私たちは兄弟でデザイン制作をするデザインユニットです。普段はクリエイターやアーティスト個人から中小企業までの印刷物やWEBサイトなどのデザインを受託しています。その傍らで、自社のオリジナルとしてデスクトップまわりの文房具を中心に、企画・製造・卸もしています。

文房具のなかで、俳句や川柳の五・七・五、短歌の五・七・五・七・ 七という古来より続く日本の定型詩から、現代文法とも言える「Twitter」の制限文字数(140字)まで対応したオリジナルの原稿用紙フォーマットを用いた『原稿文具』シリーズがあります。メモ帳やポストカード、レポートパッド、カレンダーなど様々な種類を展開しています。




今回制作するベースは、原稿文具のうち「MEMO-GEN」になります。普段づかいのメモ帳のほか、一筆箋としてもお使いいただけるようにしたものです。これを、私たち兄弟の出身県でもある茨城県の西ノ内地域でのみ作られる「西ノ内和紙」という手漉き和紙を用いて制作したいと考えています。

伝統的な手漉き和紙に印刷することで、昔懐かしい独特な「原稿用紙」というフォーマットをより強く(日本のみならず海外にも)打ちだせるのではないかと考えています。

西ノ内和紙

2016年に、私たちはバイヤー向け展示会「Interier Life Tokyo」に出展し、いくつかの文房具の新作プロトタイプを発表しました。そのなかで、「MEMO-GEN」の和紙バージョンも発表しています。その際には、越前の人間国宝による手漉き和紙を使用しました。原料となる楮も100%でまじりっ気なく、和紙の端につく耳(と呼ばれるもの)も繊細で、良いものをお見せすることが出来たと思います。

ただ、昨年ごろから定期的に郷里に帰る中で、地元のものでものづくりができないか考えるようになり、その中でプロトタイプとして発表していた「MEMO-GEN WASHI」も茨城産ででもできないかと考えた次第です。

実は、越前をはじめとして和紙で多く使われている原料の那須楮は茨城県北地域産が多いようです。楮自体は変わらないにも関わらず、大きく違うのは仕上がりかと思います。越前や美濃の和紙は文字がすっきり綺麗に書けるように非常に繊細にできています。一方で西ノ内和紙は、水に入れても溶けないなどの強度・堅牢性に長けています。江戸時代には呉服屋の大福帳などに重宝され、火事の時には井戸に投げ入れても無事だったなどの逸話もあります。

今回使用する西ノ内和紙は、西ノ内に現存する2つの工房のうちの1つ「紙のさと」さんにお願いしたいと考えています。こちらでは工房脇の畑などで那須楮を自家栽培し、原料づくりから和紙にするまでを自然の力を使いながらされています。家族で経営もされており、私たち兄弟でのものづくりともリンクするのではないかと思ったところもあります。

和紙:西ノ内紙 紙のさとhttp://www.kaminosato.com


また、和紙への箔押しは、いつもお世話になっている「コスモテック」さんにお願いします。箔押しで困ったことがあった時は、ここに相談すれば間違いのない匠の技をもつ箔押し加工工房です。プロトタイプも、コスモテック現場リーダーの前田さんの確かな技術で美しく仕上げていただいています。

箔押し加工:コスモテックblog note

桐箱は製作いただけるところを選定中です。印籠式か新印籠式の箱を予定しています。


MEMO-GEN WASHI

1枚 約175mm×58mm
つや消し金/つや消し銀
原稿用紙を金の箔押しした桐箱(中国桐予定)入り

※和紙表面には「こんにゃく糊」を塗布し、万年筆や筆などでも書きやすいようにします。
※箔押し罫線部分は、種類によってインクや墨がのらない場合があります。
※和紙は1枚1枚が手ちぎりでの加工になります。耳の出方やサイズには個体差があります。
※写真のものは越前和紙によるサンプルです。実際の西ノ内和紙のものとはイメージが異なります。

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本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も計画を実行し、リターンをお届けします。

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