小さなおうちが、世界を変えると信じて。

ご覧いただきありがとうございます、合同会社Break Roomの代表社員、小野澤 優大(おのざわ まさひろ)と申します。

私たちは、新型コロナウイルスの猛威に振り回され続けた2021年の8月31日に産声を上げました。「世の中の生きづらさを解消する」ことを目的として、生きづらさを抱えながら生きる4人のメンバーが集い、これからそれぞれの強みを活かしたプロジェクトを立ち上げていこうと考えております。

その第一歩として私たちが取り組むのが、住むだけで複数の社会問題を解消でき、「自分らしく生きる」ことを実現するシェアハウス「Break Room」の運営です。世界に風穴を空ける秘密の企み、ぜひ一緒にワクワクしながらご覧ください。

プロジェクト概要

 

なぜ「生きづらさの解消」を掲げて会社を作ったのか

合同会社Break Roomは、4名のメンバーで設立されたばかりのスタートアップです。発起人の小野澤をはじめとした全員が生きづらさを抱えており、それらを軸に事業を展開しながら「世の中の生きづらさを解消する」ことを目的としています。

生きづらさを世界の伸びしろと捉えて、同じような生きづらさに悩んでいる方に向けた事業を企てたり、市井に広がる声をキャッチアップして具体的な解決策を提示したりすることで、生きづらさを解消しつつ、社会に根強く残る課題や問題に一石を投じます。

発起人の小野澤がこのような考えを持つに至った理由は、小野澤の原体験にあります。
幼少期よりDVや貧困、生活保護といった環境で育ってきた彼は、いつでも「生きる理由」よりも「死ぬ理由」の方が多い人生を送ってまいりました。

それでもここまで生きてこられた理由は、ひとえに周りの人々の支えがあったからです。しかしそれを抜きにすると、彼の中にある「こんな不条理があっていいはずがない」という怒りににも似た感情が大きな理由を占めていました。

何も悪いことをしていないのに、生まれを理由にハンディキャップを背負いながら生きる子どもや、そのハンディキャップの影響を受けながら、それでも平気な顔をして生きていかなければならない大人たち。

世界がどれだけ便利になろうとも、富んだ時代になろうとも、彼ら彼女らの抱える「見えない生きづらさ」にスポットライトを当てた仕組みは生まれません。

その理由を、障がいやセクシャルマイノリティの問題と本質的には同じだからではないか、と考えました。「ケア」はできても、「解消」はできない。だから当事者が幸せに生きるためには、自身の中でその問題を受容して、「その上でどう生きるか」を再選択する必要がある。

だというのに、一向にそうした機会を提供する事業は創出されない。形だけのケアではなく、本質的な変革につながる取り組みは驚くほどに少ない。弊社が運営するアプリ・メディア「cotonoha」に寄せられる様々な声もあり、その重大さに気づきました。

誰でも匿名で相談できるアプリ・メディア「cotonoha」へ寄せられた相談の一例

叫びは無視されたまま、綺麗な部分だけで回ろうとする社会を変える。それこそが、生きる理由が少ない小野澤にとって、この上ないほどに強固な「生きる理由」になりました。

こうした感覚に共感した3名のメンバーが加わり、私どもは小さな一歩を踏み出しました。この一歩が、未来の大きな歩みにつながることを信じて。真っ暗な道の先に輝きがあることを信じて。

社会問題の解決は、もっとみんなで分担できる

世界は目まぐるしい速度で発展していくけれど、その一方で、世の中にはたくさんの生きづらさが蔓延っています。会社や仕事、学校、勉強、実家、将来、老後。様々なシチュエーションで私たちは生きづらさに直面し、ストレスを我慢して「これも人生」と飲み下します。

ゆっくり「自分にとっての幸せ」を探したり、見つめたりする時間すら取れないまま、心配事は絶えず生まれ続けて、不安を振り切るように先へ先へと急かされる。

お仕事やプライベートでいろいろな人と関わるなかで、多くの人が息つく暇もなく生き急いで、精神や時間を摩耗させているような気がしてなりません。その摩耗のなかで知らず知らずのうちに生じるのが、生きづらさであるように思うのです。

精神や時間の摩耗を犠牲にして、便利さを追求する現代社会に生きづらさが蔓延るのは、必然ともいえるでしょう。

その成れの果てが「若者の孤独」や「子どもの貧困」「空き家問題」などという、「名前を付けられた社会問題」です。私たちは、社会問題に共通する原因である「生きづらさ」を解消することで、今ある社会問題のみならず、これから生まれるであろう未知の社会問題を予防します。

生きづらさは世界の伸びしろだ。

Break Roomより

今、この文章を読んでくれているあなたのなかに根付いている生きづらさを、無理やり押し殺して先へ進むのではなく、丁寧に拾い上げて見つめること。たったそれだけで、驚くほど世界は優しく、暖かく変わっていくと信じています。

私たちのプロジェクトは、世の中を便利にはできないかもしれません。でも、みんなが「取るに足らないことだ」と切り捨ててしまった生きづらさを、優しさや暖かさに変換して、もう一度社会の輪の中に還元することで、緩やかな変革を起こしていきます。

そのために必要なのは、「生きづらさに気づいて向き合える環境」「新しい生き方を実践できる環境」。それを両立できる居場所として私たちが選んだのが、シェアハウスという居場所です。

複数の人間が一戸建てのお家に同居するシェアハウス文化は10年ほど前から日本でも普及しており、都市部を中心に様々なコンセプトを持ったお家が実現しています。一般社団法人日本シェアハウス連盟の調べによると、国内には2021年時点で5,057棟ものシェアハウスが存在しており、同じ趣味や嗜好を持った若者が気楽に共同生活を楽しめる選択肢として人気を博しています。

私たちは、このシェアハウスという形態に「生きづらさに気づいて向き合える環境」と「新しい生き方を実践できる環境」というコンセプトを組み込んで、住居として快適に暮らせることはもちろんのこと、住人さんが「生きづらさ」を自覚したり、解消したりできるシェアハウスを作ります。

1軒の古民家が3つの社会問題を解決

私たちが提供する「Break Room」は、築年数が経ってしまった地方都市の古民家を活用して、3つの社会問題を解決します。

1.「若者の孤独」を解消する「居場所としてのシェアハウス」

以下の図表は、内閣府の調査から引用したものです。

自分の部屋や家庭、学校など6つの場所のなかで、若者が居場所を感じられるのはどこか、という調査をおこなった結果、もっとも居場所を感じやすいのは自分の部屋だと分かりました。注目すべきは「学校」と「職場」に居場所を感じる若者の少なさです。


逆説的に、自分の家庭や自室、地域などに居場所を見いだせない若者にとって居場所を見つけるのは困難な状況にあると言えるでしょう。


また、以下の図表は「居場所の数」と「生活の充実度」の関連をグラフで示したものです。

自分の生活について「充実している」「どちらかといえば充実している」と答えた若者の割合は、居場所の数ときれいな比例関係にあります。つまり、居場所の数が多いほど生活は充実するといえるでしょう。


また、つぎの図表は「居場所の数」と「自己の将来像」の関連をグラフで表したものです。

こちらも居場所の数が増えるほど、ポジティブなイメージを抱く若者の数が増えています。つまり、居場所の数が多いほど「生活の充実度」と「未来に対するポジティブなイメージ」に好影響を与えるのです。

若者の孤独を解消するために、BreakRoomは「シェアハウスという居場所」を通して貢献します。

「居場所」は「人」だと思うから

ところで、「居場所」とはなんでしょうか。

「あなたにとっての居場所はどこですか?」と尋ねられたとき、はじめに思い浮かぶのはなんでしょうか。きっと、居心地よく過ごせる「空間」だけではなく、「誰かの顔」も一緒に思い浮かぶと思います。

私は、人にとっての居場所は「人」だと思うのです。

外では言えないようなこともすんなり話せる相手だったり、趣味や好きなことの話を朝まで続けられる相手だったり。自分の深いところまで受け止めてくれる相手を、人は「居場所」として認識するのだと思います。

若者の孤独を解消して、居場所を創出するシェアハウスBreak Roomは、快適な居住空間に加えて「つながりが生まれる場所」である必要があります。

「初めまして」だった相手とじっくり時間や思考を共有することで、次第に「つながり」が生まれていく。気がついたら、誰にも話していなかった自分の胸の内や、これまでのこと、これからのことを共有している…。そうして、人が居場所になっていけば、孤独が解消されていきます。

そのために、BreakRoomでは「対話」や「イベント」を軸に、毎日のシェアハウス生活を堪能してもらいたいと思っています。雑談だけじゃ分からない自分や相手の心の内は、「なんでそう思ったの?」「それってどういうこと?」といった踏み込む質問を通して、輪郭をそっとなぞるように、徐々に明らかになっていくもの。

こう聞くと「時間と手間がかかりそう」「自分の胸の内を晒すなんて怖いし、意味が分からない」と思う方もいるでしょう。確かに、こうしたコミュニケーションを通して仲良くなるためには、普通は時間がかかるものですが、そこは同じ時を過ごすシェアハウス。食事や買い出し、共用部でのリラックスタイムなどを通して、驚くほど自然に対話が生まれてしまうのです。

自分の胸の内を晒すのだって、本当はとても怖いもの。だから、当たり前だけど、言いたくないことは言わなくていいんです。自分が大切にしている価値観や感覚のすべてを言葉にして伝えることは、とても難しい。だけど、だからこそ、それを知ってなお一緒にいてくれる相手は、もう居場所以外の何ものでもないと思うんです。

Break Roomは、ただ「居場所が見つかる」環境を用意して、一歩を踏み出したい若者の勇気を待っています。

と言いつつ、ただ待つだけではありません。そうした対話が生まれやすいように導線を意識しながら家具・家電を配置したり、共用部を広めにとったり。定期的にイベントを企画して、異なる角度で自分や相手を発見できるような仕掛けだって、たくさん用意していきます。

代表の小野澤を筆頭に、運営メンバーはみんな人見知りで、臆病な性質を持っています。だからこそ、無理なく暮らせて、無理なく人と仲良くなれる方法を考えるのが得意です。

もし住人さんが困ってしまうことがあれば、コミュニケーションの方法や楽しく暮らす方法を住人さんと一緒に考えながら、一緒にお家を作っていけるような関係でありたいと思っています。

2.「子どもの貧困」を解消する「子ども食堂」を併設

Break Roomが解消するのは若者の孤独だけではありません。近年取りざたされている「子どもの孤食」や「子どもの貧困」に対しても、一石を投じます。具体的には、BreakRoomの住人さんたちと一緒に、子ども食堂を運営します。

場所はBreakRoomの共用部。定期的に開催を告知し、開催日はもちろんそれ以外の日にも周辺の子どもたちが気軽に足を運べるような開かれたお家を目指します。

子どもの孤食や貧困を解消したい理由に、合理的な説明は必要ないかもしれません。これからの未来を担う子どもたちに、健やかで、より広い、自由な未来を夢見てもらうこと。それこそが未来の生きづらさを予防する最善にして唯一の策であり、私たち大人の贖罪ですらあると感じています。

その上で、こうした感覚をより分かりやすくイメージしていただくために、少し理屈っぽい説明を挟みます。もうすでに「子どもの貧困って解消すべき問題だよね」とご理解いただいている方は、読み飛ばしていただいても構いません。

日本財団の調べによると、国内の子どものうち7人に1人が相対的貧困という状況に置かれており、日々の生活には困らないものの、教育や体験の機会が失われ続けたまま大人になってしまうリスクがあるのです。以下の図表は、日本の子どものなかで相対的貧困に陥っている人数を割合で示したもの。

軽微な増減を繰り返しながらも、1985年には10.9%であった貧困率が2019年の時点で13.5%にまで増加しています。改善のメドは立っておらず、民間の子ども食堂や子ども宅食といったサービスが生まれるまでに深刻化しているのです。

子どもの貧困が「他人事」として扱われていることを危惧した日本財団は、以下のような推計を実施。日本で初めて「子どもの貧困がこのまま進むとどれくらいの経済的損失が生じるのか」を数値化したレポートです。

この数値は、2013年の時点で15歳だった子どもたちがそのまま大人になった場合の推計を現状シナリオとし、相対的貧困を改善した場合の推計を改善シナリオとして図表化したものです。

たった1学年分の子どもたちの相対的貧困を放置するだけで、所得には2.9兆円もの損失が生じています。子どもは毎年生まれて、毎年大人になっていきますから、この数値だけでは全体像は計り知れません。しかし、見えないうちに子どもの貧困が我が国に与えている損失は遥かに大きなものであり、改善することで経済的に得られるメリットも非常に大きなものであると言えるでしょう。

なぜ相対的貧困を放置すると経済的な損失が生まれるのかと言えば、教育機会や体験機会の減少によって職業選択の幅が狭まってしまうことが挙げられます。貧困下にある子どもは生まれながらにして進路選択の幅が狭く、大学や専門学校などで高等教育を得る余裕も、その選択のための学力も手に入れにくいのです。

さらに踏み込めば、金銭的な問題のみならず、精神的な問題も関わっているのではないかと思うのです。貧困家庭の子どもは、幼いころから「家庭を支えなければ」という意識を持って育ち、進路選択の際に心理的なブレーキが生じて進学しにくく、学びの機会を得ないまま社会へ出てしまう……。そういった友人が、私の地元にも少なからず存在しました。

これらの理由によって生まれた、学歴による収入の差が、そのまま先述した日本財団の推計の差分につながっていると考えられます。この問題を、BreakRoomは「子ども食堂」という間接的な手法で解決します。

子ども食堂が提供する本当の価値は食事じゃないはず。

「子ども食堂」という名前はすでに全国各地で知れ渡り、有志の企業や団体が利益度外視で運営をおこなっています。身もふたもないことを言えば、そもそも子ども食堂という取り組みは、子どもをメインのお客さんとして食事や居場所を提供しているので、ビジネスとして成立しにくく、永続性や発展性に欠けています

フードバンクと提携して材料費を安く抑えたり、補助金を活用したりして、なんとかやりくりしていらっしゃる子ども食堂が多いなかで、私はふと疑問を抱いたのです。

困窮している子どもに、疲弊しながら食事や居場所を提供することに、どんな意味があるのだろうか。そう考えた結果、子ども食堂という取り組みの価値は、その本質は、食事を提供することだけではないのだ、という結論に至ったのです。

実は私自身、片親の貧困家庭で育ち、幼少期から鍵っ子でした。母は仕事が忙しく、その背中を見て育った私は、手作り料理で楽しく食卓を囲む”当たり前”を実現するのは、他の家庭よりもはるかに難しいものなのだ、と子ども心に感じ、寂しさを押し殺すことには何の躊躇もありませんでした。

だからこそ、子ども食堂という取り組みを俯瞰してみると、答えが見えてきたのです。

民間が子ども食堂という取り組みで果たすべき役割は「子どもに安くご飯を提供すること」でも「フードバンクと提携して材料費を抑えるために奔走すること」でもありません。

「子どもが安心して足を運べる居場所」であることや「普段は会えないような大人と関われる、貴重な学習や体験の機会を提供する」ことにあるのではないでしょうか。

貧困家庭への金銭的・物理的援助は、行政が主導して動くべき内容です。でも、子どもたちの良き理解者になったり、楽しいお兄ちゃんお姉ちゃんになったりすることは、行政では不可能な役回りです。

その役回りを、子ども食堂という形で引き受けることこそ、子どもの貧困に対して民間企業や団体ができる最大の対策なのではないかと思いました。

BreakRoomの子ども食堂は「栄養士が監修したバランスの良いメニュー」を提供するようなものではありません。住人さんや、元喫茶店店長の小野澤が作るハンバーグやカレーといったご馳走をたらふく食べて、共用部で食卓を囲んだあとは自由時間です。

全力でスマブラをしたり、どうしても勉強したい子は勉強を教わったり、疲れていたら眠ったり。好きに過ごせる時間や空間を提供します。

こうした交流を通して、相対的貧困に陥っている子どもたちに「視界の外側にある開かれた世界」を垣間見てほしいと願っています。先述したように、相対的貧困の根本的な問題は「学習や体験機会の損失」です。それは「自分の将来に希望を持てないこと」へ直結します。

しかし、シェアハウスを通して様々な若者たちと交流することで、普段の生活の延長線上では出会えないような年上のお兄さんやお姉さんと話せます。先生とも同級生とも家族とも違う、異なる価値観に触れることで、子どもたちの視界には新たな風が吹き込み、その風が目の前に広がる淀んだ停滞を吹き飛ばしてくれるはずです。

BreakRoomの子ども食堂が貧困家庭の子どもたちに提供するのは、美味しいご馳走だけでなく「未知の体験」や「未来への希望」です。

3.「空き家問題」を解消する唯一無二のモデルに

総務省統計局の調べによると全国の空き家の数は約849万戸にものぼり、 住宅の約7軒に1軒が空き家になっています。少子高齢社会を迎えたわが国の空き家問題はこれからも増加の一途をたどり、併せて地方から都市部への人口流出も加速していくでしょう。

空き家を放置しておくと、火災や事故、治安悪化の原因になったり、倒壊によって景観の悪化を招いたりするため、空き家が増加している地方都市では早急な対応が叫ばれています。

しかし、「空き家問題」という言葉はよく耳にしますが、実際のところ、空き家が増えたところで何も問題はないんじゃないか、と思う方もいるかもしれません。たしかにその通りです。付近に空き家がある場合を除いて、空き家によって私たちの生活に致命的な問題は生じません。

それでもこれほど声高に社会問題として取りざたされている理由のひとつに、止める手立てがないという要因が含まれているように思うのです。

たとえば、親族が居住していたけれど、高齢化や入院などの理由で家を手放したり、相続によってお家の権利が遠方に住む親族のもとへ移動したりして、これまで使われていたお家が空き家化していく。権利だけを手に入れた親族の方は既に別の土地で生活しているので、引っ越すこともできず、使い道も見いだせません。そして、次第に放置されて老朽化が進んでいく…。

空き家の増加原因が少子高齢化にある以上、少子高齢化が解消されなければ空き家の増加にも歯止めは効きません。延々と増え続ける「使われないお家」は、社会に致命的なダメージを与えることはないけれど、建物はどんどん劣化し、長い時間は人がそこで生活を営んでいた記憶すら連れ去ってしまうでしょう。

私はその「失われる空間」にもったいなさを感じました。

居場所を求めている若者がいる、温かい食事や自由な空間を求めている子どもがいる。
その一方で、使い道がないから、お金にならないからと不動産市場からはじき出されてしまった空き家がこんなに溢れかえっている

これらを結び付けて、シェアハウスにできたなら――。
そう考えるまでに時間はかかりませんでした。

それから、活用方法が見いだせない戸建て物件をシェアハウスBreak Roomとして活用し、各土地の社会問題を解消していくビジョンを掲げて、様々な空き家を見て回りました。いずれも、かつてそこに営みがあったことを証明するかのように、どこか暖かさの残るお家ばかりでした。

資本主義から零れ落ちてしまったものを結びなおして、少しでもお金になる「価値あるもの」として、もう一度社会へと投げ返すことができたなら

これらの社会問題は、資本主義という大きな力によって押し動かされて、少しずつ解消へと動き始めていくのではないかと感じました。

弊社がこのプロジェクトで解消する最後の社会問題は、空き家問題です。空き家バンクに掲載されているものをメインに、使い道のない戸建て物件をご紹介いただき、シェアハウスBreakRoomとして活用。これまで紹介した「若者の孤独」や「子どもの貧困」と一緒に「空き家問題」も解消したい。

住人さんは住むだけで社会問題を解消する立役者になって、新しい自分の生き方を見つけられる。
子どもたちは美味しい食事だけでなく、前向きな未来を手に入れる。
朽ち果てる宿命にあった空き家は、居場所として新たな活路を見い出せる。

一石三鳥の新たな街の保健室。
それがシェアハウスBreak Roomです。

今後はさらに多くの社会問題や生きづらさを解消します

また、BreakRoomの規模を拡大するにつれて、今後は社会問題も解消できるような仕組みを整えてまいります。

・社会福祉士に相談できる福祉サービスへの「橋渡し窓口」の設置

・子ども宅食応援団さまと連携した「子ども宅食」の実施

・入居者さまの収入が低い場合に利用できる「在宅ワーク斡旋制度」の整備

・地域の子どもを対象に低額で勉強を教える「寺子屋制度」の整備

他にも、提携してくださる企業様や団体様と協力しながら、Break Roomを通して様々な生きづらさが解消されていくような仕組みを構築していきます。

具体的には、「空き家活用の方法はないかなぁ」と悩んでおられる自治体やオーナー様に向けてはノウハウの提供を。「地方で起業したいけど何をしたらいいんだろう」と考えている起業家の方との提携も見据えています。

包み隠さずに言えば、このモデルが上手くいくことを証明したい。

そしてそのあとは、どんどんマネして、じゃんじゃんパクってほしいのです。

そうすれば、空き家が増えた分だけ、Break Roomのようなお家が増えて、そして、生きづらさは減っていく。そんな循環を生み出したいのです。

私たちが取り上げた3つの社会問題は、いずれも根深く、一筋縄では解消できないものばかりです。
だからこそ、いっときの支援や小さな取り組みでは、焼け石に水で終わってしまう…。

これらの社会問題は「一部の有志だけが犠牲を払って立ち向かっている」だけでは、決して解消されないと思うのです。

だからこそ、このプロジェクトの行く先は「強い想いはないけれど、リスクが少ないならやってみたい」「空き家を使って事業ができるのは面白そうだ」と思ってくれる方を増やすこと。

取り組む方にちゃんとメリットがあって、利用する方にもメリットがある。その上で、社会問題の解消にもつながるビジネスプランがあれば、きっと多くの人たちがこぞってマネをしてくれる。理由は「お金になるから」でも「楽しそうだから」でも、何でもいいんです。

「社会問題だから」という理由だけで、世界のために動ける人がいる。
「社会問題だから」という理由だけでは、世界のために動けない人がいる。
「おかしいと思うから」という理由だけで、世界のために頑張れる人がいる。
「おかしいと思うから」という理由だけでは、世界のために頑張れない人がいる。

 そこには差なんてなくて、みんなきっと、誰かにとってのヒーローで、主人公で、世界を救う権利を持っている。

「お金になりそうだから」とか「楽しそうだから」という理由で、世界のために動いていい。そんな新しい流れを、この社会の中に生み出したい。

この「Break Room」は、そのための数あるプランのうちのひとつです。

このプランを応援してくださる方々や、協賛してくださった方々。興味を持ってくれた方や、今すぐに利用したいと息巻いてくれた方。そんな皆さんの想いを優しい弾丸にして、世界に風穴を開けるために。このプロジェクトを「みんなで叶えるプロジェクト」にするために。

私たちは、お家の探し方から事業化、住人さんの集め方、シェアハウス・子ども食堂の運営ノウハウに至るまで、このプロジェクトを経て蓄積されていくであろうすべてのノウハウを、誰でも使えるかたちにして一般開放します。

そんな未来を見据えて、私たちはたった一軒の小さなお家に、大きな大きな夢を託しました。

記念すべき初舞台に選ばれたのは全国屈指の観光地「広島県・呉市」

広島市の東南に位置する広島県呉市。かつては軍港として栄えた港町ですが、現在は国内外から多くの観光客が集まる観光都市となっています。呉駅周辺の都市部はレトロな街並みや地域に根付いた大きなアーケード街、大和ミュージアムなどが集中しており、生活と観光が一体となった過ごしやすいエリア。いつまでだって散歩していたくなります。

どこか異国の風を感じるような、懐かしいような……。独特の世界観を持つ魅力的な海の街で、BreakRoomをスタートさせようと決めました。

なぜ呉が選ばれたのか

このプロジェクトを実現するにあたって、最も難航したのはやはり「家探し」でした。

北は北海道、南は鹿児島まで、本当にあらゆる土地の空き家を探し、交渉し、実際にいくつかの物件を見て回りました。1軒目ということもあり、信用のない弊社ではうまく交渉に進むことすら難しかったことを覚えています。

なんとか交渉の機会をいただけても、金額的な折り合いがつかなかったり、弊社の理念に共感していただけなかったり、といった理由で契約には至らず、疲弊していくなかで、弊社の理念に強く共感を示してくださる物件オーナー様と出会えました。呉駅から徒歩20分程度の好立地にある空き家。その売却を検討しているとのことで、小野澤とharuの2名で内見へ伺い、手探りのまま商談を進めます。

「お若いのに素晴らしい心意気をお持ちだと思いました。プロジェクトを応援しています」

そうオーナー様に言っていただいたとき、この事業は、このプロジェクトは、必ず実現しなければならないものだ、という確信が生まれました。また、弊社の状況にもご理解をいただき、金額面や手続き面でもかなり融通を利かせていただきました。

この街で、一つ目のBreak Roomを成功させたい、と思うまでに時間はかかりませんでした。

Break Room1軒目ルームツアー

外観


海が望める縁側で一休み

キッチン

※DIYで内装や外壁などの改修を行い、シェアハウスや子ども食堂として活用できる状態にしてから事業をスタートいたします。

このプロジェクトで実現したいことや展望

シェアハウスBreakRoomを通して、社会問題の解消につなげたいという気持ちはありますが、それはあくまでプロジェクト単位での展望。ミクロな視点で見て、呉に生まれる新たなお家を魅力的な居場所に仕上げることが最優先です。

まずはこのお家に住んでくれた方に、あたたかなつながりを提供します。魅力的なシェアハウスとして住人さんに心から満足してもらうことが大前提ですから、弊社の管理人が常駐して、円滑なコミュニケーションの促進やハウスルールの策定などを行います。

代表の小野澤は、シェアハウス事業を12年営む「株式会社天晴れ」にて役員を勤めており、同社の家族型シェアハウス「またたび」で3年間運営に従事しています。シェアハウス運営に関するノウハウを駆使し、ステキなお家を実現したいです。

次に、BreakRoomは子ども食堂の実施を通して、地域の子どもたちが気軽に足を運べる場所としても機能します。安心してお子様を送り出せるよう、自治体や学校、ご家族との連携も見据えながら体制を整えてまいります。

ただ、なかには家庭環境に難がある子もいると思いますので、その場合は安心して逃げ込めるシェルター的な役割も果たせるよう、公的サービスとも連携しながら仕組みづくりをおこないます。

応援メッセージ

――岡本 翔さま(株式会社RASHISA 代表取締役)
こんにちは!株式会社RASHISAの岡本です。 シェアハウスBreakRoomの皆様を応援しています!「居場所」があるだけで、人生は大きく変わるものだと僕自身実感しています。また、僕自身もこれまで5ヶ所以上のシェアハウスやルームシェアを体験してきました。どこも素敵な時間を過ごすことができました。 広島県呉市に居場所となるシェアハウスができることを楽しみにしています!

株式会社 RASHISA 
Twitter 


――清水 舞子さま(株式会社祭 代表)

24時間いつでもふらっと立ち寄ってもよい居場所がある。そんな事実に、どれだけの人が救われることか。居場所の本質は人だという考え方にも共感します。

このプロジェクトが人を孤立から遠ざけ、繋がりの選択肢のひとつとして網目のように広がることを望みます。

株式会社祭 
Twitter 

資金の使い道

資金の使い道としては、以下のような想定をしております。


目標金額……1,600,000円


設備費:約30万円(家具家電などの設置費用)
修繕費:約60万円(DIYや残置物処理にかかる費用)
人件費:約0万円(弊社メンバーが出向します)
制作費:約45万円(リターン品の原価見込み)
広報費:約10万円(サイト制作費。広報は自社メディアやSNSを活用して抑えます)
手数料:約15万円 (9%+税)


事業計画

まず前提として、以下の条件を想定しております。

・住人さんの家賃は「平均一人当たり4万円」
・家賃のなかに水道代・光熱費・ネット代・お米代が含まれています
最大5名の住人さんをお迎えする予定です

そのうえで、

※調査したところ呉駅周辺にはシェアハウスが存在しないので、ブルーオーシャンとしての出店が可能だと結論付けました。

収支予測

まず年間のランニングコストについて簡単にご共有いたします。

次に、売上と利益について、予測をご共有いたします。

入居していただける住人さんの人数によって売り上げや利益は変動します。
満室時で160万円の黒字、0割のままだと年間6万円の赤字になりますが、ここでかかるのは水光熱費などの基本料のみです。

万が一赤字になった場合は、弊社の別事業であるWebマーケティング事業の方で補填しつつ、部屋割りの変更や家賃の変更など軽微な修正をして収支を改善。限界まで住人さんに寄り添った現状の見立てでは、上記のとおりの収支計画となります。

実施スケジュール見込み

11月中  DIYにて改修スタート&リターン発送
(グッズの配送は前倒しできるかもしれません)
12月下旬 BreakRoomオープン
1月上旬 家具家電の搬入・Webサイト完成

<募集方式について>

All-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします

リターン品の一例

〇イラストレーター・”萩森じあ”のオリジナルグッズ!

繊細な色使いやタッチで人気を博すイラストレーター・萩森じあのイラストがクリアファイルやサコッシュ、Tシャツなど普段使いしやすいグッズに。

クラウドファンディングで限定公開しているオリジナルグッズ。
じあさんファンも、まだファンじゃない方も必見です!


〇シェアハウス”Break Room”に参加できる!

お家のなかに飾る季節のお花や本棚に並べる書籍など、ハウスの雰囲気を決定づける内装のお手伝いをお願いします…!

ご支援いただく皆さんの想いも乗せたお家になるよう、様々な形で関われるラインナップを取り揃えております🌸


〇haruさん大好きセットをご用意!


各方面で話題のharuさんとおしゃべりしたり遊んだりできる、ここだけのリターンをご用意しました。

気になる人格からのお手紙やharuのカウンセリングサービスまで、豊富なラインナップが揃っています!


〇Webメディア「cotonoha」での取材やカウンセリングも!


「生きづらさ」に寄り添い、言葉にならない言葉を紡ぐWebメディア「cotonoha」で、ご支援いただいた方の生きづらさや悩みについてヒアリング・カウンセリングをおこない、記事として提供いたします (医療行為には当たりませんのでご留意くださいませ)。

このほかにも様々なリターン品をご用意しておりますので、ぜひ覗いてみてくださいね!

おわりに

――haruよりメッセージ

僕が「街の保健室を作りたい」と言ってから、実は3年が経ちました。
たった3年、されど3年。僕たちが考えていたものが、夢から現実へと形作られようとしています。
今までたくさんの人たちの力をお借りして、一歩ずつ歩んできました。
そしてこれからも、僕たちは前に進み続けます。
生きづらさを抱える人たちに、生きづらさを抱える僕たちに、皆様からの温かいエールをお願いします。

――古川よりメッセージ

私たちの取り組みに興味を持ってくださり、ありがとうございます。
生きづらさと一口にいっても、人それぞれ抱えていかねばならないもの、背負わされたものは違うから、時には孤独感が増して、うまく生きていかない自分や先に見える人生が怖くなるときがある。そうした日の苦しさを私たちも経験してきたからこそ、様々な人が感じている生きづらさを寄り添いながら視える化して世間に伝え、社会を変えていくきっかけを築けたら‥と思います。その第一歩となる、今回のクラウドファンディング、応援してくださったら、とても嬉しいです。

――萩森よりメッセージ

猫好きライター古川さんにちなんだねこイラスト中心に、ほか描き下ろしのイラストを使用してもらってます。

特におねこさまTシャツは身内の間でもかなり人気です。我ながら全部のグッズがとてもかわいいのでぜひ手に入れて欲しいです。

――小野澤よりメッセージ

このプロジェクトは3つの社会問題を解消する、という大きな未来を背負っています。しかし、収支を見ていただければわかるように、個人の方でも手が届く範囲の規模でプランを構築いたしました。世の中の生きづらさを解消する、という未来を見据えた弊社の小さな一歩。ぜひ近くで見届けてくれませんか。

この一軒目の成功がなければ、その未来を叶えることはできません。
ご支援をいただかなければ、このプロジェクトは実現すら難しくなってしまいます。どうか皆様のお力をお貸しください。

また、本件について少しでも興味を持っていただけましたら、ぜひ今後の協業なども見据えて弊社へご連絡いただけると嬉しいです。

会社概要

Webサイト

http://breakroomgk.com/

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください