2020/01/20 21:00

おばあちゃんをもっと知ってもらう為に
活動報告ではおばあちゃんの生い立ちや
おばあちゃんの撮った写真、
祖母と孫のやりとりなど、
色んな形でおばあちゃんを紹介していきます!


おばあちゃんとランチ02(コラム)


前回書いた通り、おばあちゃんは普通を好む人だ。
こうやっておばあちゃんをみんなに紹介する、というのももしかしたらおばあちゃんはあまり喜ばないかもしれない。この日も写真を撮りながら話をしていると
「あまりきちんとしてないから、撮らんでいいよ」
と言いながら恥ずかしそうにしていた。でも、懲りずに撮っているとちゃんと笑顔で笑ってくれる。ほんとにおばあちゃんは優しい。


なるべくカメラを覗かずにおばあちゃんと会話しながらシャッターだけ押した。

白菜が大きいからとハサミで切るおばあちゃんの後ろ姿がなんだか可愛く見えて、そもそもおばあちゃんと二人でランチなんてしたことないな、と思った。いつもおばあちゃんとご飯を食べる時は家族が一緒だから、なんだかちょっとくすぐったかった。



正直に言えば、僕はおばあちゃんっ子ではないし、おばあちゃん孝行もほとんどしたことがない。でも、小さい頃からおばあちゃんの家に行くのは大好きだった。沢山の写真が飾られているおばあちゃんの家はなんだか落ち着いたし、こたつを囲みながら家族や親戚が集まってワイワイやるのは楽しかった。歳を重ねるごとに行く回数が減り、上京してからは何年かに1回おばあちゃんの誕生日の日に電話するくらいの接点しかなくなっていった。小さい頃はおばあちゃんとも沢山会話したはずなのに、内容はほとんど覚えていない。


「漬物も食べるやろ?」
とおばあちゃんが開けた古い冷蔵庫は賞味期限が切れた食材や残り物や見たことのない飲み物で一杯になっていて、空っぽの冷蔵庫よりも悲しく見えた。さっきまで可愛いと思った後ろ姿が、なんだか突然寂しそうに見えて切なくなった。この家でおばあちゃんは一人で暮らしている。


もちろんおばあちゃんは自分でそれを選んでいるし、ヘルパーさんやマッサージの人が来たり、うちの両親やおばさんも通っているから、決して孤独なわけじゃないと思う。なんて自分勝手なヤツだろうと思ったけれど、この家で一人で寝ているおばあちゃんを想像して、泣きそうになってしまった。
この先の時間を大切にしよう。おばあちゃんとはとにかく楽しく過ごそう。そう思いながら、一緒にランチの準備をした。写真展の準備はおばあちゃんの負担にならないよう、やれることは全部自分でやろうと決めた。


つづく。