はじめに

昨今、インターネット上での誹謗中傷・嫌がらせの被害が話題になっています。

開示請求などの法的対処は前々からありましたが、開示までに時間がかかり、また費用も多額なことから被害者の救済はほとんどされてきませんでした。

先日の木村花さんの死を受けて手続きの見直しが始まりましたが、それでもまだ不十分であると感じています。Twitter以外でも、匿名ツールでの嫌がらせは数多く見られ、各サービスで色々な対策は講じていますが、やはり被害の防止は難しいのが現状です。

これまでほとんどの被害者が泣き寝入りを強いられ、また行動に制限をかけられてきました。

ですが本当にそれでいいのでしょうか?
なぜ加害者に制限がかかるのではなく、被害者に制限がかかるのでしょうか?

このプロジェクトは、そうした被害者の苦しみを軽減し、救済へとつなげる「速やかな被害回復につながる、加害者情報の開示機能を備えた匿名質問サービス」を制作しようというものです。


このプロジェクトで実現したいこと

匿名で質問したり、感想を送ったりできるサービスには需要があります。
ポジティブなフィードバックを気軽に送信することのでき、肩書も何もなく人と人として交流ができるのが匿名質問ツールのよさです。

その良さは残しながら、誹謗中傷・嫌がらせの被害を防止するためには、通報システムやAIによる制御だけでは足りません。世の中には色々な形の嫌がらせがあり「あなたのために」と称して執拗に付き纏い続けるような例も散見されます。

実は私も、そうした嫌がらせ被害に遭っていた一人です。
どのサービスもとても親身になってはくれますが、相手が巧妙であると被害の防止は難しく、狙われた人間は逃げるしかありません。そして仮に逃げたとしても被害が止まないこともあるのです。

こうした嫌がらせに苦しめられている被害者は、他にも大勢いるはずです。
被害者ではなく加害者を排除する仕組みを作るべきときがきたのだと思います。

加害しているという意識がない加害者も多く、そうした加害者たちには投稿前のワンクッションや誹謗中傷の禁止などの利用規約は意味がありません。

そこで、登録時に「誹謗中傷・嫌がらせ行為を行った場合には被害者に情報開示がされること」という利用規約に同意してもらい、電話番号を認証しなければ質問を送れないようにすることで気軽な嫌がらせを防ぎ、また被害があったときにはユーザーからの通報に基づき加害者の情報を被害者に渡すことができるようにしてはどうかと考えています。
この利用規約に関しては違法性がないことを弁護士に事前に確認済みです。適切な運用を行えば法的には問題ありません。

本当に悪意のないユーザーは問題なく使用でき、同時に悪意あるユーザーを排除しやすい仕組みを作ることでインターネット本来のよさを誰もが享受できるようにしたいです。


サービス仕様

これまでの匿名質問系サービスと同様に、登録することでユーザーが質問を受け付けるページを開設できます。質問は匿名で送ることができ、質問された側には誰からの質問なのかはわかりません。

これまでのサービスと大きく違う点は、質問をする側も登録の必要があるということです。

登録の際にはSMSを利用した電話番号認証が必要で、誹謗中傷・嫌がらせを行った場合には電話番号が被害者に開示されることを含む利用規約に同意してから登録する形になります。

メッセージを送る際にもアラートが表示され、送る前に一度冷静になるように促すなど、システム的な面で誹謗中傷を発生しにくくさせます。

その上で、それでも行われる誹謗中傷に関しては、主にユーザーからの通報を元に運営が人の目で審査を行います。単語や文言以外にも、文脈など様々な角度から判断し、誹謗中傷・嫌がらせであると判断できるものに関しては被害者に加害者の電話番号を通知するとともに、今後の手続きとして弁護士への依頼や警察への相談があることを伝えます。

通報に関してはできるだけハードルを下げ、誰でも簡単に匿名で通報できる仕組みを作ります。
そうすることで、誹謗中傷が起こりにくく、発生した場合でもすみやかに対処されるようにしていければと考えています。


誹謗中傷が発生した場合の具体的な対応

① 運営からユーザーに連絡を入れます。
該当のユーザーが被害を受けていると分かった場合、まずは被害者にコンタクトを取ります。
無差別な荒らしと思われるケースなどの場合には、運営側での対処をさせていただく旨をお伝えします。
悪質な加害行為であると思われるケースに関しては、加害者の情報開示をできる旨をお伝えし、被害者の意向をお伺いします。

②-A 今後の接触がなければよいと被害者が判断する場合、運営側で対処します。
該当のユーザーから今後接触がなければ良いとユーザーが判断する場合、運営側で今後の接触ができないように対処します。その場合、対処はここまでで終わりです。

②-B 加害者に対して法的対処を希望する場合、まずは該当の誹謗中傷データのログ等をお渡しします。
該当のユーザーへ法的措置を考えている場合には、該当の誹謗中傷データのログ(※個人情報を含まないもの)をお渡しします。それを元に弁護士等に相談していただき、実際にどのような対処をするのが良いのか検討していただきます。

③法的対処をされる場合、加害者の情報をお渡しします。
実際に法的措置に踏み切られるという場合には、加害者の情報をお渡しします。その際には、お渡しする情報は被害への対処にのみ利用すること(加害者の個人情報をインターネット上に記載しないことや、法的措置以外の目的で利用しないことなど)にご同意いただきます。


誹謗中傷・嫌がらせの判断基準

①社会通念上、侮辱・名誉棄損と判断されるような表現
②意味のない文字列や単純な悪口などを繰り返し同一の人間に送信する行為
③質問やアドバイス、意見の体裁を取っているが、文脈や送信頻度から判断して嫌がらせと判断されるような表現
④人種・性別・民族・宗教など特定のカテゴリーへの差別的発言

主に上記4点のようなものを誹謗中傷、嫌がらせと判断します。
③に関してはネット炎上などで多く見られる「答える必要がない質問への回答の強要」「執拗に自分の意見やアドバイスを押しつけ、従わせようとする行為」「シーライオニング(相手を疲弊させるためだけに次々に質問を行う行為)」を想定しています。
運営だけでは判断が難しいようなケースに関しては弁護士に相談するなどして、適切な開示基準の維持に努めます。

資金の使い道

開発費/諸経費:8.6万円
手数料:約1.6万円

開発費、諸経費は文字通りサービスの開発に関わる費用(デザイン関連の費用、プログラムの開発費用等)と経費(ドメイン取得費用やサーバーの初期費用など)です。

目標金額以上に支援金が集まった場合、
月額で1万円程度かかると見込んでいるサーバー代やサービスの機能追加の開発費用として利用させていただきます。

実施スケジュール


7月下旬 HP開設
8月30日 クラウドファンディング終了
12月上旬 サービス開始
12月上旬 リターンの発送

<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。サービスはクラウドファンディングと並行して開発を進めています。


リターン

①お礼のメッセージ(Eメール)
1000円のご支援をいただいた方にはお礼のメッセージをEメールでお送りさせていただきます。


②支援者リストへの任意のお名前の掲載
3000円のご支援をいただいた方には、かなりあ支援者リストにお名前を掲載しホームページやSNS等へリンクさせていただきます。また、お礼のメッセージをEメールでお送りさせていただきます。


③支援者としてのサービスや商品、作品のご紹介
10000円のご支援をいただいた方には、かなりあ支援者として公式noteや公式twitterで作品や商品、サービスなどとあわせてご紹介させていただきます。また、お礼のメッセージをEメールでお送りさせていただきます。


④かなりあへの広告出稿
30000円のご支援をいただいた方には、かなりあへのバナー広告の掲載をさせていただきます。

最後に

これまでインターネットの情報発信者開示請求はハードルが高く、多くの被害者が泣き寝入りしてきました。
「かなりあ」はそんな風潮を変えるべく考案したサービスです。
誰かが嫌がらせの被害に遭っているとき、第三者が運営に通報できる仕組みも取り入れていきます。
被害者をひとりにしないを合言葉に、誹謗中傷に苦しむ人や嫌がらせに苦しむ人を少しずつ減らしていきたいと考えています。

そのための第一歩を踏み出すために、どうかご支援をいただけませんでしょうか?
ご支援を頂けない場合でも、プロジェクトの拡散にご協力いただければありがたく思います。

  • 2020/08/28 10:38

    「かなりあの強みとは?」というご質問をいただきました。クラウドファンディングも残りあと2日となりましたが、ご質問の件について公開でも書かせていただこうと思います。かなりあの強みはやはり「電話番号が開示されること」です。通常、開示請求をしても開示されるのはIPアドレスになりますので、もし加害者を...

  • 2020/08/08 20:09

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