2020/12/11 11:48

こんにちは、プロジェクトオーナーの毛利です。ワインは、原料となるぶどうで80%味が決まると言われています。そのため、多くのワイナリーは自社農園を持ち、その栽培にこだわるのです。しかし、料理人で自ら畑に出て栽培を行う人はそう多くないでしょう。今回、ディナー会の会場の一つに選ばせていただいた愚三昧 菜る海(ぐざんまい なるみ)は、仙台でも数少ない自家農園を持つ居酒屋です。

北海道と三陸の良いものを織り交ぜて提供する

北海道出身の鳴海克勇(なるみ かつお)さんが親方を務める「愚三昧 菜る海」は、海鮮料理と自家農園野菜が自慢の、素材厳選の店。北海道と三陸、両方のいいものを織り交ぜて提供されています。北海道といえば、言わずと知れたブランド食材の宝庫。お店をオープンする前に、親方自身で北海道各地を見て回り、食材を探したとあって、ししゃもの刺身やゴジラエビといった珍しい食材も取り扱っています。一方で、三陸といえば寒流と暖流が混ざり合う世界有数の漁場です。近年では、気候の変化によって、サワラや太刀魚といった昔は西日本で獲れていたような種も獲れるようになり、魚種の豊富さが魅力だといいます。

自社農園で栽培する無農薬野菜

また、仙台市内に300坪の自家農園を持ち、親方を始めスタッフ全員で栽培を行っています。育てているのは、あまり市場には出回らないようなフランス野菜や、西洋野菜など。なぜわざわざ手間のかかる自家農園を?と聞いたところ、「食べて美味しいから」というシンプルな答えが。無農薬の安心・安全に加え、その日に獲れた野菜の新鮮な美味しさは「食べた人じゃなきゃわからない」といいます。

秋保ワイナリーのワインと、三陸の食材、自家農園野菜のテロワージュ

そんなこだわりをもつ親方に、ディナー会で秋保ワイナリーのワインと合わせるとしたらどんなメニューを?と聞いてみました。

「東北をテーマにするなら、魚介で最もイメージしやすいのは牡蠣かな。それに、名取のせりに仙南の野田鴨を合わせた鴨せり鍋なんていいね。秋にたくさんキクイモがとれたから、自家農園キクイモのポタージュスープも美味しいよ」

なかでも鴨せり鍋に使うせりは、震災前からお付き合いのある三浦農園という生産者の方から直接仕入れたものだそうです。せりの根は収穫したては白いのですが、痛みやすく、通常の流通を経てスーパーに並ぶ頃には、茶色くなったり溶けてしまっているものも少なくないそうです。生産者から直接仕入れることで、太さも味もしっかりした根を味わうことができます。せりの清涼味に野田鴨の赤身感で、赤ワインにも白ワインにも合いそうです。

応援メッセージ

宮城県を盛り上げようと尽力されている姿に頭が下がります。自分も料理人として、ぜひ力になりたいと思います。プロジェクトがんばってください!

愚三昧 菜る海 店主 鳴海克勇