はじめに・ご挨拶

一般社団法人ヤマノカゼ舎は、山の精神文化や里山資源の利用方法を世代を超えて受け継いでいくことを目的に2017年に設立され、その活動拠点として、築110年の古民家を取得して「星降る古民家」と名付けました。


岐阜県西濃地方の揖斐川上流域の魅力の基礎は、東西南北の気候の交差点にあたることから生物文化の多様性に富むこと。この多様性を巧みに利用してきた伝統文化の象徴が「山の保存食」であり、かつての飢餓への備蓄食から、今では健康食・オーガニックフードとして注目されています。


ヤマノカゼ舎は、この保存食をテーマにしたカフェを開業することで、過疎に悩む集落に人を呼び込み、高齢者や若者が活躍する場を作り、山の食文化を発信していきたいと考えています。揖斐川上流域の旧5村(藤橋、坂内、春日、久瀬、谷汲)には都会では味わえないが魅力いっぱい。都会から移住して新しい生き方・働き方を実践する若者も増え始めています。


先人から受け継がれてきた保存食文化を古老の知恵と若者のアイデアを掛け合わせてカフェメニューとして創り直し、皆さんと分かち合いたいのです!古民家拠点は確保し、先人の知恵調査や若者との連携もできつつあります。あと足りないのは開業に向けた資金(改修費とメニュー開発費)です。ぜひ2019年秋の「山の保存食カフェ」開業に向けて皆さんのお力をお貸しください! 


保存食×星降る古民家・・・魅力あふれる古民家カフェ

このプロジェクトで実現したいこと


保存食メニューの準備と提供

 揖斐川上流域の豊かな食材(山菜、きのこ、果実、薬草、川魚、獣肉など)を使い、先人の知恵を受け継ぎながら季節ごとに保存食の技を習得していきます。その中でスタッフを育成し、メニュー開発をします。それらの保存食を提供することで、その素晴らしさを体感・体験していただきます。

揖斐川の伝統的な保存食づくりを学ぶ地域の交流の場づくり 

 山の保存食を通じて、地域の人たちとの交流の場を実現していきます。交流を通じて、地域の人たちにも引き継がれてきた知恵の素晴らしさを再発見していただきます。お客様には、古民家でゆったり過ごしながら、山の暮らしの時間に触れていただきたいと思います。
保存食づくりはみんなでやると楽しい

揖斐川上流域の魅力の体感

 揖斐川上流域の豊かな生物多様性とそれに基づく伝統文化・産業などを、山の保存食カフェで体験していただくにとどまらず、各種体験プログラムなどで(リターン、最後にの項参照)、多様・多彩な魅力を体感・体験していただきます。
旧徳山村のブナ林に分け入る

「暮らしなおし」のきっかけづくり

 保存食づくりには、モノにあふれる現代生活で忘れられがちな、手間暇をかける暮らし方、共同で作業する楽しさがあります。そこを入り口に日常生活をちょっとだけ見直し・手直しする「暮らしなおし」のきっかけを提供していきます。自宅で日常使いで実践できる「暮らしなおし」のヒントを皆で広めていきましょう。


保存食づくりは暮らしなおしの入り口

私たちの地域のご紹介

 揖斐川は岐阜県と福井県の県境・冠山に源をとり、岐阜県西南部を南下して、三重県桑名市で伊勢湾に注ぎます。その揖斐川の最上流に位置する人口約2万1千人の岐阜県揖斐郡揖斐川町にヤマノカゼ舎の星降る古民家があります。


プロジェクトを立ち上げた背景
「食暦」の座標軸で地域を知る・世界と繋がる

 <>研究工房の林のり子さんが制作されたブナ帯文化の「食暦」(宮城県中新田町,1992他)の教えによれば、地域の食材・料理・年中行事などは、長い歴史の中で外部から移入され、毎年の暦に定着してきた暮らしの形です。一方で地球上の同緯度の気候帯では植生や食文化に共通点が多く、日本では珍しい食材や料理法も相互に交換がしやすいものが多くあります。


 保存食カフェを開業するにあたり、地域の時間と空間の座標軸を「食暦」として整理することで、まずは世代を超えて地域を知ると同時に、海外と繋がる視点をもって交流を展開していきたいと考えています。


新しい流域循環のかたちを創造する

 かつて揖斐川上流域の保存食や森林資源は、上流域で食され利用されることはもとより、水運などを介して揖斐川中下流域にも流通していました。一方で、中下流域の物も上流域までもたらされ、流域内の循環が豊かな流域を形成してきました。そこには多くの“暮らしなおし”のヒントがあります。

 流通網が転換した現代でも、上下流の連携は防災面や水資源利用の面で重要であるばかりでなく、文化資源の再生や流域単位の地産地消を進めていくことが新しい時代の流域循環を創造していく上で重要なことだと考えています。


持続可能な集落づくりに貢献する

 星降る古民家のある揖斐川町北方7区(反原集落)も全国の山村集落と同じく、過疎・高齢化が進行しています(戸数26、人口84人、高齢化率45%)。自治会活動や共同作業はしっかり行われているものの、地域の生活暦や里山・耕作地の管理がだんだん縮小しつつあり、保存食などの伝統文化の継承者もほとんどいない状況です。

 ヤマノカゼ舎が保有する星降る古民家を拠点に保存食カフェを開業し、揖斐川上流域の保存食の豊かさを多くの人に楽しんでいただきながら、関係人口を増やし、高齢者や若者の就労の場づくりをすることで、文化のバトンを受け継いでいきたいと考えています。


これまでの活動
ヤマノカゼ舎ではこれまで次のような活動を行ってきました。 

1.保存食の調査と試作ワークショップ

 2017年から「星降る古民家」のある反原集落を中心に揖斐川町内で、保存食の食材とレシピの調査をスタートし、同年11月に地域の女性たちを先生に7種類の保存食メニューを試作・試食するワークショップを行いました。2018年には里山SUNDAYSという月例クラブ活動の中で、お昼ご飯に必ず保存食メニューを入れて皆で作って楽しんできました(10回実施)。20191月には「旧徳山村の冬の暮らしと保存食」をテーマに特別講座を開催し、皆で保存食の調理実習と自給自足的な山の暮らしにお話を伺いました。

揖斐川の保存食ノート(2017私家版)


2.里山インキュベーターいびがわ

 2016年から3年連続で、農山村の3大遊休資源(古民家、耕作放棄地、放置山林)などを活用して起業したい方を対象に支援講座を実施してきました。揖斐川流域ですでに移住・起業した先人の暮らしや生業の営み方を訪ねる中で起業のあり方の多様性を学び、自分のアイデアを起業プランとして表現し・そのニーズを社会調査し・最後に地域の方々とマッチングする発表会という流れで展開し、これまで10人の起業家の卵が生まれました。


里山インキュベーターいびがわチラシ

. 里山SUNDAYS

 2018年春からスタート。毎月第2日曜日(原則)に「星降る古民家」に集まって、野良仕事(里山整備や農作業)、古民家の手入れ(と改修)、保存食を用いた昼ご飯づくりを楽しむ週末の里山クラブ活動です(単発参加からどなたでもどうぞ)。ゆるい活動の中で、田舎暮らしを志向する人々のコミュニティが生まれ、暮らしの技術や人間関係(地域の作法)も体験的に学んでいく活動を続けています。


里山SUNDAYSチラシ


資金の使い道・実施スケジュール

「山の保存食カフェ」のキッチン改修費とスタッフ研修費に使います

☆キッチンの改修と厨房設備の購入
古民家「保存食カフェ」厨房設備イメージ


☆カフェ空間の家具類・食器を購入

保存食を盛り付ける木製の手作り食器イメージ

☆地域の人から保存食の知恵を学ぶスタッフ育成研修
お試しワークショップでは教える側学ぶ側みんなが笑顔でした


▽実施スケジュール


20195月~7月 クラウドファンディング実施


2019年7月~2020年3月 “保存食カフェ”スタッフ養成&古民家改修


2020年4月 “保存食カフェ”開店


最後に

 揖斐川上流域は実に多彩な魅力に富んだところです。そしてその魅力が、今まさに消えつつあります。我々の活動をご支援いただくとともに、これをご縁に「星降る古民家」にもぜひ遊びに来て下さい。そしてその魅力を一緒に満喫しましょう。


 このプロジェクトを通じて、一人でも揖斐川上流域のファンが増えていくことを期待しています。


 揖斐川上流域のカゼを感じて・カゼを受け止めてください!



<All-in方式の場合>

本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。

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