2016/12/23 21:56

 今月初旬に某少年院でご支援に入らせていただいたとき、少しだけ少年院におけるクリスマスついてお聞きすることになりました。

僕が伺った場所は主に16歳から20歳未満の少年が矯正教育を受けているわけですが、その年齢を振り返ると、クリスマスは家族と食卓を囲んだり、友達で集まってパーティーしたり、大切なひとと過ごしたり。

そんな年末を迎える前の大きなイベントで、少年院内で何か行われるのかをお聞きしたところ、食事にチキンなどちょっとしたクリスマスを感じられるものが出るそうです。そして、娯楽からは遠い場所にある中にも、ひと時の楽しみが提供されます。

そして、いくばくかのお菓子も。ここには「差し入れ」も含まれます。更生保護や矯正教育を支える民間/篤志家の活動のなかで、お菓子などの差し入れが時折あり、そんな甘味、塩味のあるものは、院内の少年たちにとって、「外部にも暖かく見守り、支えてくれるひとがいる」ことを感じられる小さな希望の灯です。

厳罰化が望まれる社会において、クリスマスなどの季節行事を感じさせることにも厳しい視点や声があるでしょう。それはそれで理解できる部分でもあります。しかし、私が少年院に行かせていただいて感じるのは、自由を拘束される長期の生活そのものが社会的にはとても厳しい環境に身を置くことであり、深く自らの行為を反省する空間であり、そして「これからの将来」を真剣に考える場所に思えます。

彼ら・彼女らは社会の一員として戻ってきます。そこには社会的包摂と十分な支えによって、日常生活への(再)参入があり、それがかなわなかった場合には、再びあの中に戻る可能性もあります。

その意味において、社会への希望や自分の未来への期待をいくばくかでも感じられるクリスマスなどのイベントに、ほんの少しでも暖かな何かを感じる機会があってもいいのではないかと思いました。

余談ですが、クリスマスに限らず、お菓子などの「差し入れ」は、特に受け入れに大きな制約があるわけではないそうです。もちろん、送る前にお問い合わせをしたりと事前連絡はあった方がよいそうですが、できるだけ「同じもの」を「人数分」が望ましく、多くはないようですが届けられるお菓子のなかで、意外にも大きな歓声が沸いたのは「コーラ」だったという話は非常に興味深いものでした。

今回のクラウドファンディングでいただいたご寄附での「差し入れ」は考えておりませんが、これから先、少年院内外で少年を支える活動、その課題解決に向かうにあたって、こんなちょっとした情報も共有・発信できればと考えております。

 

もし、僕らの活動を通じた少年たちのサンタクロースになっていただけたら嬉しいです。

 

文責:工藤啓