ご挨拶
はじめまして。
一般社団法人ウイズタイムハウス代表の加藤木桜子と申します。
私は、社会福祉士として、「介護・福祉が必要な人、生活にサポートの必要な人が、自分の生きたい人生を楽しく生きることのできる社会を作っていきたい」という思いを持ちながら福祉の仕事をしてきました。
今まで様々なご相談をいただいてきましたが、その中で、「住まい」と「居場所」は地域で誰もが自分らしく暮らすための重要な要素であると考え、2018年5月、練馬区大泉学園に「ウイズタイムハウス大泉学園」という、地域の居場所とシェアハウスを作りました。
このプロジェクトで実現したいこと―1周年イベントで、「寄り添って生きる」ことを一緒に考えたい
7月末、ウイズタイムハウスオープン1周年を記念したイベントを企画しています。
その内容は、ウイズタイムハウスのことを地域のみなさんと共有するきっかけとなる映画の上映会とトークイベントです。
映画は、今まで知らなかった世界や考え方に触れるのに、とても良いツールです。そのため、1周年で私たちの考え方と近い映画を上映することが、今までウイズタイムハウスを知る機会のなかった人に働きかけるツールになると考えたのです。
そして、ウイズタイムハウスの目標のひとつである「寄り添う場」ということについて、みなさんと考え、思いを共有していきたいのです。
今回のプロジェクトは、ウイズタイムハウス1周年記念イベントとして「ヨコハマメリー」という映画を上映し、「寄り添う」というテーマで語り合うトークイベントを実現したい、というものです。
プロジェクトをやろうと思った理由
ウイズタイムハウスには、大きく分けて2つの役割があります。
ひとつめは、住まいとしての役割です。6畳のお部屋を中心に、ご高齢の方、障害のある方など、現在6世帯の方が生活しています。
私が今までご相談をいただいた方の中には、「高齢になって配偶者を亡くし、今までの住まいも老朽化して、新たにひとりでアパートを借りる必要があるけれど、高齢者に貸してくれるアパートはなかなか見つからないし、万一体調を崩したときのことを考えると、見守りのある所に暮らしたい」「障害があって、福祉施設に入所しているけれど、ひとり暮らしをするのが夢。まずその第一歩をどこで踏み出そうか」「長年障害のある息子と暮らしてきたけれど、親の私も高齢になって、いつ介護が必要になるか分からないし、息子をのこして親は先に亡くなると思う。できる限りずっと息子と一緒に暮らしたいし、親亡き後の息子のことも安心して任せられるところを探したい」といった、住まいと生活にまつわる様々なご相談がありました。
施設やグループホームと違って、いろんな状況の人がいて、自分の意思で自由に暮らせる。そして、いざとなったら助け合える、そんな「ゆるいつながりの住まい」を作りたいという気持ちでウイズタイムハウスを立ち上げました。
2つ目の役割は、地域の人が集う場としての役割です。
ウイズタイムハウスのある地域は、練馬区の中でも高齢化率の高い地域です。
また、福祉施設が多くあり、障害のある人が暮らすのになじみのある地域でもあります。そうした地域特性も考え、シェアハウスに暮らす人のみならず、地域の人たちが集い、相談できる場にしていきたいと考えています。
オープン以来、この1年間、月に1回のイベントを実施し、ご近所の人とシェアハウス居住者、ボランティアスタッフが交流する場づくりをしています。今まで、バーベキューや節分イベント、高齢の人が将来について考えるセミナーなどを実施しました。
雨の日に差し出す傘のように、「悶え加勢」する場を目指して
ウイズタイムハウスは、雨の日に差し出す傘のように、さりげなく寄り添う存在でありたいと考えています。
ウイズタイムハウスにはボランティアスタッフもいますが、支援する側・される側が分かれず、対等な人間として関わり合える場を目指しています。誰かが困っている時に、解決は難しくても一緒に悩むことができる関係づくりができたらと考えながら活動しています。
少し話は変わりますが、私は2016年の夏に、熊本県水俣市で水俣病支援をしている友人を練馬にお呼びした講演を企画したことがありました。
東京にいると水俣病の患者さんと交流する機会はあまりありませんが、水俣病をめぐり今も続く課題があること、若い世代の人がその支援活動をがんばっていらっしゃることを練馬のみなさんと共有したかったからです。そのときに友人から、「悶え加勢する」という言葉を聞きました。
友人が患者さんの支援をする中で、「私は患者さんの話を聞いても何もできない」と悩んでいた時に、地元の方から「あなたは悶え加勢しているのね」と言われたことがあったそうなのです。
「悶え加勢」―もだえ苦しんでいる人を見て、そのそばで一緒に苦しんでいる。たとえ解決はできなくても苦しみを分かち合うことができるのは大切なことだということだったのです。
誰かの人生に起こっていることを、他人が解決するなんて、おこがましいことかもしれません。でも、その苦しみに寄り添い、自分のことのように一緒に考える。すぐに解決はできないかもしれないけれど、悲しんだり、怒ったり…その時間を共に過ごす。
この「悶え加勢する」という言葉が、ウイズタイムハウスの目標にもピッタリだと思っています。
(水俣病に関する講演会のときのことは記録がまとまっていますので、ご興味のある方はこちらをご覧ください。「悶え加勢」のエピソードはこの資料の17ページにあります。)
「ヨコハマメリー」を通じて、「ともに時を過ごす」ということを考えたい。
ともに時を過ごし、悶え加勢する…ウイズタイムハウスのこの目標をみなさんと共有するために「ヨコハマメリー」という映画を上映します。
この映画は、高齢になって横浜で路上生活をしていた女性・メリーさんを支えた人たちのお話を中心にしたドキュメンタリーです。
メリーさんの生活環境を改善するために、周りの人たちはあまり何もできないけれど、メリーさんが差別されることに心を痛め、何かできないかとやきもきする姿に、そうやって「悶え加勢」する人たちがいることの大切さを考えられる映画です。
そこで1周年イベントではまず、ウイズタイムハウスで上映をし、ご参加いただいたみなさんと感想を共有する時間を持ちます。
そして、さらに多くの方にご参加いただけるよう、練馬区内の駅前の会場での上映とトークイベントをしたいと考えています。
トークイベントのスピーカーは、カプカプの鈴木励滋さん
トークイベントのスピーカーは、横浜市で障害のある人の働く場を作っている鈴木励滋さんにお願いしています。
鈴木さんが所長を務めるカプカプはUR西ひかりが丘団地の中の商店街にあります。喫茶店と工房があって、障害のある人がそれぞれにやりたい仕事をしています。喫茶店という場を通じ、20年に渡り地域の人たちとの交流をされています。
カプカプに働きに来ている人の中には、例えば似顔絵を描いてくれる人がいます。横になって時に体をゆすりながらお客さんを迎える人もいます。カプカプは、障害のある人の固有名詞や個性と、ご近所の人たちとがつながる場なのです。そして、そこには多くのお客さんが「居場所」を感じて集ってきます。 そこにいるみんながそれぞれのユニークさを出しても、誰もが排除されることなく、たがいに居心地よくすごせる。そんな場を育むには、「障害者」「高齢者」というくくりではなく、「その人」と出会うところから始まるのかもしれません。
地域の居場所の大先輩であるカプカプの取り組みは、ウイズタイムハウスの目指すべきひとつの目標でもあります。その所長である鈴木励滋さんは演劇の批評のお仕事もされています。映画「ヨコハマメリー」をひとつの入り口として、「ともに時を過ごす」ということをみなさんとご一緒に考えることで、今後の実践につなげていきたいと思います。
資金の使い道
目標金額は15万円です。使途は以下の通りです。
・上映会の会場代
・映画の上映権代
・トークイベントの謝礼
・広報費用
リターンについて
〇3000円コース
・映画チケット1枚(ウイズタイムハウスで行なう映画会&ミニトークまたは石神井公園駅前の施設で行なう映画会&鈴木励滋さんトークのいずれかにご参加いただけます。)
・サンクスレター
〇5000円コース
・映画チケット2枚(ウイズタイムハウスで行なう映画会&ミニトークまたは石神井公園駅前の施設で行なう映画会&鈴木励滋さんトークのいずれかにご参加いただけます。)
・サンクスレター
〇10000円コース
・映画チケット2枚(ウイズタイムハウスで行なう映画会&ミニトークまたは石神井公園駅前の施設で行なう映画会&鈴木励滋さんトークのいずれかにご参加いただけます。)
・サンクスレター
・ウイズタイムハウスサポーター缶バッジ
・イベント参加チケット
ウイズタイムハウスでは毎月第一日曜日に地域交流イベントを行なっています。
(場所:練馬区大泉学園町4-30-20 ウイズタイムハウスにて)
例えば七夕イベント、節分、燻製を作ってみよう、などです。それぞれ材料費の実費程度の参加費をいただいていますが、イベント参加チケットをお持ちの方は1年間、参加費無料とさせていただきます。(ただし、味噌づくりのように参加費が多くかかる特別なイベントは対象外とさせていただきます。)
実施スケジュール
7月15日(祝日)イベント本番!
・午後1時~3時30分 ウイズタイムハウスでの上映と、ミニトーク(参加者同士の意見交換)
・午後5時30分~8時30分 石神井公園駅前・区民交流センターでの上映と鈴木励滋さんトークイベント
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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