▼小さな芸術複合施設 Art Center Ongoing

Art Center OngoingはJR吉祥寺駅から駅10分、二階建ての一軒家をリノベーションし、2008年1月26日に吉祥寺にオープンしました。リノベーションには東京で活動するのべ100人以上のアーティストが無償で力を貸してくれ、築30年以上(当時)の小さな古い一軒家が、一階がカフェ、二階がギャラリーとライブラリーを併設するアートセンターへと生まれ変わりました。


オープン当時の外観


ギャラリー


カフェ

▼ごあいさつ

はじめまして。私はArt Center Ongoing代表の小川希と申します。今回のクラウドファウンディングにあたり、まずこのアートスペースの成り立ちについて少し説明をさせてください。どうぞよろしくお願いします。

10年前に私がこのスペースを立ち上げた際、東京でまだ無名の作家が公に向けて作品を発表するとすれば、貸しギャラリーに10〜20万円を払って1週間展示をするといった方法しかありませんでした。ただ、そうして個展を開催したとしても、来てくれるのは友達か親類だけということがほとんど。私はそうした状況をどうにか変えたかった。アートを通じ、もっとたくさんの人々が出会い、自身の物の見方や考え方や生活をリフレッシュできる、そんな場所が欲しいとずっと思っていたからです。そこで立ち上げたのがArt Center Ongoingです。

Ongoingとは現在進行形の意味を持つ言葉ですが、あえてArt Center と名付けたのは、アートを中心として様々な人が集えるようなそんな場所になったらいいという想いからです。Ongoingは作家に無償で展示場所を提供し、入場料とカフェの売り上げのみで運営されています。当然のことながら、そうした収入だけで場所を維持していくことは簡単ではありません。そのため毎週末にイベントを行い沢山の人に来ていただく必要があり、気がつけばそうした運営を10年もの間休むことなく続けてきました。ただ、そんな常識外れの運営方法でもスペースを維持することができたのは、アーティストをはじめ、ここに集ってくれた沢山の方々のおかげだと今改めて思っています。

今回、10年間の活動を振り返るドキュメント本を制作したいと思ったのは、この場所を支えてきてくれた様々な方への感謝の気持ちが大きな原動力となっています。また本プロジェクトを支援していただける皆様には、東京の吉祥寺の小さなスペースに、10年間もの間蓄積されてきた、新しい表現を模索する様々な実験や強い想いを、このドキュメント本を通じてお届けできたらと思っています。

▼10年間の全活動をまとめたドキュメント本

今回制作するArt Center Ongoingの2008年のオープンから10年間のすべての活動をまとめたドキュメント本は、本スペースの記録のみならず、今後日本のインディペンデントのアートシーンを知る上での貴重な資料になることは間違いありません。またこれからアートスペースを始めたい方々にとっても有意義な一冊になると思います。


ドキュメント本 イメージ図

具体的な内容としては

*2008年1月から2018年1月まで10年間の全展示記録、およびArt Center Ongoing代表の小川希による全展示解説

*美術評論家の福住廉氏による日本のオルタナティブなアートシーンを巡る約10000字におよぶ巻頭論考(バイリンガル)

*Art Center Ongoingを知るキュレーターやアート関係者、その他20名を超えるOngoingに所縁のあるアーティストによるコラム
執筆者
・天野太郎(横浜市民ギャラリーあざみ野主席学芸員)
・木村絵理子(横浜美術館主任学芸員)
・服部浩之(インディペンデントキュレーター)
・原万希子(インディペンデントキュレーター)
・森司(東京アートポイント計画ディレクター)
・藪前知子(東京都現代美術館学芸員)
・山野真吾(黄金町エリアマネジメントセンター事務局長)
・その他、20名を超えるアーティストたち

*マンガ家ファミリーレストランによる書き下ろしマンガ

他、アーティスト座談会や歴代インターンスタッフの座談会など全416ページを予定しています。
完成デザインイメージ図

▼絶え間ない企画展とイベント

Art Center Ongoingでは、2週間に1度のペースで企画展覧会が行われています。月火を定休日としていますが、展示と展示の間にも長いお休みは設けず、月に2回のペースで展覧会が開催されています。

週末にはゲストトークやワークショプ、音楽ライブやパフォーマンスなどアートに関する様々なイベントが開催されています。年間で25以上の企画展と100を超えるイベントを開催していますので、この10年間で考えると、実に約250の企画展と1000以上のイベントがこの小さなアートスペースで開催されたことになります。


多彩なゲストによるトークイベント


音楽ライブ


Ongoing映像祭

レンタルギャラリーではありませんので、作家からスペースのレンタル料は一切とっておらず、会場への入場料400円(セレクトティーが付きます)と各イベントの参加費、そしてカフェの売り上げのみでスペースは運営されています。こうしたペースで10年間もの間運営されているアートスペースは、世界中を探してもArt Center Ongoing以外みつからないはずです。

▼多種多様な実験的作品

Art Center Ongoingで紹介する作品は、立体やインスタレーション、パフォーマンス、映像作品などジャンルは問いませんが、一つ特徴をあげるならば、どれもが実験的であるということです。言葉を変えれば、まだ価値が定まっていない=売れない作品がほとんどであるということ。

美術館以外で、こうした実験的表現をコンスタントに観ることのできるアートスペースは、10年前の東京では、ほとんど存在していませんでした。そうしたこともあり、Art Center Ongoingには新しい表現を模索する沢山のアーティストが日々集うようになります。助成金などをもらうことなく、ここまでスペースを続けることができたのは、そうしたアーティストが支えてくれたおかげだと思っています。

現在では、下は20代から上は50代ぐらいまで、東京で活動を展開する数百人のアーティストが、この場所に足を運び、ビールやコーヒーを片手に作品について語り、お互いに影響を及ぼしあいながら、自身の活動を続ける原動力の一つとしています。近年ではこの場所での展示をきっかけとして、大きな美術館や国際的なアートフェスティバルに参加する作家なども多く存在します。

 

▼広がり続ける活動

2013年からは海外の作家を一定期間滞在させて制作と発表の機会を与えるアーティスト・イン・レジデンス事業、Ongoing AIRも開始。年間で5人から6人のアーティストを招聘しています。これまでにヨーロッパ、中東、アジアなど、全10カ国以上の国からアーティストを招聘し、Art Center Ongoingに集う日本のアーティストと交流を重ねながら、滞在制作及び発表を支援してきました。

また、近年では、日本のアーティストを海外のレジデンスやアートフェスティバルに紹介し、滞在や作品発表の機会を提供することも行っており、Art Center Ongoingの活動は東京のみならず、他の国や地域でも徐々に知られるようになってきました。こうしたインターナショナルな活動を通じ、現在では海外のアーティストやキュレーター、その他のアート関係者などもArt Center Ongoingにリサーチに訪れるなど、国内外の注目を集めるようになりました。

▼資金の使い道

・印刷費用(全500部):140万円

・デザイン費:30万円

・翻訳費:30万円

▼リターンについて

本プロジェクトに賛同していただく皆様に向けて、魅力的なリターンを数多くご用意致しました!

【5,000円:ドキュメント本の先行購入+巻末にクレジットを記載する権利】
2018年2月に発行予定の10年間の活動をまとめたドキュメント本の先行購入、およびお名前を巻末に記載いたします。


【8,000円:オリジナルTシャツ+ドキュメント本+巻末にクレジットを記載する権利】
ドキュメント本の先行購入に加えOngoingのオリジナルTシャツを全10種類からお選びいただけます。

 

【10,000円:Ongoing小川の東南アジアリサーチ本(非売品)、これまでOngoingが手がけた展覧会のカタログ、作家インタビュー+ドキュメント本+巻末にクレジットを記載する権利】
ドキュメント本の先行購入に加え、Ongoing小川が2016年春に東南アジアの9カ国83箇所のアートスペースをリサーチした記録をまとめた本(非売品)、これまでOngoing以外のスペースで開催した展覧会カタログ、そしてOngoingで展示したアーティストのインタビュー冊子をセットで。

 

【15,000円:2018年度のOngoing友の会+ドキュメント本+巻末にクレジットを記載する権利】
ドキュメント本の先行購入に加え、2018年度のArt Center Ongoingの通常展示および全イベントの入場料が無料になるOngoing友の会(http://www.ongoing.jp/ja/artcenter/supporter/index.php)とこれまで会員に送られた全レター(2011年〜)。

 

【50,000円:Ongoingに所縁のある作家による世界に一つだけのオリジナルBOX+ドキュメント本+巻末にクレジットを記載する権利】

ドキュメント本を収納する世界に一つだけのオリジナルBOXです。Art Center Ongoingに所縁のある作家達が今回のプロジェクトのためだけに制作してくれました。

・下平晃道

・多田玲子

・遠藤一郎

・鷺山啓輔

・永畑智大


裏面

・飯川雄大


箱の中


裏面

・山本篤


裏面

・井出賢嗣


箱の中

・和田昌宏


裏面

 ・齋藤春佳


裏面

・山下拓也


箱の中


おまけ(温田庭子描き下ろし漫画)

・東野哲史


箱の中

・林千歩


裏面

・有賀慎吾


裏面

・高橋大輔


裏面

・丹治匠

・冨井大裕

・海老原靖

・高石晃

・藤田美希子


裏面

小川格


裏面

柴田祐輔

 

【100,000円:Ongoingに所縁のある作家による世界に一つだけのオリジナルBOX+ドキュメント本+巻末にクレジットを記載する権利】

 ドキュメント本を収納する世界に一つだけの特注BOXです。Art Center Ongoingに所縁のある作家達が今回のプロジェクトのためだけに制作してくれました。

・千葉正也

・片山真妃

・万代洋輔

・鮫島大輔

・衣川明子


裏面

・齋藤雄介

・出津京子


裏面

・市川健治

・大木裕之


裏面

・福永大介


裏面

・成田久


裏面

・今津景

・淺井裕介


裏面


おまけ(BOX作成で使った泥)

 

▼最後に

ここまで読んでいただいた皆様、本当にありがとうございます! 現在、この10 年間をまとめたドキュメントの制作に向けて編集作業を日々行っております。10年間の活動をまとめたドキュメントというと、物質としてもかなりの厚みになり、その重さはいろいろな記憶も詰まってかどっしりと重いものになっております。是非このArt Center Ongoingの10年間におよぶ弛まない活動の記録を、皆様に実際に手にとってご覧いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。



【フィリピンからOngoingのレジデンスにやってきたDex Fernandezによる壁画が描かれた現在の外観】

  • 2018/01/26 11:56

    本日、目標額の200万円を達成いたしました!感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当にありがとうございます。 ドキュメント本は、現在、編集および校了の最終段階に入っております。2月に刊行予定でして、みなさまに納得していただけるよう誠心誠意完成まで頑張ります。 また、明日の1月27日(土)には...

  • 2018/01/10 16:24

    リターンに、美術家の柴田祐輔さんのオリジナルBOXを追加しました。ぜひご覧になってください。これにてオリジナルBOXが出揃いました!どうぞよろしくお願いします。

  • 2018/01/08 15:18

    リターンに、画家の高石晃さん、画家の藤田美希子さん、画家の小川格さんのオリジナルBOXを追加しました。ぜひご覧になってください。オリジナルBOX、残すはあと一人!!

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