はじめに

私(細川慎一)は、2016年に有罪判決をうけた元犯罪者です。2019年には執行猶予の満期を無事に迎えることが出来、晴れて罪は過去になりました。「晴れて」・・・と申しましたが、一生この過去は変えることが出来ず、未だに後ろ指をさされているのが現実です。過去の罪をオープンにすることの生き辛さは想像を絶します。ですから、更生・社会復帰の道を歩みだす多くの元犯罪者が過去を隠して生きることを選択し、過去の罪が明らかになることに怯える生き辛さを抱え続けます。
そして、執行猶予の期間を無事に過ごすことのできない人も大勢いて、多くの者が再犯をして刑務所に戻ってしまう現実もあります。


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きっかけ

私が留置所で出会った人たちは、それまでに会った人たちと大きな違いは無いように感じました。しかし、牢屋である青年と会話を重ねていると「おや?」と思うことがあり、一見では分かりませんでしたが日々を一緒に過ごしたことで「障がいがあるかもしれない。彼はボーダーだろう」と気が付くこともありました。また、高齢の人は「負けるなよ」「家族を大切にしろよ」「がんばれ」と日々私を励ましてくれましたが、一方で「俺たちは中で死ぬからよ」「外には誰も待ってないからよ」と出所して社会復帰することへの希望を持てずにいました。

そして、再犯者の多くが「一度罪を犯したら更生なんて無理なんだ」「更生できる社会に変えてくれよ」と一様に言っていたのです。

私は牢屋の中で「何らかの救いの手が必要だろう」と考えを巡らせ、その後、偏見や差別を解消して更生や社会復帰を支援するNPO法人の設立に至りました。また、同年「再犯防止推進計画」が閣議決定され、その対象者がまさに私を含めた留置所で出会った者たちであり、社会問題の渦中にいる当事者であることを知りました。


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刑務所には障がい者がいる

刑務所に入る時には皆が知能検査を受けます。一般的には知能指数が70未満だと知的障がいがあるとみなされています。(世界保健機関の基準) 2018年に新しく受刑者となった約1万8千人のうち、約3500人が知能指数70未満でした。つまり受刑者10人のうち2人くらいは知的障がい者の可能性が高いのです。また、精神診断では約2500人の受刑者に精神的な障がいがあると診断されています。

私はTVや報道の情報から、刑法第39条により『障がい者は無罪になる』のだと思い込んでいました。しかし、現実には常に刑務所に障がい者が存在しています。なかには、有罪判決を受けるも執行猶予の意味を理解できずに「外に出られたから悪くなかったんだ」と考えて、すぐに再犯に至るケースもあります。例えば再び窃盗で逮捕された知的障がい者の男性は、30円を盗み 「常習累犯窃盗罪」という重い罪名をつけられ3年間刑務所に入りました。こうしたケースのように執行猶予中の再犯や、同じ罪を繰り返すことで重い刑に処せられています。

このような場合に必要なのは厳罰なのでしょうか。同時に福祉・医療に繋がることが出来ていたなら罪を繰り返すことなく、再犯者として刑務所に入ることも無かったと考えられます。


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適切な福祉・医療に繋がること

私の罪が覚せい剤の所持・使用であったことから、裁判官より「依存症の治療を受けるように」と言い渡され、このことが切っ掛けで医療に繋がり、精神科医からは「薬物依存症」との診断がなされました。その後、依存症の回復施設に通所したことで福祉にも繋がり、完治しない依存症という精神疾患から順調に回復をしています。自らの経験から医療と福祉の重要性を知りましたが、このようなケースは現状の日本社会では幸運なケースと言わざるを得ません。



解決したい社会課題

適切な福祉・医療に繋がることが出来ていれば、犯罪に至らずに幸せな生活を営むことが出来ていたであろうケースが多くみられます。その為、現在では刑務所を出所する前の受刑者を適切な支援に繋げるべく調整を図る制度が設けられています。これは出所後に医療と福祉に繋がることで、孤独と貧困に陥ることを防ぐと同時に再犯を防ぐことを可能にします。
つまり受刑者には医療や福祉を必要としている者が多く存在しており、そのことへの理解が地域社会に求められています。しかし、元受刑者や罪に問われてしまった障がい者を受け入れる地域や福祉事業所は多くありません。これまで、こうした者は更生保護と福祉制度の狭間で社会のセーフティーネットからこぼれ落ちて再犯を繰り返していたのです。

受刑者や元犯罪者を含むすべての人が適切な福祉・医療に繋がれるように、社会から偏見や差別をなくす啓発活動をおこない、理解を広げることでこの社会問題を改善したいと考えています。


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このプロジェクトで実現したいこと

障がい者を犯罪から救うプロジェクトでは、これまでにも啓発活動を行ってまいりました。広く社会の人々にこの問題を知っていただくことで偏見・差別を無くすことは問題改善を図るうえで重要な要素です。
しかし、この啓発が当事者に届いていないことが現在の大きな課題となっています。福祉・医療は強制できません。当事者もこの問題を理解することで積極的に福祉・医療を利用するという意識変化が問題改善を図るうえで重要であり、更なる啓発活動の拡充が求められます。
そして、当事者が自らの問題を理解して福祉・医療を求めたときに過去の罪が原因で利用が阻害されることのない社会にしたいと考えています。

更生支援に関する啓発活動

・研修会や講演会等を開催して、社会問題としての認識を広めることで問題の改善を図ります。
・ポスターやリーフレットを制作して、対象に刑務所の受刑者を含む啓発活動を行います。
・ホームページの開設などインターネットを利用した啓発活動を行います。


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資金の使い道

・印刷製本費:約150万円

・運送費:約50万円

・広報費:約50万円

・手数料:約42万円(GoodMorningの手数料 14%+税)


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最後に

私たちはこの啓発活動を開始して以来、多くの難しさを実感しています。

その多くは、『犯罪者なんか・・・』という偏見にあります。

障がいを抱えていても、そのことに気が付かずに『うまくコミュニケーションがとれない・・・』と、ひとりで思い悩み、社会から孤立して貧困に陥ってしまう。社会に用意されている福祉に繋がることさえ出来ていれば、犯罪には至らなかったという人が大勢います。

どうか、この活動の対象者の多くは 犯罪者 になる前には 被害者 であったケースが多いことにご理解を下さい。そして、罪は罪として償った人の、その後の人生に救いの手を差し伸べて頂きたいのです。

『犯罪者なんか無関係』と思われる方が大勢いると思いますが、決してそんなことはありません。

刑務所の運営費は税金です。受刑者ひとりにつき300万円の費用が使われている現状からも、皆さんに無関係ということはありません。もちろん、犯罪のない社会の実現は皆さんの安心した生活に繋がっています。

どうか、障がい者を犯罪から救う!プロジェクトが皆さんの生活と無関係ではないことに想像を巡らして頂き、ぜひご支援のほどをお願い致します。


2020年10月 インターネット広告の実施

2020年11月 クラウドファンディング終了

2021年2月 リターンの実施開始

2021年4月 受刑者向け情報誌に掲載

2021年5月 啓発用印刷物の制作

2021年6月 啓発用印刷物の発送


【お問い合わせ】
特定非営利活動法人Hatch hatch.npo@gmail.com

※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
  目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

※反社会的勢力からの支援は一切受け付けておりません。

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください