はじめに

 不登校や発達障害の子どもたちが、いろんな大人の見守る場で日中安心して遊べる環境をつくり、地域の人、親、学生、幼児などが絆を深め、学びあう土台をつくりたいと考えています。
 舞台となる楽ちん堂カフェは、俳優イッセー尾形の演出を長年手掛けてきた森田雄三氏が、自宅兼稽古場を改装し、「誰でも受け入れる」をモットーに2012年にオープンしたコミュニティカフェです。妻清子さんとともに、飲食の提供だけでなく自宅を解放し子供の宿泊つき預かりを始めました。民間総合福祉の家を目指し、中高生向け放課後等デイ事業や高齢者職域開拓モデル事業などを仲間とともに行ってきました。
 2018年に雄三氏が亡くなり、長年働いていたスタッフも離れる一方で、新しく楽ちん堂に出入りする人たちも増えてきました。その一つが地元で「多様な学びプロジェクト@せたがや」メンバーとして活動する「不登校や発達障害の子供とお母さん」たちです。この中にはホームスクーラーと称して積極的に学校以外で学ぶことを選択している人もいます。これら親子たちが「学校以外の場所」で健全に成長する舞台として「楽ちん堂」を活用したい、と女将・清子さんと母たちの思いが重なりました。

不登校の親子がつながり、学び合う場所をつくりたい~このプロジェクトで実現したいこと

 まずは「日中なかなか外に出づらい」「つながりたいのにつながれない」という孤独を抱えやすい不登校やホームスクーラーの親子が、人々とかかわり、生活を共にすることで「安心して過ごせる場」「楽しく遊べる場」をつくりたいと考えています。
 そして高齢者や障害を持った方など多種多様な人々とのかかわりや、演劇やダンスの制作・発表、「多様な学びプロジェクト@せたがや」など他組織とのコラボレーションで、哲学者の苫野一徳氏が提唱する「ごちゃまぜのラーニングセンター」を目指します。年齢や世代や障害のあるなしや国籍などを超えて、多様な人たちが学び合う場です。
 合わせて、子どものケアのために離れることが難しく、孤独を感じがちな不登校や発達障害の小学生のお母さんが子どもと一緒にくることでつながる互助の場を作り、ゆくゆくは就労にもつなげることを目指しています。不登校の子を抱えながらも仕事を続ける共働きやシングルマザーも支えます。

 上記の活動を充実すると共に、収益面で支える「お弁当ケータリング事業」を、2020年9月までに軌道に乗せたい(顧客開拓、仕組みづくり)と考えています。

<現在検討していること>
お弁当ケータリング事業
 現在行っているお弁当のケータリング事業の対象を拡大し、不登校のお母さんたちが担い手となり、近隣の小学校の長期休みの学童向けや夜の塾向けに栄養満点の手作りお弁当のケータリングの実施に向けて動きます。発注の仕組みを確立し、安定的に供給できるようにします。

●居場所の充実
 子どもと親が健康に過ごせるための環境整備を行います。安全を担保すると共に、「多様な学びプロジェクト@せたがや」と協力して、子どもにかかわる様々な経験を持った、親以外の協力者を増やします。

プロジェクトをやろうと思った理由

●まずは「居場所の存続」
 現在は、主に寄付と企業へのお昼のケータリングで運営している「楽ちん堂」です。現在、公的な助成を受けていないため、ギリギリのところで存続しています。また、運営するのはNPO法人ですが、経営や日々の運営をもうすぐ70歳の女将に、料理を80歳の独居マダムに全面的に頼っている状態です。安定的・継続的に収益基盤・オペレーション基盤を担保する必要があります。

●「居場所=職場」モデルを、同じく不登校に悩む全国の親子に知ってもらい広げたい
 不登校やホームスクーリングは、これといって決まった形がなく、また子どもの性格や状況によっても対応が異なるため、心理的に親(特に実際に付き添うことの多い母親)への負担が非常に大きく、孤立しがちです。また特に小学校低学年の場合は、母子分離不安などから親が仕事を辞めざるを得ない場合も多く、経済的にも大きく負担が増えます。フリースクールも距離や相性などの問題から、まだ誰もが選ぶ選択肢とはなっていません。
 「親と一緒に過ごせる、しかも友達と遊べ、親以外の大人とも関われる」しかも親の就労や社会参加につながる、同じような「居場所=職場」モデルを全国につくる実験台となりたいと考えています。


これまでの活動

「楽ちん堂」は地域に寄り添い、民間運営の「総合福祉の家」として活動してきました。
●2014年 高齢者職域開拓モデル事業「せめてしゅういち」発足
●2014年 放課後等デイサービス「イクツアルポック」開所(~2018年)
●2015年 ケータリング・デリバリー事業開始

資金の使い道

<ケータリング事業>
・市場調査費
・メニュー・パッケージ開発費
・広告宣伝費
・食材調達補助費

<居場所の充実>
・エアコン買い替え
・備品購入

残りは「楽ちん堂」が継続するための運転資金に充当させていただきます。

リターンについて

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

Gorron Project(定額制利用会員)への賛助をメインにご用意します。
Gorron Projectとは、いつでも来放題で、ぼーっとする、みんなでごはんを作る・食べる・本を読む・稽古する、自由に部屋の様に使えるサロン形式の利用スタイルです。サロンにある食べ物・飲み物(アルコールを除く)はご自由にどうぞ!(ごはんのお約束はできませんが、お昼のスタッフ賄いごはんがあるかも?持ち込み調理ももちろんokです。)



実施スケジュール

・2020年1~2月 調査・準備
・2020年3月「こども向け弁当ケータリング事業」開始

最後に

「ごちゃまぜのラーニングセンター」実現の場に立ち会いたい

 娘が小1の夏休み明けに「学校に行きたくない」「行くくらいなら死にたい」と言い出してから、会社員として20年近く働いた私は退職せざるをえなくなり、人生が一変しました。
 我が子は、どんな環境であれば健全に成長できるのだろうか。
 インターネットでひたすら情報収集し、いろんな人の話を聞き、それまで疑ったことのなかった学校以外の選択もあると知る中で、地元の「多様な学びプロジェクト@せたがや」として仲間に紹介されたのがこの楽ちん堂でした。
 親以外にも信頼できる大人が、話を聞いてくれる安心感。行けば友だちがいる楽しみ。しかも家から自転車で5分。「フリースクール」は、遠いし人が多いし…と行きたがらなかった娘に、毎日通いたい場所ができました。そして実は私が一番、新鮮な学びを楽しんでいるかも(笑)。
 まさに今、楽ちん堂は「ごちゃまぜのラーニングセンター」実践の場になりつつあると感じています。私自身もここで汗をかきながら、娘と共に成長していければと思います。
(多様な学びプロジェクト@せたがや/子育ての「再」デザインプロジェクト 馬場 藍子)

 
誰でもそう思いさえすれば誰かの必要な存在になれるのです

私、森田清子は23歳の時に出会った森田雄三と言う当時無名の演出家と45年間共に、イッセー尾形という稀有な才能の人の舞台活動をしていました。

3年前雄三が小脳溢血、続いて硬膜下血腫で8ヶ月の病院生活1年1ヶ月の、たった2人の居宅介護を体験して地域のみなさんお年寄りから幼児までみんなで、その死を見送りました。

それからさらにまた1年。
私の周りから去りゆく人も多くいましたが、ある日突然、近所の80歳のみちよさんが「あなたの後ろ姿を見たら助けずにはいられないじゃないの」と寄り添い、本日ただいまも2人で毎日30人分の弁当やケータリング、スタッフの賄いまでも作っています。

5ヶ月目を迎える今、ここ楽ちん堂を訪れるお客様の中に小学校低学年の学校に行けなくなりつつある子を抱えた保護者のお話を伺い、その子たちの数のおおさに驚きました。

7年前から始めている宿泊付き学童の子たちが中学生になり、週末はその子が彼らにご飯を作っている様子は、7年間の暴れん坊だった彼の成長を示し、森田雄三の死の末期の水を口に運んだ体験がどれほどのものだったのかを伝えます。

私たち楽ちん堂に集まる人々は、公的な支援の限界や縛りから解き放たれ、宗教にも近づかず民間経営でなければできないことを目指します。どんなに高額な教育、老人施設にもない、どの人の希望も剥ぎ取らない、穏やかな空間づくりを目指します。

ぜひぜひ見守って下さい。助けて下さい。

(楽ちん堂カフェ 女将/特定非営利活動法人ら・ら・ら 理事長 森田 清子)

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