11/24:NEXT GOALについて追記しました!

お陰さまで当初の目標金額を達成することができました!心よりお礼申し上げます!

そこで、ネクストゴールとして獣害対策用の柵設置費用を含めた総額150万円を設定することに致しました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、日本の森林では近年、シカやイノシシによる被害が急増しています。動物が増えることは一見すると良いことに見えますが、時には森林にとって悪い影響を与えると考えられています。シカの場合、採食行動によって若い木を食べつくし森林の更新を阻害したり、スギ・ヒノキの樹皮を食べ傷つけてしまったりという問題が発生しています。

本研究で獣害対策用の柵を設置する場所と、設置しない場所を設定することで、紀南地域における獣害が森林の天然更新へ及ぼす影響、つまり柵設置の必要性を調査したいと考えています。

ご支援どうぞよろしくお願いします!

はじめまして!今回プロジェクトを立ち上げた井口光(いぐち ひかる)と申します。


私は小さい頃から山村巡りが大好きで、出身地の東京にある奥多摩をよく歩き回っていました。山登りではなく山村巡りが好きなのは、自分の育った住宅街とは全く異なる環境、そして長い歴史を重ねてきた集落の生活がとても魅力的だったからです。

集落の周りにある森林にも興味を持ち始め、大学では森林科学を専攻しました。入学後、学科の実習で訪問した熊野の集落風景を見て、「ここで暮らしてみたい!」と一目惚れをし、和歌山県古座川町にある北海道大学の研究林で大学院生としての研究活動を始めることを決意しました。

研究林内での調査風景

しかし、研究を進めるにあたり自分の力ではどうにもできない資金面での課題に直面し、皆様にご協力いただきたくクラウドファンディングを行うこととしました。
一人の学生の研究ではありますが、その結果は必ず日本全体の森林管理にとって、また皆さまにとっても価値のあるものになると確信しております。なぜ重要なのか?なぜ資金が必要なのか?皆様に納得して頂くため、本プロジェクトを始めるに至った経緯をご紹介したいと思います。


まず、私の所属する北海道大学和歌山研究林について簡単に紹介したいと思います。

和歌山県古座川町?北海道大学なのに和歌山研究林?ほとんどの方はこう思ったのではないでしょうか?

古座川町は本州最南端の町・串本町のひとつ内陸側に位置する人口約2,700人の町です。
町の名前にもなっている古座川は環境省が発表した平成の名水100選に選ばれるほどの透明度を誇り、上流域は貴重な生物(オオサンショウウオなど)の住処になっています。さらに古座川流域は「日本の秘境100選」にも選ばれ、風光明媚な光景が広がっています。
また、近年では町内に自生する標本木などを元に「クマノザクラ」という新種のサクラが発見されたことで話題にもなりました。

古座川町の位置と町内の代表的な風景


特別天然記念物オオサンショウウオ(学術目的での特別な許可を得て観察しています)


その古座川町の最も奥まった場所に、平井(ひらい)という80人ほどが暮らす小さな集落があります。

平井集落は鎌倉時代の戦乱から逃れた人々より始まる約800年の歴史がありますが、現在は古座川支流にあたる平井川の清流に育まれたユズの栽培と加工品の生産で名が知られています。


平井集落

北海道大学 和歌山研究林 はこの平井集落に、北海道では見ることのできないスギ・ヒノキの人工林や暖温帯特有の森林(自然状態ではシイ類・カシ類など常緑の広葉樹が生い茂る森林)に関する教育や研究を目的として、1925 (大正15) 年に創立されました。


平井集落にある北海道大学 和歌山研究林の庁舎。1927(昭和2)年建設。登録有形文化財。
事務所のほか、利用者のための実験や宿泊スペースとしても機能している

和歌山研究林の森林遠景。手前から1つ目と2つ目の稜線から広がる山域がほぼ研究林敷地。

この北海道大学和歌山研究林に来てみると、里山周辺の奥地の人工林は管理がままならぬ事態へと陥っていることを目の当たりにしました。若者が都市部へと流出して、管理する人手が足りないからです。
調べてみると、全国各地の里山でも奥地の人工林は管理が放棄され、同じような問題を抱えていました。さらに本州では北海道よりも地形が急峻であるということも相まって、事態はより一層深刻な状況です。
授業で話は聞いていましたが、まさかここまで厳しいとは思ってもみませんでした。

この奥地の放棄された人工林を救うために何かできないだろうかと考えた結果、私たち(私と和歌山研究林職員)は人工林に隣接する天然林から常緑広葉樹の侵入を誘導し、放棄された奥地の人工林を効率よく天然林へと戻すことで、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発を目指すプロジェクトを立ち上げました!

和歌山研究林内の90年生スギ人工林。
林道沿いの平地などに広がる一部の場所はこのように管理が行き届いているが…

では、なぜ管理がままならない奥地人工林が増えてしまったのでしょうか?
原因は様々ですが、大きなものとして日本の林業をとりまく環境の変化があげられます。


戦後日本の人工林の取り扱いの歴史的背景

戦後の日本は、軍需物資として木材資源が切り出され荒廃した国土の復興と、高度経済成長に伴う木材需要の増加に応えるべく、山という山にスギやヒノキの苗木が植えられ、驚くほど山奥にまで人工林が作られていきました。しかし、その人工林の成長を待たずして、1960年代に安く大量に入手できる外国産材の輸入が自由化されたことをはじめとする様々な要因が重なり、国際的な競争力に乏しかった日本の林業はみるみる衰退してしまいました。
その結果、人々のスギ・ヒノキ人工林への関心が薄れ、特に管理コストがかかる奥地人工林は管理がままならぬ事態へと陥ってしまったのです


通常、日本の針葉樹人工林は、間伐や枝打ちなど定期的に管理されることを前提に収穫目標よりも多めの本数が植栽されます。
そのため、前提とされていた管理が行き届かなくなると、林内は過密状態となり荒廃してしまいます。

和歌山研究林内の奥地に広がる、管理がままならない状態のヒノキ人工林。
林内は暗く林床植生が乏しい。

一方で、人工林とは異なり、天然林では間伐や枝打ちなどの作業コストが不要なため、管理コストが抑えられます。
そこで、この天然林に近い形へと人工林を誘導することで、管理コストを抑えながら森林の状態を改善しようというのが、本プロジェクトの目的です。


また、天然林に近い形へと誘導することで得られるメリットは、管理コストの削減だけではありません。

現在の日本では、木材生産のみならず、生物多様性保全や河川に流れ込む水量をコントロールして洪水を緩和する水源涵養の機能など、多面的な機能を高める目的で森づくりが進められています。針葉樹人工林に比べて天然林にみられるような多くの種が存在する森は、この多面的機能が高いと言われています。
人と森林がより長く共存できる関係を築くために、人工林だけではなく、多くの樹種が生存する天然林に近い形へと戻す森づくりが必要とされているのです。

国土の2/3を森林が占めている日本で、森林の健全さは国土の健全さと言っても過言ではありません。
そのため、森林の状態は下流の都市に住む人々にも無関係ではないのです。

例えば、休日にレクリエーションに行った山が荒廃していたら、自然の恵みを感じませんよね?健全な森の方がレクリエーション機能が高いのです。
また荒廃した人工林では、しばしば土壌の流出が問題になります。この問題は河川の水質や、災害の原因にもなり直接下流の人々に影響を及ぼします(洪水の制御機能)。

この国に暮らす人にとって「最も身近で最も大きな隣人」とも呼べる森林の健康を維持することは、将来に渡って良好な“ご近所付き合い”を続けていくために必要不可欠なのです。そして本プロジェクトが成功し、広葉樹林化への手掛りを示すことが出来れば、全国の荒廃した森林の状態は改善され、より良い森林との隣人関係を築くことが出来るのです。


では実際にどのようにプロジェクト(研究)を進めるのかご紹介したいと思います。

私たちの所属する和歌山研究林には天然林と人工林があります。
これら森林を利用して、スギ・ヒノキ人工林に隣接する天然林から常緑広葉樹の侵入を誘導し、里山奥地の放棄された人工林を効率よく天然林へと戻す森づくり技術を開発したいと考えています。


和歌山研究林の最奥部にある、スギ人工林(左)と常緑広葉樹(照葉樹)の天然林(右)の境目。
スギ人工林側は手入れがあまり行き届いておらず、細く枯れ枝の多い木が多く残っている。

境目を上空から撮影。右上が常緑広葉樹林、左下が人工林

さて、ここでまた問題が生じます。どのように広葉樹を誘導すれば良いのでしょうか?
ぱっと思いつくのは人が植えることでしょう。
しかしこの方法では、苗木を山の上まで持っていき、穴を掘って植栽し、下刈りなどの作業を続けながら、時間をかけて手厚い世話を続けなければなりせん。ましてや人手の少ない里山奥地において、このような作業を続けていくことは、支払うコストがことさらに大きくなってしまいます。そもそも管理コストを下げることが目的なので、これでは本末転倒です。


天然更新により回復しつつある皆伐跡地

そこで私たちが注目したのは、天然更新です。
天然更新とは簡単にいうと、‶植えても種を播いてもいないのに、勝手に生えてくる木を使って森を作る”ことです。木は本来、鳥や風、動物の力、重力を借りて種子を拡散することで、世代交代する力を持っており、そのお陰で地球上に森林が維持されてきたという背景があります。この元から木が持っている世代交代する能力を使って、森を作ろうというのが天然更新です。
私の研究ではこの天然更新を利用し、広葉樹を誘導しようとしています。


鬱蒼とした林内に倒木が発生するなどしてできた、小さな「日なた」の部分。
森林生態学の世界では「ギャップ」と呼ばれ、日本のような温暖多雨な気候においては、
このギャップにさす陽の光によって次世代の若い森林が育っていく。

そしてこの天然更新には光が重要になります。
十分な光がなければ、植物は成長することが出来ないからです。
そこで光」を十分に地面に届くように間伐をすることで、広葉樹が天然更新しやすい環境を整えることにしました。


通常、人工林ではスギ・ヒノキの枝葉が空を覆っているため林内は暗くなっています。

この暗い状況は、侵入した広葉樹が種子から発芽したり成長したりするには、非常に過酷な環境です。そのため針葉樹を部分的に間伐し、空を開けて明るくすることで、「広葉樹が発芽・成長しやすい環境」を作り出せると考えられます。

しかし、切れば切るほど良いというわけではありません。
切りすぎると、地面が乾燥したり、降雨による表土の流出が起こったりとマイナスな面が顕著になってしまいます。

これらの兼ね合いを見極め、最適な間伐強度を見つけだすことが、この研究のポイントになります。最適な間伐強度が分かれば、自然の力を借りて、効率的に、低コストで、管理できる森林へと針葉樹人工林を転換できる方法を示せるのです。そしてこの方法を示すことが出来れば、全国の荒廃した針葉樹人工林を改善するための技術開発を一歩進めることが出来るのです!


本プロジェクトの実験デザイン。様々な強度(幅)で間伐を行うことで、常緑広葉樹が侵入しやすい最適な強度を見つけ出すことを目的にしている。 

しかし、大きな課題が残っています。
和歌山研究林には実験を行うために必要な林道・作業道などの路網が十分に整っていない!」
ということです。

一般に、古座川流域のような急傾斜地の多い山林において、伐採などの林内作業を行うためには最低でも1ヘクタールの山林面積あたり、50mの作業道(林道よりも簡易な構造で、積載量2tのダンプが通行できる道路)が必要とされます。しかし現在の和歌山研究林においては、1ヘクタールの山林面積あたり、20mの道路網しか整備されていません。しかも、既設の道路網の大半は林内を縦断・横断している谷底の河川沿いに集中しています。


一部の沢沿いにはこのような林道が敷かれているが…


研究のための実験サイトの検討のため、路網が整備されていない約40度の傾斜地を歩く筆者。
この直後に浮石を踏んで滑り落ちてしまい、腕や足に擦り傷が…


加えて、田辺市本宮町の川湯温泉などで壊滅的な被害を出した2018年8月23日の台風20号の影響により、和歌山研究林の既存の道路網の多くが土砂災害で破壊されてしまいました。

幸い、破壊された林道などは少しずつ修復を進めている状況ですが、土木資材の在庫品の一部が道路と共に流失してしまったこともあり、和歌山研究林だけの力では新たな作業道の作設は難しい状態です。

 台風20号による林道の大規模な崩壊。土石流により林道のほかに物置や橋梁などが押し流されてしまっている(2018年8月撮影・現在は一部復旧済み) 


もし林道が整備できなかったとしたら、研究が難航するだけでなく、伐採した木材を放置することにもなります。
スギ・ヒノキなどの針葉樹人工林は、植えられた苗を育てて伐採し、最終的に木材として利用するための森林です。しかし、現状は伐採された木を運び出す路網がないため、間伐された原木を山の中に残したままになってしまいます。
これでは丹念に苗を植えた先人の方々に、まったく申し訳が立ちません。


急傾斜地における先人たちの丹念な苗の植付け作業(1970年代・和歌山研究林所蔵)

研究が終了した後も、新たに開設した林道や搬出された木材は環境教育を行っている研究林では価値を発揮します。

例えば、研究林には木材を加工する設備があるため、森の木を切り、林道から搬出できるようになると、製品として加工・販売するまでの一連の作業をすることが可能になります。
つまり、川上で行われる木材生産から、川下で行われる商品加工・販売までの流れ」を一度に見ることができます
加えて、林道が整備されることで車両を使った案内が可能となり、森林と関わる機会が少なくなった子供たちを含めより多くの方々に「研究林内の様々な取り組みを体験する教育プログラム」も提供できるようになります

また今日的な意義としては、森林の中は「3密」を避けた状況を作りやすく、withコロナの時代に適した教育プログラムが実施できるという利点も兼ね備えています。


森林の中に路網が新設されたら、木材加工や教育サービスの提供が可能になる 


本プロジェクトでは、森づくり技術開発に必要な作業道新設のための土木資材の購入費90万円を、私たちだけで用意することができず、皆様のご協力を必要としています。

作業道の土木資材が準備できれば、その他必要な重機や道具は和歌山研究林に揃っています。
資材さえあれば!あとは自分たちで進められる状態なのです。
「里山奥地の人工林問題の解決に向けた森林づくり技を開発する」ために、さらに「先人の植えた森林資源を大切に利用する」ために、和歌山研究林の路網新設は不可欠なのです

ご支援のほど何卒よろしくお願いいたします!


本プロジェクトを立ち上げるにあたって、和歌山研究林とご縁のある多くの方々から応援メッセージをいただくことができました。皆様、本当にありがとうございます!


★西前啓市 様 (古座川町長)  より

古座川町長の西前啓市でございます。
本町は、面積の約96%が森林であり、林業が盛んな時代には、林業に携わる者も大勢おりましたが、現在では、林業従事者も少なくなり、手入れの行き届いていない人工林が増えていることも事実です。
森林を再生させるには、50年100年という長い期間を要し、林業従事者の人材確保が必要となります。
本町におきましても森林経営管理法に基づき森林整備を進めているところでございますが、今回のプロジェクトである、「低コストで管理できる森づくり技術」の開発が出来れば、本町の抱える荒廃した奥地人工林の整備に大変有益であろうと期待しております。

ぜひ実現に向けて、頑張って頂きたいと思います。


★きのくに子どもの村中学校 動植物研究所の皆様 より

きのくに子どもの村中学校の動植物研究所です。
毎年クラスで北海道大学和歌山研究林のみなさんにお世話になり、自然林の観察や小動物の捕獲・観察、間伐体験などをさせていただいてきました。様々な手厚いサポートにとても感謝しています。ここならではの貴重な体験ができて中学生たちは目を輝かせています。今回の自然林回復のためのプロジェクトをお聞きして、とても興味をもちました。ぜひまた、いろいろ教えてください。


★ 井上節子 様 (NPO法人和歌山芸術文化支援協会(wacss) 理事長)より

「アートは人、町を元気にする」をコンセプトに2001年より様々なアート活動を続けています。
2007年より、歴史と文化を育んできた熊野の森にアーティストを招き、滞在制作や作品を通していつもの風景が違って見えたり、心の中で何かが動き出したり、森からのメッセージを体感して欲しいと願いアートプロジェクト「森のちから」を実施しています。
11回目となる「森のちからⅪ・森の中へ」は2019年10月、北海道大学和歌山研究林のスタッフの皆さんの真っ直ぐな好奇心に支えられ素晴らしいプロジェクトとなりました。

人口林から天然林へ、熊野の森の再生は未来へつながると信じています。それぞれの立場で「森に心を寄せる」今回の取り組みを応援します。


★農事組合法人 古座川ゆず平井の里の皆様 より

北大和歌山研究林さんのお隣で、特産品のユズを使った製品を作っています。
私たちの製品は、ユズの生育に適した平井集落の気候・ユズ畑のお世話や収穫をしてくださる方々・そして周辺の山々に広がる森の中より注がれた豊富な水資源に支えられています。このため、森林の健康を維持するということは、巡り巡って私たちの健康を維持することにもつながることだと日々、とても強く感じています。

山の恵みを少しずつ頂戴しながら、将来にわたって良好な「森とのご近所付き合い」を続けていくために、私たちからも応援させていただきます!


★中村誠宏 様 (和歌山研究林長・准教授) より

和歌山研究林の中村です。
井口くんの指導教員として研究デザインなど日頃から良く研究の議論をしています。私の専門は昆虫の群集生態学ですが、彼の情熱に押されて、林業にも強く関心を抱くようになりました。彼の研究から「最適な間伐強度を探る」ことで広葉樹林化するための詳細な条件を提示でき、既存の研究とは一線を画した斬新さがあると思います。

林業の研究は結果が出るまでに時間がかかります。彼の修士論文では初期の一部だけしか研究できないかもしれません。しかし、このプロジェクトで作業道が新設されれば、徒歩や自動車で実験プロットまで簡単にアクセスできるようになり、一般の方々も楽しく調査に参加できる「シティズン・サイエンス(市民参加型の科学実験)」へ展開できるのではと期待しています。


CAMPFIREさんの手数料を除いた全額を、本プロジェクトの資金として大切に活用させていただきます。いただいた資金の大半は作業道の作設に必要な土木資材や重機のレンタル代に充てるほか、リターンの送料やパッケージング等のプロジェクト運営費にも一部使用させていただきます。

小型重機で林道の補修を行っている様子(和歌山研究林内)

以下が大まかな内訳です:

・土木資材(ふとんかご・大型土のう他) ¥35万
・小型重機(3tクラスのミニバックホウ)レンタル料&燃料代 ¥30万
・プロジェクト運営費(リターン送料他) ¥11万
・手数料14% ¥14万
・総計 ・・・ ¥90万


大まかには、以下のスケジュールで進めていく予定です。
実験や道づくり、リターン制作などの様子は随時、情報発信していきます。

・2020年11月 プロジェクトページ開設、間伐実験の開始
・2021年2月~ 作業道の作設開始
・2021年4月~ 木製品などの制作・リターン発送
・2021年5月~ 野外セミナー開催 (※)時期は前後する場合があります
・2021年10月頃まで 作業道の作設完了
・2022年3月(予定)~ 研究報告書の発送 (休学などで時期が遅れる場合があります)


(※)本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


本プロジェクト、そして和歌山研究林の特徴を最大限に活用した、以下の4種類のリターンを用意させていただきました。


(1)井口の研究成果をまとめ上げた研究報告

本プロジェクトで実施される研究の後にまとめ上げることになる研究報告をリターンに設定させていただいています。
研究の成果物という特性上、発送は最短でも2022年3月以降となりますが、休学などの諸事情により発送時期が遅れる場合があります。


(2)材料の調達から加工まで全て和歌山研究林スタッフの手で作られた木製の工芸品

和歌山研究林に生えている樹木はスギ・ヒノキ造林木のほかに180種を超える自生種がありますが、その一部は風倒などの被害が出た際に木材として切り出され、工芸品などの原料として活用されています。

この和歌山研究林産の木材を使った工芸品を、リターンのひとつとして用意させていただきました。

レーザーカッターなどのシステマチックな工具は一切使用しておらず、材料の調達から最後のひと磨きに至るまで、全て研究林スタッフの手により木材の特性を見極めながら一つ一つ丁寧に仕上げています。

和歌山研究林スタッフによる工芸品の制作風景 

また先にも申し上げましたように、和歌山研究林では2018年8月に甚大な台風被害に見舞われました。その際に林道の崩落など多くの被害があったほか、多数の風倒木も発生しています。
リターンとなる木製品の一部には、この風倒木を原材料としています。

普段は古座川町の特産品として 道の駅一枚岩 Camp&Food monolith 様でのみ販売されているものですが、今回は本プロジェクト限定品としてのアレンジを加えた形で3種類提供させていただきます!

  [1] コースター(2枚セット)

(※)後ろのグラスは付属しません

  [2] 天然ケヤキの樹皮を使った動植物の壁掛け

  [3] スマホスタンド

(※)後ろのスマホは付属しません


(3)和歌山研究林庁舎の設計図を元に作成した手ぬぐい

登録有形文化財である和歌山研究林の庁舎は、1927(昭和2)年に竣工されて以来、100年近くにわたり大規模な改修やリフォームなどを行うことなく現役で使用されています。
この庁舎が建設される際に描かれた本物の設計図の一部をトレスしてデジタル化し、図柄のデザインに起こした手ぬぐいをリターンのひとつに設定させていただきました。

手ぬぐい図柄(※デザインは若干変更される場合があります)

トレスされた設計図に書かれている日付はなんと、1925(大正15)年!
これは現在の和歌山研究林にあたる施設が創立された年で、当時は海沿いにある古座の町から徒歩で丸1日かけて現地へアクセスしていたそうです。
手ぬぐいという実用品を通じて、当時の雰囲気を少しでも感じ取っていただけましたら嬉しいです。

庁舎設計図の一部。当時の学校名は「北海道帝國大学」


(4)和歌山研究林で実施される野外セミナーへのご招待

和歌山研究林の主要なミッションは森林フィールドを使った教育・研究サービスの提供ですが、都市部から遠く離れた立地ということもあり、その具体的な内容は世間一般になかなかイメージし難い部分があります。事実、地域住民の方のなかでも和歌山研究林でどのような活動が行われていのるかあまり知られておらず、ましてや森林を所有している大学があるということ自体も、それほど広く認知されていません。

そこで!
研究林スタッフの皆様による全面的なご協力のもと、本プロジェクトの進捗状況も兼ねた、和歌山研究林のフィールドを隅々まで活用した野外セミナーをリターンとして用意させていただきました。

野外セミナーのイメージ (過去に実際に行われた学生実習などの風景)研究紹介・林内調査の体験・急傾斜に敷かれた小型モノレール試乗・木工ワークショップ・バーベキューや窯作りからのピザ焼き…等々。
日帰り・あるいは1泊2日(宿泊場所は研究林庁舎内)の日程で、自然の仕組みや森林環境の役割・山の恵みの利用などについて、文字通り五感をフルに使って楽しく学んでいただく機会を提供させていただきます。
山林での活動からイメージできる一般的な「山仕事」や「林業」とは一線を画す、大学が所有する森ならではの、様々な視点から森林について知ることができる体験プログラムをぜひ、満喫してください。


私たちは、「里山奥地の人工林問題」を解決するために、低コストで管理できる森づくり技術の開発と普及を目指しています。
皆様から少しでも多くの応援とご支援をいただけることによって、新たな「森づくり技術」の開発が実現化して、この人工林の問題が解決に向かうことを信じています。

精一杯がんばりますので、ご支援のほど何卒よろしくお願いいたします!



サポートしてくださる和歌山研究林スタッフ&学生と一緒に集合写真

★ 井口光(いぐち ひかる)

私達のもっとも身近で最も大きな隣人である森林を健康にしたい!
その思いで本プロジェクトを始めました!どうぞご協力お願いいたします!


井口光の活動歴/実績

北大農学部卒。実習で訪れた和歌山研究林の風景に一目惚れしてしまい、大学院生活を和歌山で送ることを決意。札幌では部活でアイスホッケーに打ち込みつつ、休日になると北大構内に住むキツネの一家を観察していた。その際に撮影した写真が日本政策投資銀行の北海道版パンフレット(2019年版)の表紙や北大公式カレンダーに採用された。現在は研究活動の傍ら、古座川町内の小学校で行われている放課後活動支援などを通じ、教育機関としての研究林の魅力を伝えている。趣味は筋トレ。器具がないので最近は専ら自重トレーニングをしている。好きな木はホオノキ(朴木)

札幌キャンパス在学中に撮影していたキツネの一家。この年は子供が5匹ほど生まれ賑やかだった 


サポートする和歌山研究林スタッフ紹介

和歌山研究林には合計9名の技術スタッフが所属しており、今回の研究を全面的にサポートしてくださいます。このなかで特に関わりの深い5名の方々について、簡単にご紹介いたします。

★ おがわ あきふみ

…リターン製作・企画 担当
北海道出身・理学部数学科を卒業して森林の世界に入る・木材利用について研究林内で最も熱い情熱を注ぐ・好きな木はハリギリ(針桐)。


★ ちい よしたか

…間伐実験の実働・リターン製作 担当
大阪からIターンで古座川町に定住・チェンソー等を使った伐倒技術の指導者としても全国的に活躍・好きな木はケヤキ(欅)。


★ むろ たかはる

…間伐実験の実働・リターン製作・コンテンツ製作補助 担当
地元、古座川町出身・周辺地域の情報に精通し、定住希望者のアドバイザーや観光ガイドなどを歴任・特技はロックバランシング・好きな木はクロバイ(黒灰)。


★ まえだ じゅん

…リターン製作・企画 担当
地元、平井集落出身・平井在住者の中では最も若手のひとりだが和歌山研究林を最も愛し、その歴史を誰よりも広く深く知る・好きな木はキリ(桐)。


いとう きんや

…企画・コンテンツ制作補助 担当
千葉県出身・元SE・以前の配属先は毎年冬に-30℃未満を記録する極寒の地・関東出身だが内地の夏の暑さが苦手・好きな木はメタセコイア(曙杉)





最後までお読みいただき、ありがとうございます。





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