はじめに・ご挨拶

熊本県を流れる緑川のずっと上流、甲佐町宮内地区。人口400人ほどの農山村地域です。

今から3年前、平成26年4月の熊本地震はうちの集落でも大きな爪痕を残し、地震の片付けと同時に一大行事である田植えを終えた直後、6月21日深夜、1時間150mmという記録的な豪雨に見舞われました。集落は至る所で土砂崩れ、家屋や農地、農機具も流されるなど酷い有様でしたが、その際にこちらのCAMPFIREで全国97名の皆さんから暖かいご支援を頂き、自分達で復旧できる範囲の道路や農地の復旧を進めているところです。 

(3年前の豪雨災害時の様子)
当時ご支援頂いたプロジェクト:「農機具を取り戻し、集落を自分たちで取り戻します」/熊本地震は全国的な報道がありましたが、その後の豪雨災害については、山奥の小さな集落での出来事であり、また報道機関も当時はうちの集落までたどり着けなかったこともあり、県内でも知らない人が居るのが現状です。


このプロジェクトで実現したいこと
「元の生活を取り戻す」を超えて「未来の営みをつくりだす」 

災害から3年がたちますが、現在でも集落の至る所で災害復旧工事が進められており、主要道の一部でも来年まで全面交通止めが続く見通しです。また、林道や谷川など緊急性の低い箇所の災害復旧はまだまだこれからであり、今後の災害にも大きな不安がある状況です。それでも、少しずつですが元の生活に近づきつつあります。


しかし、災害から元の生活を取り戻すだけでいいのか。


うちの集落はもともとは林業や農業で栄えた場所で、昭和の終わり頃には約1,000人居た人口も、今では半分以下となり、その多くは高齢者です。山間で手間のかかる農地が多く、また、日当たりの悪い農地などは人口の減少に伴い耕作断念地(使われれない農地)となっていました。そんな山奥の集落に訪れた大きな災害。これが集落の衰退や里山での農村風景を失うことに繋がらないよう、この災害をきっかけとして、未来へ向けたプロジェクトとして、被災農地や耕作放棄地に山椒を植えようと思います。


プロジェクトをやろうと思った理由

「どうせ田畑も家も流されて更地になったけんが何か新しかことでもしてみたかな」


3年前に皆さんから大きなご支援を頂き、道具を取り戻し、みんなでわいわいと復旧作業を進めるなかで、集落にもともとあった山椒の栽培を増やしたらどうか?という案をみんなで話し合いました。

うちは熊本県を貫流する緑川の上流部に位置し、昔からうなぎを獲ったり、筍の産地でもあったので木の芽和えに山椒を使ったり、と、山椒は日常的に使用される作物だったので、庭や畑の片隅に山椒を植えている家も少なくありません。



また、本プロシェクトで山椒を植える利点に以下のようなものがあります。

①もともとあったものを活かす
上述のように、うちの集落にはもともと山椒が数多く栽培されていました。売りたいのは山椒ではなく、日常的に山や川、田畑を利用する集落にもともとあった風景です。山椒がそのきっかけになればと思います。

②災害からの復旧
災害復旧工事を進めるなかで農地復旧も進んでいますが、大型の重機を入れて踏み固めた農地は形だけ元に戻っても、畑として使用できるような状況ではないのが現状です。また、日当たりの悪い山裾の農地などは今後も耕作断念地として残ってしまう恐れがあります。しかし、山椒であれば通常は利用できないような農地や半日陰の場所でも適作となり、集落全ての耕作断念地、被災農地が利用可能となります。

③山奥には手間と暇がある
現在、山椒は和歌山県が国内生産量の約 8割を占め、和洋中を問わず様々な料理に利用できる事から需要は増加傾向にあります。課題として手作業での収穫となるので、人手がかかることが挙げられますが、任せて下さい。手間と暇を持て余した爺さん婆さん、無数に居ます。やる気満々で待ち構えております(笑

④鳥獣害への対策
全国的にどこの農村部も同じですが、うちの集落も猪、鹿、猿といった鳥獣害は沢山あります。例えば栗や柿を植えても新芽を食べてしまったり、農地を荒らしたり、被害は増える一方ですが、山椒は猪、鹿、猿の被害は比較的少ない作物のため、今後の鳥獣害対策として有効な作物といえます。


このプロジェクトに向けて、集落では何度も集まって話し合いを重ね、近隣の山椒栽培地への視察を行ったり、被災農地や耕作放棄地の調査を進めてまいりました。

(みんなで山椒栽培の視察に行って来ました)

その中で、災害をきっかけにした山椒栽培による被災農地や耕作放棄地の利用に大きな可能性があり、本プロジェクトに取り組むことを決定した次第です。

…なぜチョコレートなのか。山椒の佃煮くらいならちょっとした田舎に行けばあるじゃないですか。もちろんうちの集落にも。なので、山椒の香りのするチョコレートをつくりたい。爺さん婆さんが孫に送って、孫がびっくりするような山奥の贈り物。...という夢です。そのために、まず第一歩として、山椒を植える。 

とはいえ、うちの集落にはチョコレートをつくる施設も技術もありませんので、もし、これをご覧のショコラティエの方がいらっしゃれば一緒にプロジェクトを進めて頂ければ幸いです。

災害を契機として、孫の代までわくわく出来るようなプロジェクトになりますよう、被災農地や耕作放棄地が皆さんのご支援で無くなりますよう、ご支援の程宜しくお願い申し上げます。


これまでの活動

集落でお百姓さんやら猟師やっております。
HPよりうちの集落の普段の様子をご覧頂けます。
甲佐宮内 ボシドラ農園
http://boshidora.com/


資金の使い道

現在、集落内で山椒の栽培が可能な耕作断念地、被災農地が合わせて8反あり、必要な山椒苗木の本数は約800本となります。県の産地づくり事業(1/3補助)に申し込む他、集落のみんなで自己資金を出し合いますが、それでも足りない部分について、本クラウドファンディンングでご支援をお願い致します。


リターンについて

集落で漬けた梅干しや漬物、野菜や米など地元の農産品をお送りさせて頂きます。なお、現在、集落の道路で一部全面通行止めが続いており、また、災害復旧活動の作業も続いているため、リターンの品をお送りするまでにお時間を頂戴する場合もありますので、ご了承下さい。


実施スケジュール

現在       農地復旧作業・植付農地の準備
~11月末   クラウドファンディングの実施
12月~    山椒栽培に関する勉強会の開催
リターン品発送の開始
令和2年2月 山椒の植付


最後に

今は爺さん婆さんばかりで、災害にやられっぱなしの集落ですが、3年前の大きな災害が、この小さな集落が変わるきっかけとなりますよう。重ねてのお願いで大変恐縮ですが、皆様方の応援を頂戴できれば幸いです。


※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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