はじめまして、もりラバー林業女子@石川です。

木が好きで、森が好き。「かわいいとたのしいとおいしい」で、石川の林業を応援する女性のグループです。長い年月をかけて育つ木や森のように、「100年先を語れる余裕の女子」として、現在全国に26の林業女子会が活動しています。

今回、1月1日に起きた「令和6年能登半島地震」に際し、災害現場の最前線で木を伐っている林業従事者たちを支援するため、このプロジェクトを立ち上げました。

みなさまも報道等でご存知の通り、今回の能登半島地震では、半島中の道路が、土砂崩れや道の隆起、陥没、液状化などにより通行できなくなりました。それにより、陸の孤島と化した集落などで住民たちが避難できずに孤立し、その上、救助も支援物資も届かないという状況が、至るところで発生、長期化してしまいました。

山の木々が土砂とともに道路や電線にのりかかり、車両や人の通行をせき止めているところでは、発災直後から今に至るまで、そして今もなお、多くの林業従事者たちが木を伐り、道路を開通するために日々仕事をしてくれています。

今回の地震による倒木で塞がれた道

〈輪島市で被災した林業従事者の実体験〉
地震があった時、能登空港(輪島市)の近くを車で走っていました。道路のひび割れなどがたくさんあったので、近くのコンビニの駐車場で一晩過ごしました。次の日の朝、自宅のある集落へ車で向かうと、集落の入口には大規模な土砂崩れがあり、歩いて何とか家にたどり着きました。集落には家が損壊している方がたくさんいて、一次避難所に行く必要がありました。

私が歩いて集落に入った道は、再び土砂崩れになりそうだったので、別のルートを探しました。土砂をスコップでどかし、亀裂が入った農道に砂利を敷き、家にあったチェンソーで、倒れた木や折れた木を何本も伐りました。根返りしたり、土砂に埋まったりしていた木は不安定でとても危険を感じましたがその時は必死でした。伐った木は手作業で運びやっと車1台が通れるだけの道幅ができました。

その道を使って孤立していた集落から400人程が避難したんです。

能登半島には豊富な森林資源があり、約200名いる林業従事者は普段、スギやアテの人工林を間伐することで木材を生産したり、広葉樹を伐ってつくる炭焼きや原木しいたけの栽培などを生業にしています。一方で、近年、豪雨や大雪が原因の倒木により、電線などのライフラインが寸断されることが続いたため、石川県と石川県森林組合連合会では「災害時の応急対策業務に関する協定」を締結し、災害が発生した際には、林業従事者が木を伐る技術者として活躍する機会が増えています。

今回の能登半島地震でも、この災害協定に基づき、多くの林業従事者が土砂崩れなどの現場に駆け付け、木の伐採・撤去などを行っています。

㈱第一次産業さん:復旧現場での活動の様子

自身も被災当事者でありながらもなお、危険を顧みず、地域のために木を切る林業従事者たちの中には、今回の地震や津波による自宅の倒壊で、林業に必要な道具や装備を失ってしまった方も少なくありません。

私たちにできることとして、林業従事者が、今も、そしてこれからも仕事を続けられるよう、チェンソーやソーチェーンなどの必要最低限の道具を届けたい。また、能登の寒さが最も厳しくなる今、現場で木を伐ってくれている彼らが少しでも良い環境で、気持ちよく、何より安全に仕事ができるよう、雨風雪から身を守る合羽、法令に基づく安全防護服や手袋などの装備を届けたいと思っています。

㈱吉田さん:復旧現場での活動の様子

このプロジェクトでは、リターンとして、お礼のメールやお手紙をお送りさせていただきます。
今回のプロジェクトを<All in形式>で実施させていただくことで、みなさまからの支援状況により、順次、道具や装備を発注・手配し、現場で働く方たちへ届けたいと思っています。

このクラウドファンディングを準備している間に、代表砂山が高知県林業大学校でお話しする機会があり、ご厚意で募金箱の設置をしていただきました。現地での断水により洗濯や乾燥などができないため、衛生の観点から緊急性が高いと判断し、その募金から下着や靴下を購入して、避難所から現場に出動している20名の方に届けました。

まだまだインフラの復旧や避難が急がれる被災地の状況に、ご理解をいただければ幸いです。

私たちは、これまでも活動を通じて「私たちがあたりまえに生活できているのは、山が健全であるから」ということを伝えてきました。山からの恩恵であることを知らずに受け、関心が薄れている人たちに、もっと林業と山のことを知って欲しい。そして山で働く人への感謝を忘れないでほしい。

今回の震災で、自らも被災して着の身着のまま逃げてきた避難所から、全身ずぶぬれになって着替えが乾かぬまま災害の最前線に通う林業従事者がいると聞き、「何かしたい。何ができるのだろう」と考えずにはいられませんでした。

震災前、能登地域の林業従事者は200人を下回っていました。最前線で働く彼らは森林組合に所属する人だけでなく、一般の協力事業体や一人親方として従事している人もいます。その全てに支援を届けるには、私たち もりラバー林業女子会@石川 が発起人となり、関係各所と連携してプロジェクトを立ち上げるのが良いと思いました。彼らにこの先も「林業を仕事として続けたい」と思える環境を整えたい。安全装備がないためにケガをしたり、道具がないために林業を諦めてほしくない。彼らが守り育ててくれる能登の故郷の山を、この次の世代につなげるために。

「応援している人がいるよ」と伝えたい。

どうぞご支援をよろしくお願いします。


-資金の使い道-
みなさまからいただいた資金の金額に応じて、プロジェクト終了を待たずに、以下の物品等を現場に届けてまいります。

【購入予定の物品リスト】※購入数は支援額により調整します
・合羽、防振手袋、チャップス、ソーチェーン、長靴、ヘルメット
・チェーンソー、チルホール、繊維ロープ、ウインチ、滑車 など

<購入元> 石川県森林組合連合会

【寄贈先】
・能登森林組合・TMウッド・イマエ林業(株) ・マナイウッド
・モアグリーン・井佐林業・井田林業・丸清実業運送(有) 
・吉岡林業 ・山崎木材 ・山本造林(有) ・上正力造林(有)
・徳田林業(有)・馬緤造林(有) ・北能産業(株) ・(株) 酒井林業
・輪島バイオマス発電所・空杣・細畑木材・樵屋・森井組
・門寺建設・矢木林業・中能登森林組合・(株) 北斗産業 
・(株) 吉田・株式会社STF ・中島林業・(株) 第一次産業
・細川林業(株) ・出倉林業(株) +個人4名

【スケジュール】
▼2024年2月:仮発注
▼200万円が集まった時点で・・・
 40人分の防振手袋、チャップス、レインウエア、ソーチェンを購入し寄贈
▼2024年4月中旬:クラウドファンディング終了
 チェンソー、ソーチェンなどを購入し寄贈
▼2024年5月中旬:リターン発送

<募集方式について>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

  • 2024/04/15 12:00

    2024年4月9日 これまでカッパかチャップス&防振手袋のどちらかしかお届けできていなかったのですが、クラウドファンディングの終了を受けて、希望のあった方にはどちらもお届けすることができました!届けた先で「ありがとう、ありがとう」「本当にお世話になってます!」と何度も言ってもらって、喜...

  • 2024/04/08 12:00

    2024年4月4日 4月に入って桜の花もほころび、能登も春らしい陽気が続いています。一方で3/19に報告した災害復旧の現場は、仮復旧で車が通れるだけの道は開けてありますが、約半月経ってもまだ厳しい状態です。このような現場では、人手不足から普段は主に造林や育林に携わる方々が、伐倒や搬出の慣れない...

  • 2024/03/26 22:27

    2024年3月30日(土)13:30~オンラインイベント「フォレスター・ギャザリングFY2024」で、今回のクラウドファンディングについて報告する機会をいただきました。発災~クラウドファンディングを立ち上げるまでの経緯、経過、成果と課題、今後の支援についてお話します。視聴無料ですがお申し込みが...

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