はじめまして

はじめまして、私たちは「佐藤国男展in NY実行委員会」です。

 

委員会は、函館在住女子2名、ニューヨーク在住女子2名、東京在住女子1名で構成されています。それぞれ女優やら、美容師やら、カフェ経営やら、キュレーターをしていますが、「世界中を元気にしたい!!」という思いはみな一緒です。

リーダーは函館出身で、25年間NYで美容師をして、一昨年函館に帰ってきました。

 

たまたま母親の住む築83年の長屋に、変わった人たちばかりが世界中からなぜか集まってくる「まるたま小屋」という小さなロシア風のカフェがあり、そこにいたのが国男さん。

昼間の店内でサングラスをかけ、自称ジャックニコルソンとおどける変なおじさん・・・会うなり、縄文の話ばかりしてくる変わったおじさん…見た目はまるで歩く土偶…いったいこの人は何者??と不思議に思っていたら、なんととてもキュートな版画を作る版画家さんだというではありませんか。

宮沢賢治の絵本を何冊も出していたり、「実は凄い人なんだ!」といまでもその最初の驚きは忘れられません。  

 

でも、なぜ縄文好きの国男さんが賢治の世界を作品にしているの?

 

▼国男さんのおいたち

国男さんは、瀬棚という北海道の南にある海沿いの小さな町に生まれました。

小さい頃は本当に貧しくて、家には本など一冊もなく、趣味は、地面を掘ってでてくる縄文土器の収集とマッチ箱に描かれた浮世絵の収集だったそうです。

 

でもお金はなくても、いまを生きる私たちからするととても豊かに思える子供時代。

自然に恵まれた野山で友達とかけずり回り、縄文土器を掘り出しては、はるか昔のその時代に思いを馳せ、そして道端に落ちているマッチ箱に描かれた広重の浮世絵に胸を震わせ、大きくなったら画家になろうと思っていたといいます。

 

その後大学で東京にでたものの、都会の暮らしに馴染めずに、貧しくても楽しかった子供時代を思い出し、その大好きだった風景を思い出させてくれる賢治の本を読んで心を慰めたそうです。

 

賢治の生まれ育った岩手は縄文遺跡が一番多いところで、「遠野物語」に代表されるように豊かな口承伝承が残っています。山男や山の神の話など、そこに描かれる世界は、土着のにおいのするものが多く、自分の育った瀬棚の風土とも繋がっていて賢治を自分をとても身近に感じたそう。

東北と北海道は縄文でつながり、その遺伝子が国男さんと賢治を結びつけ、力強い作品を生み出してきたのです。

その後、東京で大工をしながら、落ちている木材を拾っては賢治の世界をなんとしても自分の版画で表現したいと製作をはじめ、ようやく念願の函館に戻って本格的に版画に取り組み出したのが30歳のときでした。

▼だからNYで展示がしたい

こんなすごい作品を作る人を函館や日本だけにとどめておくのはもったいない!

縄文オタクで、世界平和をのぞむ、素直な愛すべきおじさんの作るたまらなく愛らしい作品を、世界に紹介できたら、世界中の人たちもきっと喜ぶし、国男さんも喜ぶに違いない!!

函館メンバーの2人は、ずっとそう思っていました。

 

人生とは不思議なもので、2人は昨年11月にNYに行く機会に恵まれました。

そのときたまたま、今回の5人が集まって食事をする機会があり、「誰かNYで紹介したいアーティストはいない?」とNY在住のキュレーターのKさんがふと問いかけてきたのです。

「もちろん国男さん!!」思わず身をのりだして函館メンバーがこたえ、作品の見本をみたキュレーターのKさんは一目で惚れ込み、あれよあれよと4月のニューヨーク個展が決定したのです。

 

Tenri Cultural Institute

43 West 13 Street New York NY 10011

http://tenri.org/

https://www.indiegogo.com/projects/exhibition-kenji-miyazawa-world-by-kunio-sato-art/x/18230431#/

 

今回は、実行委員会にプロの女優が2名!!

初の試みで、国男さんの絵をプロジェクターにうつし、工夫をこらした演出でどっぷり賢治の世界に浸れるような、子ども達への絵本の読み聞かせも企画しております。

 

これまで、国男さんは、日本では毎年函館や札幌、東京近郊で展示販売会を開催してきましたが、それは仕事のお話で、今回のように有志が「見る前に飛べ」とばかりに集まって国男作品を国外に連れ出すのはNYが初めてです。

 

しかも、いつも展示販売会には函館以外の時はなかなか予算の関係ででむくことはせず(あと意外とシャイなので)、本人はほとんど函館にいてコツコツ作品を作っています。

けれども今回は、なんとしても国男さんをNYまで連れて行ってあげたい!

 なぜなら、国男さんは30年前に小さな展示をフランスをやったことがあり、そのとき次に行くならニューヨークとぼんやり思っていたそうなのです。でもそれから30年たって、忘れかけていたところに「忘れるな」とばかりにつながった今回のおはなし。

本人を連れていかないわけにはいかない!!

でも、私たちの自腹でできる範囲では、なかなか渡航費までは難しい!!

そこで、今回初めてクラウドファンディングに挑戦し、なんとか国男さんと付き添いの渡航費と滞在費、を集められたらと思っています。

▼資金の使い道

渡航費 23万円(2名分)

滞在費 12万6千円(7日間 2名分)

リターングッズ制作費 1 0万5百円

キャンプファイアー手数料17% 9万円3千5百円

▼最後に

私たちが国男さんの作品と人柄を通して、いつも感じるのは、東北と北海道の土着の文化から脈々とつむがれてきた、厳しい気候の中だからこそ育くまれた世界への深く温かい眼差しとユーモア。声高に世界平和を叫ぶのではなく、豊かな色彩と素朴なタッチで、ただ明るいだけではなく、厳しさも含めてまるごと世界を包み込んでくれている、その安心感。

そこに思わず顔がほころぶ「かわいさ」の源泉があると思うのです。

 

だからこそ、多様な人たちのいるNYで、そこに暮らして生きる人たちと、KenjiとKunioをわかちあえたら、きっと面白い化学反応が起きるのではないかと思っています。

ただの展示ではない、ひとの心が国境を越えてつながる、未来を感じられる作品展にしたいと思っております。

どうか応援よろしくお願いいたします。

  • 2018/03/18 16:29

    先日、北海道新聞さん、函館新聞さんの取材を受けました!! 「日本が誇る木版画というアート、そして和紙、そして賢治の世界をイソップ童話やグリム童話みたいに広く世界に知ってほしい。」 インタビューの中では、国男さんの秘めた熱意も聞くことができました。 国男さんがニューヨークに行ってなにが起き...

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