(3/16 追記)
皆さまのご支援もあり、渋谷の映画館「ユーロスペース」での劇場公開が決定致しました。上映時期は今年の夏になります。これに合わせて、リターンを追加致しました。劇場招待券をお届け致します。3500円で1枚。6000円で2枚のお届けになります。映画を全国・世界にお届けしたく、引き続きご支援をよろしくお願い致します。

 

このプロジェクトについて

皆さん、こんにちは。ドキュメンタリー映画『発酵する⺠』を監督した平野隆章です。

この映画は、鎌倉や葉山の女性たちを中心に、3.11からの変化を7年間取材した映画です。人間以外の存在(微生物や惑星の動き)にも耳をすましながら、3.11後に生まれた、唄や踊りなどの文化、生き方を描いています。

福島で取材をしている時、被災者の方から「いつの間にか、原発事故が福島のことだけにされている。それが原発事故の被害を語りにくくしている」と言われたことが、印象に残っています。

この映画をつくることによって、福島や被災地と繋がることが出来るかもしれない。そのような思いで、映画の制作を始めました。

取材させていただいた人たちに魅かれ、様々な方に助けていただき映画を制作しました。そして、原発事故から10年という節目の2021年3月。福島の映画館「フォーラム福島」での劇場公開が決定しました。

今後、上映活動を広げていき、他の地域や海外の映画館、映画祭、自主上映会などで、映画を見ていただきたいと思っています。

しかし、コロナ禍により、映画館や自主上映会での制限も発生し、私のようなインディペンデント映画制作者も苦境に立たせられています。

制作費は自費で進めてきましたが、この映画の配給宣伝費等を皆さんにサポートして頂きたく、プロジェクトを立ち上げました。皆さんと一緒にこの映画を育て、広げていきたく、ご支援をよろしくお願い致します。

監督プロフィール

平野隆章
1981年、神奈川県生まれ。鎌倉在住の映像作家。 2010年、取材・撮影・編集を担当したドキュメンタリー『宮下公園』(制作OurPlanet-TV)が、地方の時代映像祭で優秀賞受賞。2013年、編集を担当した報道ドキュメント『東電テレビ会議 49時間の記録』(制作OurPlanet-TV)が科学ジャーナリスト賞大賞を受賞。 山形や福島、東京の映画館で上映される。2020年、初監督作品となる『発酵する⺠』を発表した。

映画の内容

海と山に囲まれた古都・鎌倉。2011年、このまちを「脱原発パレード」で歩いた女性たちが「イマジン盆踊り部」を結成した。彼女たちは、日々の生活の中で浮かび上がってくる思いを唄にして踊り始める。

お酒や味噌、パンづくりの思想から生まれた「発酵盆唄」。海水を汲み、薪で火を炊いて塩をつくる「塩炊きまつり」。やがて、風変わりな唄と踊りが、人びとをつなげてゆく。

この映画は、鎌倉や葉山のユーモア溢れる抵抗者たちと、盆踊りの渦、女性たちの笑い声を描きながら、 太陽系を縮小した円形の暦「地球暦」のマクロな視点や、「発酵」のミクロな視点を交差させてゆく。混沌と優しさの中で、何が見つかるだろうか。

映画の制作背景

・撮影の9割に自然エネルギーを使用

撮影で使用したカメラのバッテリーは、太陽光で発電した自然エネルギーを使用しました。電力会社と電力のやり取りをしない「独立型太陽光発電システム」を使用。映画の9割以上がこのエネルギーで撮影しています。

私が調べた限りでは、このシステムで全編撮影されたドキュメンタリー映画は、見当たりませんでした。このドキュメンタリーは、自然エネルギーの力を借りて記録された映画です。

イマジン盆踊り部(2015年の様子)
・微生物や惑星の動きが交差する

映画の起点は、3.11。今だから言えるあの時のことや、そこからの変化を描いています。

新たに生まれた唄や踊りとともに、鎌倉のパン屋さん「パラダイスアレイ」の勝見淳平さんや、「寺田本家」の寺田優さん、「地球暦」考案者の杉山開知さんなども取材し、人間以外の存在(微生物や惑星の動き)にも目を向けていきます。

そして、いわゆるストーリーから外れてしまうような瞬間。映画というメディアだからこそ描ける時間を見つめていきます。

異なる要素をダイナミックに交差させて、混沌とした中で見つかるものは、今、コロナ禍にいる私たちに響いていくものがあると感じています。

鎌倉のパン屋、パラダイスアレイの店主 勝見淳平さん

創業340年以上になる酒蔵「寺田本家」(千葉県神崎町)の寺田優さん

・「鎌倉」で生まれた映画

映画の主な舞台は、古都・鎌倉。海と山に囲まれた街です。鎌倉には、 国会も東京電力本店もありません。この国の中心から少し外れた場所だからこそ、生まれたもの、見えてくる日本の姿があると思っています。

この映画が生まれた場所も、鎌倉の映画館です。映画は、鎌倉の川喜多映画記念館が上映を組んでくださり、先行上映を行いました。コロナ禍では異例の6回上映が全席ソールドアウトするなど好評でした。

初回上映時。暗闇の中に、この映画が映し出された瞬間、映画『発酵する⺠』がこの世に生まれたと感じました。この映画は鎌倉から、皆さんの街に旅に出ます。
 


資金の使い道

ドキュメンタリー映画『発酵する⺠』は、制作費は約600万の予算規模の映画です。現在、映画館での上映や、自主上映会を開催するために、配給業務をしています。

制作費の他、配給宣伝費や海外展開には、約230万円がかかりますが、このうちの120万円を支援していただきたく、プロジェクトを立ち上げました。具体的には、以下の内訳です。

<皆様に支援していただきたい経費>
映画館上映素材制作費(DCP) 30万円
予告編編集、制作費(DCP) 10万円
英語版制作費(翻訳費、編集費) 50万円
自主上映会用の映像素材制作費 10万円
劇場などへの営業活動費 20万円

<この他にかかる主な経費>
試写会運営費 10万円
劇場公開、自主上映会の宣伝費(外注含む) 40万円
海外展開の活動費(外注含む) 15万円
ポスター、チラシ等の印刷費 15万円
トークゲスト等の謝金 15万円
ホームページ制作費(デザイン更新・サーバー契約料) 15万円

明け方に見える金星


リターンについて

ご支援額に応じて、以下のリターンを準備しております。

・監督からのお礼のメール

・支援者の限定記事(撮影のエピソードや、リアルタイムで進む全国公開への道のり秘話、経費のことなど、ここでしか話せないことを限定公開で記事にします。)

・映画のオリジナル手ぬぐい、ステッカー、フライヤー

・映画の公式ホームページ「支援者一覧」にお名前を掲載

・劇場公開後の自主上映会の開催権利(1回上映)

・劇場公開後の自主上映会の開催権利(1回上映、監督トーク付き、交通費別途)

・活動記録映像の制作 (撮影半日程度。完成尺最大3分程度。交通費別途)

映画のクレジット

ドキュメンタリー映画『発酵する⺠』 (2020年/92分)
東京ドキュメンタリー映画祭上映作品
出演 瀬能笛里子 大嶋櫻子 山口愛 川崎直美 やまもとゆうすけ 高橋彩
   杉山開知(地球暦 考案者) 勝見淳平(パラダイスアレイ)  寺田優(寺田本家)
音楽 イマジン盆踊り部 pass into silence
版画 RYOCK
ポスターデザイン 平野絵理
協力 OurPlanetTV 平野由里子 土屋豊
配給 福々映像
監督 平野隆章

関連リンク
映画『発酵する⺠』公式ホームページ
https://fermentfilm.com/
イマジン盆踊り部 公式サイト
http://www.imaginebonbu.com/

       

映画のコメントや批評文

以下の方々に映画を見ていただき、批評文や感想コメントをいただいています。

藤井光さん(アーティスト)、鶴田真由さん (女優)、栗原康さん (政治学者、アナキズム研究)、小熊英二さん(社会学者、慶應義塾大学教授、ギタリスト)、⻄邨マユミさん(マクロビオティック・ヘルス・コーチ/パーソナル・シェフ)。詳細はホームページをご覧ください。

映画『発酵する⺠』公式ホームページ
https://fermentfilm.com/

最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。⻑年かけて制作してきた初監督のドキュメンタリー映画が、”コロナ禍”での上映をむかえました。この中で、映画館で上映するという意味について、考え続けています。

”コロナ禍”により、ZOOMなど新たなアプリを使用したコミュニケーションや、リモートワークが普及してきました。映画の視聴体験も選択肢が広がり、私自身、NETFLIXなどで新たな映画体験を楽しんでいます。『ベター・コール・ソウル』や『消えた16mmフィルム』は、出会えて本当に良かったと思う大好きな作品です。

新しいコミュニケーションや、映画体験を楽しむ一方で、自分の中では、映画館の存在も大きくなってきました。映画館の暗闇でしか届かないものを、体が覚えています。あなたが、映画館で見た忘れられない映画は何ですか?

映画館の暗闇は、とても繊細なものを映し出します。ある時は、日常を忘れたワクワクとした冒険の旅に連れていき、ある時は、私たち自身の暗闇に語りかけます。優しい風に吹かれた時のような気持ちになったり、とても危険で嫌悪する人が描かれていて驚いたり、自分には共感できない、理解不能な愛や、受け止めきれない人生の形を見せてくれます。中学生の時に、渋谷でハーモニーコリンの『ガンモ』や、レオスカラックスの映画を見た時の衝撃は、言葉では言い表せられません。

鎌倉の川喜多映画記念館で映画を上映していただいた時に、感じたことがあります。それは、映画館には、上映作品を選定する方々がおり、宣伝をする方、映写技師さん、受付や清掃業務をする方、警備員さんがいるということです。

鎌倉では、受付で体温測定や様々な対応が必要なため、警備員さんがいらっしゃったのですが、とても良くしてくれました。

先日、上映のお礼と、福島上映決定の報告に行ったのですが、映画館の方から「この劇場で映画をかけてくれてありがとう。映画館を踊りの輪に加えてくれてありがとう」と言われました。 そして、警備員さんもとても喜んでくれました。映画を上映するということは、この人たちと、ともに働くということです。

昨年11月に、鎌倉の川喜多映画記念館で行われた先行上映会

今、”コロナ禍”により、定員人数を50%減にせざる得ない映画館があり、営業時間の短縮をしているところもあります。しかし、これについて、国の補償がありません。

様々な制限が発生する中でも、細心の注意を払って「映画を上映すること」を守る人たち、これまで、映画の文化を担ってきた人たちに敬意を示すとともに、そこで上映できる意味を感じながら進めて行きたいと思っています。

あなたに出会えるのを楽しみにしています。
 

<All-in方式の場合>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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