はじめに

ページをご覧いただきありがとうございます。ナガノの生きづらさを繋ぐフリーペーパー『hanpo』の編集長の草深です。このたび、新型コロナウイルスの影響で発表の機会を失った子どもや若者のために『ナガノオルタナティブ文化祭』を開催することを決めました。


フリーペーパー『hanpo』について

昨今、子ども達の中で「生き方を知りたい、居場所が欲しい」という声を耳にします。また、発達障がいや、不登校、LGBTQなど外見ではわからない生きづらさを抱え居場所を見つけられない若者たちも多くいます。

そうした居場所を見つけられない子どもたちは、大人にも打ち明けられず、暗闇で孤独を抱えて苦しんでいます。暗闇の中で立ちすくみ、足を動かそうと一歩踏み出そうとしても、その一歩が無限にも思えるほど果てしなく感じます。

僕ら『hanpo』の運営メンバーは、そうした生きづらさを抱えた経験者たちの集まりでもあります。

僕らにできることは多くはありません。直接手助けすることもできないし、傍にいることもできません。でも、それぞれの道を見つけて半歩先を踏み出しながらも、もう一歩の足はまだ暗闇を覚えている僕らだからこそ、いま暗闇の中にいる子達に手を差し出せる距離にいるはずだと考えています。

辛い思いをしている子達に、自分の過去の思いを伝えていくのは同じ長野の土地で半歩先を生きる僕らにできる数少ないことだと思っています。そうした僕らの声を届けるため、フリーペーパー『hanpo』を発行しています。


《夏休みをテーマにした記事の一コマ》
hanpo編集部の周りの人に夏休みの思い出や、過ごし方を聞いてごちゃっと集めてみたヒトコマです。


《夜をテーマにした記事》
夜は誰にとっても、平等に訪れますがその過ごし方はみな違った捉え方をしています。
そんな夜を生きづらさを感じた夜の記事の抜粋。



暗闇のなかにいる人たちのための表現の場をつくりたい

2020年、新型コロナウィルスの影響で様々なイベントが縮小されてしまいました。発表の場を失ってしまった子ども達、若者も少なくありません。学校に行けていない、居場所を持たない子ども達であればなおさら。

そうした子どもや若い作家たちに発表の機会を設けながら、自分と似た境遇の子達とつながるきっかけを創りたい。そんな想いから『ナガノオルタナティブ文化祭』を開催することにしました。


* ナガノオルタナティブ文化祭 *
2020年12月12日〜27日 開催
長野県内三か所の会場で展示とイベントを開催します

《 長野会場:StudioSonne 》
会場HP
・オルタナティブ文化祭/ダーク
ブラックで少し不思議な空間に。音楽イベントを行います。
・草深将雄 展示会場 「祈リノカタチ」


《 松本会場:minkahouse 》
会場HP

 ※新型コロナウィルス感染防止のため、minkahouseでの展示は中止とさせていただきます。


《松本会場:kulwa》

 山田愛個展「0の景色」
会期:12月12日(土)13日(日)19日(土)20日(日)26日(土)27日(日)
時間:11:00〜18:00
▼会場HP


《 安曇野会場:野の花カフェ だ・もんで 》
会場HP
・オルタナティブ文化祭/ポップ
ポップでカラフルな作品を展示する空間で、トークイベントやライブペイントを行います。


《 実施イベント 》

※お知らせ※
当初長野会場で予定していた、ラフセッション、ボードゲーム等の人と人との接触の必要のあるイベントは、新型コロナウィルスの状況を考慮し、感染拡大防止のため、それぞれのイベントはオンライン会場、YouTube、Instagramへの動画の投稿へと変更させていただきます。ご了承ください。




※イベント情報は時間などはまだ詳しく定まっていませんが、興味のある方はご連絡いただければ、追って情報をご連絡します。また、各イベントはYouTubeなどで配信を行います。hanpoチャンネルはこちらから。


《その場に集まらなくても参加できる文化祭に!》
このイベントは私たちの中でも実験的な試みです。
このコロナ渦において、そして、生きずらさを抱いている若者たちにとって、集まることは正直ハードルは高いです。しかし、オンラインであれば、そこまででもないかもしれない。

という事で、「Instagram」での展示を並行して使って、展示の場を増やしていこうという試みも行ないます。

期間中に「#ナガノオルタ祭」のタグをつけて投稿していただければ、参加できます。
hanpo instagram:@hanpo0310


資金の使い道

◆オルタナティブ文化祭の期間中のイベントスペースの会場費
◆展示作品のパネル加工費
◆文化祭に参加してくれた作家たちの作品集を製作し発行するための制作費
◆今後のフリーペーパーhanpoの発行に使用させていただきます

※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンをお届けします。


最後に

近年では学校外の学びの場として、フリースクールや民間の学習スペースも広く受け入れられるようになってきました。

そうした動きと合わせて、地域の公共の学校以外の学びの場や居場所と呼ばれる「サードプレイス」がつながる総合文化祭のようなお祭りになってくれたらいいと夢を膨らませています。このイベントがそうした大きなお祭りのきっかけのようなものになっていけばいいと考えています。


僕自身は、小学生から中学時代に不登校を経験し、その間に様々な生きずらさをもった人たちと出会ってきました。そうした時間の中で、素の自分でいられること、自分と同じような体験をしてきた人が他にもいて、自分自身をさらけ出していられる空間、時間、ヒトや場所があることが救いでした。今現在、僕にはそうした出会いに恵まれて生活をしています。

ですが、出会いというものは降って湧いて出るとは限りません。
僕がそうだったからと言って、誰にも同じように救われる出会いがあるなんでことは約束できません。
ですが、フリーペーパーを発行し始めて出会った「縁」であれば、みんなで繋がっていくことができるんじゃないかと考えました。

今回長野市で草深が個展を開くこと。
そして「縁」あって、京都から長野県大町市で作品を作りに来てくれている、京都で不登校を経験していた山田さんが松本市で個展を開くという「縁」は、hanpoを知る人々で共有したいと思わせてくれました。

せっかく作家が二人いて、その表現活動をするのであればそれはもうみんな集めて文化祭にしてしまえ!

そんな見切り発車な計画でもあります、ではありますが、誰かがやらないと、きっと誰もやらないままです。でも、誰かがやれば、そこにはきっと新しい「縁」が生まれると信じています。

そんな企画ですが、もしよろしければ、応援と心添えをいただけたらと思います。


 hanpo編集長 草深将雄



15年前。中学2年生のわたしは、みんなが通うワイワイと賑やかな教室に隣接する別室で、多くの時間をひっそり過ごしていました。

ぶあつい遮光カーテンで囲われたその部屋にいた頃、まさに未来を照らす光も感じられませんでした。 だからまさか15年後、いろんな人と関わって制作をしたり、京都から遠く離れた長野に来ることがあるとは全く想像してませんでした。

教室に行ったり行かなかったり、ずーっと毎年単位が足りなくて補習を受けたり…学校は苦手なはずなのに、気づけば大学院まで修了していました。

そうしてやってこれたのも、どんなに真っ暗なときでも、周りの人たちが助けてくれたり、芸術がわたしの心を救ってくれたから。 今だって、たくさんの人や芸術に生かされていて、おそらくそれはこの先もそうなのだけど… 自分ができるタイミングで、自分のやり方で、だれかの力になれたらいいなと思っていました。


そんな中、去年長野県大町市で滞在制作をさせていただき、その制作現場でご縁あって「hanpo」の草深くんとも出会いました。

その際の制作でも、長野の皆さんにたくさんのお力をいただきました。 生まれ育った場所も境遇も違うけれど、長野の皆さんになにかお返しできたらいいな。

このひとつのきっかけが、だれかの半歩を踏み出す力になりますように。


山田愛




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