2022/03/09 23:34

ついに、ヨーロッパに旅立つその日がやってきた。
やってきてしまった…という気持ちがなかったといえば嘘になる。
どんな時もチャレンジには勇気がいる。
清水の舞台から飛び降りるには、蛮勇さえ必要な時もあるだろう。
事が成功するか失敗に終わるかは、自らの現在地を正確に把握し、勇気をもって飛び降りたのか、それとも己の未熟さに目を背け、蛮勇をもって飛び降りたかの違いなのだろうと思う。
私たちは未熟なまま、スタートを切った。

なーんて感傷に浸る暇はなく、出発前ギリギリまで徹夜でひたすら準備、準備、準備!
純子は寿司ワークショップと身の回りの準備を整え、私は現地で巡りあだろう方々に手渡すための作品を、一枚でも多く作るために作業に明け暮れていた。



こういう時に限って3歳の息子が超絶グズる・・・
キャパを超えた時に本来の自分が露呈する、とはよく言ったもので、純子は外に出るタイプ、私は内に籠るタイプ。
今回も本当に危なかった。


軽自動車に夢と荷物をパンパンに詰め込み、いざ出発!

あとは私のハンドルにすべてがかかっている。

Less Accel, Less Brake.

交通の流れの先の先を読み、最小限のアクセルと最小限のブレーキで最大限速く走る燃費走行。

走り好きの私がいつも自分に課しているテーマがこれだ。

だけど今回ばかりはそうも言ってられない。

最大限安全を確保しながらも、アクセルを床まで踏み抜く勢いで、横浜から成田空港までノンストップで走り切った。



息つく間もなく荷物を降ろして純子と拓海はチェックインカウンターへ。

私はいつも使っている少し離れたパーキングへ車を走らせる。

スムースに手続きを終え、連絡バスに乗り込む。

あとは運を天に任せるしかない。



空港カウンターで合流し、ロシア・アエロフロートのカウンターでチェックインをする。

この時点で私たちの呼び出しがかかっていたようで、本来のエコノミー客向けカウンターではなく、VIPカウンターで最速手続きをさせてもらった。

アエロフロートのスタッフが、一緒に手荷物検査場に駆け込んでくれた。

やった・・・これで何とか望みはつながった・・・(←いや、ちょっとおかしいだろそれ)



本当なら行ってきますのライブ配信をするつもりのはずが、まさに秒を削る駆け込みスタートで、私たちの珍道中は幕を開けたのだった。