こんにちは!いなかパイプです。「いなか応援企画第一弾」スタートします!

いなかパイプは、「いなかととかいのパイプ役」となる会社です。高知県の四万十川のほとりで、世界のいなかを舞台に活動しています。

私たちは、いなかビジネスづくりを支援し、仕事を増やしながら、都市に暮らす人と「いなか」に暮らす人々とが共に働く機会をつくり、代々受け継がれてきた「いなか」という地域を後世に受け継いでいくことを目的に日々を送っています!

そんな私たちの事業のひとつに、地域の産業の担い手を次世代に残す活動があります。跡継ぎを探したり、事業承継のお手伝いをしたりという中で、「もっと多くの人に活動をしってもらい、いなかを応援してほしい」という思いで、事業の「跡継ぎ」と、私たちいなかパイプで共にクラウドファンディングを通じて支援を集める活動を始めます!

平家伝説の里、切山集落

今回の取り組みの舞台になるのは、四国のほぼ中央に位置する愛媛県四国中央市。まちの中心部から山に向かいぐんぐん登っていくと標高400m付近に切山集落があらわれます。

15分ほどの道のりなのに、街中とはまったく異なる日本の原風景のような景色が広がる集落です。人口は50人程度。しかしこの地域には、1400年に及ぶ歴史が息づいています。

切山集落は小さな村ですが、平家伝説の里として知られています。安徳天皇も身を隠したという言い伝えもあるなど数多くの遺跡や祠が点在し、観光資源として活用されてます。

▲国指定重要文化財の真鍋家住宅。愛媛県最古の民家とされ、全国的にも古いうえに、建築学上の評価も高い。2019年に40年ぶりにかやぶき屋根がふきかえられた。

▲院のお墓。平家ゆかりの場所のひとつとされる

▲生き木地蔵。生きている木に彫り込まれた地蔵。

この地域に、養鶏場の跡継ぎ候補として移住したのが阿部陽介さんです。

天空の養鶏場を継ぎます!

阿部さんが跡継ぎとして名乗りをあげたのが、切山集落の「参鍋養鶏場」です。

もともと埼玉県で働いていた阿部さんは、今後どうしていこうかということを悩んでいました。「動物と触れ合える仕事がしたい!」と一念発起し、酪農や畜産関係の職を探す中で偶然見つけたのが、いなかパイプが掲載していた「参鍋養鶏場」での求人です。

「ゲージ飼いはかわいそうだなと思う中で、自然卵養鶏はとても良いなと思ったんです。ここで働いてみたいと思いました」

参鍋養鶏場は、自然卵用鶏を特徴にしています。 薬品を使わず自然由来のエサを基本に、平飼いが行われ、オスとメスが共存する環境で自然交配した有精卵が毎日採られています。

広い鶏舎の中にいるのは茶色のメス鷄670羽と、一回り大きい白い雄鷄30羽がおり、複数の鶏舎を合わせて約1300羽の鶏がおり、毎日1200個の卵を生みます。

人が食べるものだから、自然を大切にしたい

参鍋養鶏場の代表を務めるのが、参鍋修一さん。父親の代から始まったブロイラー種養鶏がルーツです。

「ブロイラー養鶏というのは薬漬けなんです。自分自身は有機農業にも興味があって、人が食べるものに薬は使いたくないという気持ちがあったんです。

そこで、35歳の時に薬を使わない自然卵養鶏に切り替えたんです。」

そこから参鍋養鶏場を切り盛りしながら、ここまで営んできました。

「でも年々、力仕事が辛くなってきまして。自分だけだとこれ以上広げることもできないですし、誰か来てくれたら規模も広げられるなと思ったんです」

そこでいなかパイプと協働し募集したところ、阿部さんにつながりました。

おいしい養鶏場を次世代につなげるプロジェクト始動

2019年12月から、参鍋養鶏場に変化が訪れます。阿部さんがやってくる直前、働きに出ていた参鍋さんの息子さんが戻り、同じく養鶏場で働くことに。そしてそこに阿部さんが合流。思いがけず、3人体制の運用がスタートしました。

しかしもともと鶏舎も老朽化が進んでいたところに、参鍋さんがひとりで対応できるだけの規模でしかなかったがために、安定して経営していくためには、いろいろな不足しているものがありました。それらを整え、地元のいなかと一緒にみらいへつないでいくのが今回の取り組みです。

(1)養鶏場を改修します!

現在の養鶏場は、設備も全体的に老朽化してきており、必要なメンテナンスをしてここまできたというのが現状です。そこで今回、建物の破損などを修繕し、より規模の大きい養鶏に耐えられるように改修します。

(2)パッケージデザインをリニューアル。全国にお届けしたい!

現在の参鍋養鶏場は、修一さんの知り合いを中心に注文を受け付け、届けるというのが大部分です。今回規模を拡大するにあたり、四国中央市はもとより、関西圏や全国にも広げたいと考えています。そこで、パッケージデザインをリニューアルし、より手にとっていただきやすいものにします。合わせてインターネットでの通販も強化。より多くの方に届けたいと考えています。

(3)働き続けられる仕組みづくりを行います

これらの準備は、直ちにおこうなうということができません。そこで、現在の設備・規模でできる限りの卵の生産をしながら、持続可能な養鶏場の運営をおこなっていきます。今回ご支援いただいた費用の一部は、人件費や必要経費の支払にもあてさせていただきます。

地元の有名スイーツ店も絶賛!

実は参鍋養鶏場は訪れた人誰もが驚くことがあります。鶏舎独特の匂いが少ないこと。天然素材にこだわった飼料と、鶏舎の清掃の徹底で、鶏たちの腸内環境がすぐれているからだと言われています。

参鍋養鶏場の卵に惚れ込み、四国中央市でスイーツ店を展開するコーヒー豆焙煎所、チョコレート・スイーツ工房G.B.Cの店主、高橋賢次さんがいます。

「参鍋さんの卵に惚れ込みました。卵自体に力があるから余計なものを使わなくても焼き上がりがふんわりして、爆ドーナツを食べた人が『卵の味がする』と言ってくれるのが嬉しいですね」

と語るほどの卵なんです。

▲人気商品の爆ドーナツ

平飼い有精卵・安全な自家配飼料・瀬戸内海を見下ろす標高430メートルの天空の鶏舎で大事に育てられています

参鍋さんの卵の魅力は、鶏が育つ環境と飼料に秘密があります。

人里離れた山のてっぺん標高430メートルにある4つの広い鶏舎に、メス12羽に対しオス1羽のバランスで各約100羽の鶏が自由に駆けずり回っている。品種はボリスブラウンと呼ばれるもの。

与える飼料は、参鍋さんの経験に基づく直配合で、人工ビタミン類を含む薬品類は一切使用していません

ポスト・ハーベト・フリーのトウモロコシ、魚粉、生米ぬか、海藻、アルファルファミール、カニ殻、木酢液配合飼料、竹炭、バクタモン(土壌微生物)など、約20種類の品目を季節と鶏の様子を伺いながら微調整されます。

特出すべきは栄養素や風味に関わる秘訣としてスリゴマとカカオをあたえていること

さらに照葉樹の樹皮や燻炭、畑の自然の穀物や野菜を自家発酵させた飼料も与え、鶏の腸内細菌のバランスを調整しています。参鍋さんの鶏舎に来た方が驚く「臭いのなさ」の秘密は、腸内環境の良さがもたらすものなのです。

卵質は黄身がしまっており、爪楊枝を10本以上刺しても破れることはありません

また黄身を包む濃厚卵白というクッションのような部分がしっかりしていることはよい卵の最大のポイント。

食味は、雑味が全くなく、臭いもしない。黄身濃く、かといってしつこさはなく、むしろ爽やかで、生食でこそその本来の味が楽しめます。かき混ぜる際、黄身を包む薄皮と濃厚卵白の強靭さにすこしてこずることになるのですが、命を産み出す力を持った自然に近い本来の卵というものと初めて出会う機会になるはずです。

地元のちからを次世代へ。持続可能な村作り

阿部さんに今の目標を訪ねてみると、「養鶏で飯が食いたい」という一言。

「安心して生計を建てていくことが最初の一歩だと思っています。何より、本当に良い卵だと思うんです。だからこそ、誰に届けるのか、どう届けるのか。満足していただき、対価をいただく。そんなふうになれれば」

と語ります。そして働き方も、修一さんがずっとやってきたように、365日休みなく働くというスタイルからも変えていきたいと言います。

「持続可能にしていくというのが大事だと思っています。3人で交代交代にできるためにどうすれば良いのか、いろいろと試行錯誤をしていきます」

私たちいなかパイプが伝えたいのは、この風景です。

いなかにはおもしろい産業があり、本当に良いものがあります。それを多くの人に気づいてもらうことができれば、若い人も幸せになるはず。そして若い人の幸せは、おじいちゃんやおばあちゃんの幸せにつながり、幸せな地域になると信じています。

今回ご支援いただいた方には、参鍋養鶏場の卵をお届けします!ぜひ楽しんでいただければと思います!

資金の使いみち

・設備改修費
・デザイン製作+資材費
・人件費
・広報費(Web製作、チラシ製作含む)
・CAMPFIRE手数料

スケジュール

2020年7月:クラウドファンディング終了
7月下旬〜8月:パッケージデザイン完成・新パッケージで皆様のところへリターン品を送付
9月:Webサイトオープン
9月〜12月:鶏舎改修


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