はじめに・ご挨拶
はじめまして!
先天性の病気「二分脊椎症」をもって生まれてきた8歳の娘の母である北林美沙子と申します。
こうやって書いている今もドキドキなのですが、車いすの娘の「笑顔」の為の支援を募りたいと思います。
二分脊椎症のこと
二分脊椎症とは、脊椎が形成不全の状態で生まれてくる病気です。
脊椎損傷の方と同じ状態ですので、形成不全がおこる場所によって、機能損傷の場所は度合いが変わってきます。
娘の場合は腰椎の3番目から4番目のあたり以下が形成不全であり、排泄障がい、両下肢の麻痺があります。足は感覚がなく、熱いものに触れてもわかりません。
二分脊椎の中でも一番程度の重い「脊髄髄膜瘤」になると、48時間以内に手術をして命をつなぎ留める必要があります。娘はこの状態にあたりますが、意外と1000人に1人の赤ちゃんが二分脊椎脊髄髄膜瘤なのだそうです。(多くてびっくり!)
この病気は治りません。障害を持って生まれてくるので、その生涯と一生付き合っていきます。
また、成長とともに背骨が曲がってしまったり、足が変形してしまったりすることも多く、整形外科的な手術と常に隣りあわせでもあります。
加えて、髄膜瘤の子たちは「水頭症」という病気を併発していることが多く、頭に水が溜まってしまい、脳を圧迫するのを防ぐため「シャント」という機械を頭に埋め込みます。このシャントが壊れてしまったり細菌感染すると、脳に損傷が起こってしまいうるため、必ず手術となります。これも常に隣りあわせです。
こんな感じで脳に影響があるためか、発達や学習能力に遅れや苦手な面がある子が多かったりもします。
娘の場合
娘の場合も生まれてすぐに手術をして、傷を塞ぎ、またシャントを頭に埋め込み、生きていく準備をしました。その後NICUを退院する目前になってシャントが感染してしまい髄膜炎に。そこから9回の脳内洗浄手術をして、やっと生後8か月になっておうちに帰ることができました。
こんな状態でしたので、首が座るのか?寝返りは打てるのか?お座りはできるのか?ハイハイはできるようになるのか?お話は?
とお兄ちゃんの時には当たり前に進んだ発達段階が、どこまで登れるのか、先生ですら未知数、な子育てのスタートでした。
大人たちの心配をよそに、娘は自分のペースでゆっくりと、これらの事をマスターしていきました。
保育園の頃には、無理だろうといわれていた、膝を前後に動かすいわゆる「ハイハイ」ができるようになり、自分で自由に動けることがうれしくて、超高速ハイハイで園内を動き回っていました。
4歳の時、ベビーカーが小さくなり、車いすにバージョンアップしました。ベビーカーですら、体に勢いをつけて、自分で好きなところに行こうとする娘にとっては、車いすは最高の乗り物でした。
初めて乗ったその日から、自分で好きなところに行ける喜びは止まらず、スーパーに行くと必ず迷子になってくれる子供の様に、すぐお菓子売り場に突進していく有様でした(笑)
一方で、髄膜炎の影響なのか、発達は他の同じ病気の子よりも遅め。
色を覚えたのは5歳の頃でした。
記憶力や図形の認識も弱く、朝ごはん何食べたかを先生に言えるようになったのは小学校にあがってからでした。
障害児の親になること
今では障害児というハードルを自分たちの意識に設けずに、自由に楽しく子育てしていますが、生まれて初めての48時間以内にする手術の時には
「この手術は失敗するほうが、この子の為なのではないだろうか。。」
なんてことも考えてしまったりしました。
何せ、ネットで検索すれば目をそむけたくなる画像や情報ばかり。「死ぬ」病気ではないからこそ、障害と向き合う覚悟が必要でした。
「普通の子と違う」にとらわれていた私たち夫婦が気持ちを切り替えられたのは、
障がい児自身の「生まれた時から歩いたことがないから、別に歩きたいと思わないし、歩けないことをかわいそうだとも思っていない」という言葉でした。
まさに目からうろこ。
そう、自分が幸せであれば、社会のマジョリティと比べる必要は何一つなかったんです。
彼女には彼女の世界観があり、そこから見える幸せや楽しみがある。
今ではそう思えて、親の物差しで何かを無理やり教え込んだり、先回りしてリスク回避をしたりせずに、彼女の好奇心の赴くままにチャレンジさせています。
健やかに生きる為のリハビリ
立てない、歩けないという事は、成長するときに必要な負荷が下半身にかかりません。
負荷をかけることで、骨や筋肉が成長し、力強いからだができていくのだそうです。
なので、二分脊椎の子供たちは退院すると間もなく、様々な補装具を使って、立つ練習、歩く練習をスタートさせます。
少しでもたくさん体を動かすことで、体が固まってしまうのを防ぎ、体が歪んでしまうのを防ぎます。
そして、体力をつけ、また体重増加も防ぎます。
筋力が少なく、物理的な運動量も歩ける子に比べて格段に少ない二分脊椎の子供たちは、太りがちです。
太ると、移動が大変(おんぶできなくなる等)になるだけでなく、内臓にも、股関節にも負担がかかり、様々な問題を誘発しかねません。
40歳になっても50歳になっても、元気で生きていくためには、体重のコントロールと運動量の確保がとっても重要になってきます。
娘も、毎月1回大阪の専門の整形外科に通い、また地元でもリハビリを受け、そして毎日装具と杖で歩く練習を頑張っています。
そんな努力にもかかわらず、体重の問題が徐々に深刻になってきています。
現在120センチで35キロ強。ちなみに6年生の兄は33キロ(爆)
とはいえ、装具を付けた歩く練習は、重たいし、単調だし、とてもじゃないけれど楽しい練習ではなく、時間をこれ以上増やすことは、彼女にとってストレス度の高い選択でした。
楽しい!自信になる!足で漕げる車椅子「コギー」
そんな時に出会ったのが足漕ぎ車いすコギー。
「あきらめない人の車いす」というキャッチコピーもあるこの車椅子、娘よりもずっと麻痺の強い子でも漕げちゃう、素敵なマシン。
自分の足で漕いで進むことができる。今までできなかったことができるその喜びと自信はとても大きく、何周も何周も施設内を回って喜んでいました。
これなら、足腰の強化にもつながるし、何より楽しめる。
早速自宅に戻ってから、コギーについて調べました。
http://www.h-tess.com/
(ぜひ見てみてください。素晴らしい車いすです!)
が、、、、値段は40万円( ;∀;)
車椅子と違い、補助の対象にならないため購入するなら全額自費。
頼みのレンタルは、このエリアでは小児用サイズの用意はなく、また大人サイズでも毎月1万円を超える費用がかかるとのこと。
ただでさえ、通院の交通費や様々な必要備品でコストがかかっているので、一旦はあきらめたのですが、、、
生まれた時から、たくさんの人たちに助けられ、応援してもらい成長してきた娘。
クラウドファウンディングを通じて、娘の健やかなカラダと自信を皆様に応援していただけないかと思いチャレンジすることにしました!
このプロジェクトで実現したいこと
コギーを購入して、娘が楽しく健やかなカラダ作りに取り組めるようにしたいです。
楽しくて、自信をもって動けるって素晴らしい事です。
実はもう一つ・・・
障害や病気を持つ子供の家族は、どうにもならない訳ではない状態で「頼る」ことに罪悪感を持ちがちだなぁと感じています。自分も含めて。
頑張りすぎちゃったり
我慢しちゃったり
大人たちが、もっと頼るハードルを下げて、みんなに助けてもらいながら子供たちのよりよい環境を作っていけるような文化にしたい。そんなきっかけになりたい。
なんて思っています。
「頼る」を経験することで、きっと次の誰かの「助けたい」につながるはず。
大きな負荷は必要ない。クラファンのような素晴らしい仕組みがあるから、地域のみんなの小さな支援で、子供たちの笑顔や自信を生み出すことはいくらでもできるはず。
行政の仕組みを嘆いて終わりにするのではなく、行動に移してもいいんだ。頼ってもいいんだ、そんな一つの事例になりたいと思っています。
また、このプロジェクトで購入するコギーは、みんなの思いの集まりなので、娘だけでなく、他のお友達も乗れる機会も作っていきたいなーと思っています。
特に、今購入できると夏休みに入るので、この夏休みにできたら最高だなぁ♡
目標金額の内訳
・コギーの購入費用
・購入前の試乗の為の交通費
・CAMPFIRE手数料
リターンについて
リターンについては色々考えましたが、
「大きなリターンを用意しなくても、頼れるんだ」というメッセージも込めて
メインはお礼のメッセージと、プロジェクトの進捗を報告させていただく形にしました。
娘からのメッセージ動画や活用している様子の動画なんかもお届けしたいなぁと考えています。
※リターンは3000円1種類ですが、任意で金額を上げていただくことができます!
もう一つ、私北林の個人コンサルティングを受けたいなぁと思っていただける方がもしいれば、と思い、リターンに用意しました。
仕事、子育て、マネジメントなどのお悩みをお持ちの方、よければ選んでみてくださいw
最後に
直接コギーと関係ないような娘の成長記録的なことも記載してしまいましたが、私の娘よりももっともっと大変な思いをしている子がたくさんいます。
その子たちが、家族の状況にかかわらず、住んでいる地域の状況にかかわらず、最善の楽しい毎日を過ごすことができるようになりますように。
そしてわが娘が、来年も再来年も5年後も10年後も、60歳になっても!
寝たきりにならずに、元気で行きたいところに行けていますように。
皆様のご支援をよろしくお願いします。
※このプロジェクトはAll-in方式で実施させていただきます。目標金額に満たない場合も、計画を実行します。
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