てる。

オーダーメイドと聞くと多くの方が高額なものだと感じてしまうと思いますが、僕は手の届きやすいリーズナブルなお値段で提供したいという思いから下記のような値段設定を予定しています。(あくまでも一例です。)

生地や副資材等の料金は別途発生いたしますが、多数の仕入れルートを確保しているので、国産からインポートまでお客様の予算に合わせた提案をさせて頂きます。もちろんお客様の持ち込みの生地でも製作可能です。

 

・一人一人のお客様との時間を大切にしたい為、予約制のアトリエにする。

単にお金と商品だけのやり取りだけではなく、一人一人のお客様と想いを共有してこそ良いものができると考えています。

デザインやサイズだけではなく、その方の生活スタイルやどういったシーンで着られるのか、談笑を交えながらゆっくりとお話しできるような場にしたいと考えています。

・製作に取りかかってから完成までを楽しみに待たれるお客様に、製作途中の写真や経過報告などをメール等でお知らせする。(小さな変更等は随時メール等で受け付ける)

製作に取りかかってから完成するまでには多少お時間をいただく事となります。ですがその期間中も注文して下さった方には楽しんで待ってて欲しいという考えがあります。注文後家に帰って考えていると、「やっぱりここはこんなデザインがよかったかな〜」と気持ちが変わることももちろんあると思います。

そう言った要望や変更等を随時対応できるように、仮縫いや製作途中のものをメール等でお伝えしながらこまめに確認して頂けるようにしたいと思います。

・障害を持った方や、何かしらの理由で来店されるのが困難な方にもオーダーメイドを楽しんでいただきたいので、要望があれば出張サービスも行う。

この考えに至るのに一つの出来事がありました。

6年前に母親が脳出血で入院し、命には別状はなかったものの、脳と右半身の麻痺が後遺症として残りました。

それ以来周りの方の協力のもと、少しづつ回復はしていますが移動時には車椅子は必須です。

元々お洒落が大好きだった母親のクローゼットには今でも沢山の服がしまわれています。ですが、今はもうほとんどの服を着ることはありません。

その大きな理由が「着づらい」「着せづらい」ということです。そういう問題を解決してくれるもので介護服として販売されているものは多くあり、家族で外出する時に一度母親に見せたところ、首を縦には振りませんでした。

誰もがそうではないかもしれませんが、ベッドや車椅子上での生活が多い方にとっては、ちょっとした外出だけで気分転換になりとても楽しみにされていることかと感じます。そんな時、お気に入りの服で出かけれたらもっと素敵な時間、思い出になるのでは?と考えました。

「こんなのがあったらいいな〜。」という気持ちを多くの人が諦めているんじゃないのかな?と思い、そう言った人たちを含め誰もが気軽に欲しい(欲しかった)服を仕立てれるアトリエを作りたいと思いました。

 

以上が僕が今考えている『ちょっと特別な1着を作るアトリエ』作りに必要な要素だと考えていますが、これから出会うであろう全てのお客様に「楽しかったな〜」と思って頂けるようなアトリエづくりを目指します。

 

 

ここで前述したコートを作らせてもらったお客様を例に、注文を受けて製作するまでの一連の流れをご紹介します。

1、相談

まずこの客様は昔ドラマで見たある女優さんが着ていたコートがどうしても欲しくて探し続けているが、どこを探しても理想のものがなくて、、と、自分で書かれたこの1枚の絵を見せてくれました。

2、デザイン画の清書

この1枚の絵をベースに何度も話し合い、2人の間にできたイメージを共有する為に、僕がデザイン画として書き起こしました。

3、採寸、生地の選定

デザインが決定し、次は採寸と生地選びに。このお客様は冬の寒さが苦手で、できるだけ暖かい素材が良いとのことだったので、ウール100%の生地を探して何種類かサンプルを用意し、実際に手に触れて素材感を確認して頂いた後に、実際に使用する生地が決まりました。

4、型紙製作、トワルチェック

採寸したサイズをもとに型紙を製作し、トワルチェック(シーチングと呼ばれる生地を使い、型紙のチェックを行うこと裁断したパターンをピンで留めたり、粗く縫ったりしてトルソーに着せ付けます。)を行います。

元々平面だった絵のイメージを立体的に組み上げ、実際の形を確認してもらいます。

5、フィッティング

型紙の修正を行った後、実際に使用する生地での製作が始まります。ある程度形になり、最後のフィッティングです。

6、完成

最後にサイズや着心地に問題はないか、ボタンやベルト等の細かなデザインを話し合い、最終仕上げに取り掛かり完成したのがこちらです。

以上が、これまで行ってきた1着の服が仕上がるまでの流れです。

あくまでも1例なので、この流れはお客様の注文や都合などを考慮し、臨機応変に変化していくものだと考えております。

 

このコートを仕立てたお客様に今回このプロジェクトのことをお伝えした時に、是非応援したいとの声をいただきましたので、ご紹介させて頂きます。

 

当時ドラマで見た女優さんが着用していたコートが忘れられなくて、ずっと同じ物を探し求めていました。ですがそのコートの情報が無く、欲しいけど手に入らない歯痒さを感じていました。

その時に、もしかするとあの人なら作れるのでは?と久保さんのことを思い出しました。

というのも、いつも服に困った時に相談するとじっくりと話を聞いてくれて的確なアドバイスと提案の末にコーディネートしてもらったお洋服は、その後ずっと愛用できるものばかりで、とても信頼のおける方だったからです。

コートが欲しくて製作希望した時も、自分の記憶の中にしか残っていないわずかなイメージを頼りにデザイン画を起こしてくれたことが、まるで魔法のようで感動しました。

自分は生地についての知識がないのでそのあたりは全てお任せで、生地選びから始まり一つ一つ丁寧に製作をしてくれている過程を聞きながら待つ時間は、とても楽しみでわくわくするひとときでした。

実際に仕上がってから袖を通した瞬間に、自分の肩幅にもフィットし、背丈にもぴったりと合う長さ、そして理想とするデザインで正直驚きました。

そういえば既成のコートだと肩幅が合わないことを頻繁に感じていたことを完成後に感じるくらい、彼の「人に寄り添う服作り」がきめ細かいことを感じました。

私はこの自分が思った感動をより多くの人に感じていただければ良いのにと思っていましたので、今回アトリエを作ると聞いたときはとても嬉しく。是非応援したいと感じました。

 

 

(過去製作事例)

 

 

 

資金の使い道

什器類の購入、HP製作、テナント契約時の手数料、支援して下さった方へのリターンとしてお洋服や小物を製作致しますので、その資材の仕入れ費、その他送料や手数料等に充当致します。

リターンについて

プロジェクト最大の目的です。

今回このプロジェクトを通して多くの人に「オーダーメイドを身近に」感じてもらえるきっかけになればと思い、リターンとしてアトリエ開業時に使用して頂けるお得なギフト券や、国産最高クラスの綿生地「播州織物」を使用したオーダーシャツ、キャンプファイヤー限定の小物をご用意致しました。

 

 

1、ギフト券

アトリエ開業時に使用して頂けるギフト券です。

¥5,000、¥10,000、¥20,000、¥30,000、¥40,000、¥50,000と多種類ご用意致しました。

有効期限などは無く、お好きな時にご来店頂けます。それぞれお得な内容となっておりますので、是非この機会にお試しください。

オープン時期や、アトリエ所在地につきましては決まり次第メールでお知らせ致します。

 

2、オーダーシャツ

『播州織物』を使用したシャツをキャンプファイヤー限定価格にてお仕立て致します。

播州織・・・綿花栽培に適した温暖な気候や、豊かな水源に恵まれた兵庫県北磻磨地方に伝わる伝統ある織物の一つ。

髪の毛より細い糸を撚り合わせた双糸(そうし)で織られた生地は、シルクのような光沢と柔らかな肌触りが特徴です。

糸を織り上げる前に染める先染めの製法で行うことで、細やかな色柄の織物が作れ、豊かな色合いと風合いの表現は可能です。

プロジェクト終了後に直接ご本人様とメール等でやり取りさせて頂き、その際に詳しいサイズや、デザイン、使用する生地、どういったシーンで着られるのか等を細かくヒアリングし、製作致します。

もちろん、アトリエ開業後に直接ご来店されてからの製作も可能ですので、プロジェクト終了後にメールでご連絡した際にその旨をお伝えください。

※柄物は無地と比べ少し工程が増える為、金額に差がついております。プロジェクト終了後にヒアリングを行い、1着ずつの製作になるので完成次第順番に発送となります。ですのでお届け予定時期を来年の1月と少し余裕を持って設定させて頂きましたので、ご了承願います。

リターンについての項目で掲載している生地は一例ですので、ご予算内で他の物も提案させて頂く予定です。

 

3、巾着袋(キャンプファイヤー限定)

久留米絣』を使用したリバーシブルの巾着袋をお届けします。

無地と柄物を使ったリバーシブルタイプなので、気分やシーンによって使い分けて頂けます。

便利なマチ付きで小さめのお弁当箱なら収納可能です。浴衣や着物との相性も良いです。

ギフト包装し、お礼のお手紙を添えて発送いたします。

 

4、あづま袋(キャンプファイヤー限定)

 

久留米絣』を使用したリバーシブルのあづま袋をお届けします。

無地と柄物を使ったリバーシブルタイプなので、気分やシーンによって使い分けて頂けます。

江戸時代に西洋の鞄の便利さを参考にして作られたもので、使わないときは写真のように綺麗に折りたたむこともできます。上部の三角部分を結んで持ち手にします。 容量もしっかりあるので、買い物袋やちょっとしたお出かけにも便利です。

大小2パターンご用意したので、お好きな方をお選びください。

※色や柄、サイズについてはリターンの項目を参照ください。

ギフト包装し、お礼のお手紙を添えて発送いたします。

 

久留米絣(くるめかすり)・・・福岡県南部の筑後地方に伝わる伝統ある織物の一つ。

天候、気温、湿度などで変化する糸の伸縮率は、緻密にそろえた柄をかすかにずらし、
これが織り上げた際のかすれやにじみを生みます。
工業製品に比べて、手作業で織られる久留米絣には“隙”があり、少し力が抜けていてリラックスできる風合いを持っているのが特徴的です。

絣(かすり)とは織る前にあらかじめ文様にしたがって染め分けた糸(絣糸)を用いて織り上げた模様織物。

 

 

最後に

長文をお読みいただきありがとうございます。

僕が今まで培ってきた技術や様々な環境での経験というのは正直文章だけで伝えるのは難しいというのが本音です。

今回僕はリターンとして気軽にお試しいただけるギフト券をご用意させていただいておりますので、ぜひ一度皆様も自分にとってのちょっと特別な一着を作ってみられませんか。

これまで数多くのお客様と一緒に服を製作してきましたが、完成した服を着用した方に「すごく良い」「こんなのが欲しかったので、頼んで良かった」と言ってもらえる瞬間は今でも鳥肌がたちます。この気持ちは学生時代に趣味で作り始めた頃と何も変わりませんし、今でも自分が服を製作する道を歩み続ける理由なのかもしれません。

このプロジェクトがオーダーメイドをもっと気軽に楽しんでいただけるきっかけになればと思います。

皆さまのご支援ご協力をぜひよろしくお願いいたします。

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