はじめまして!生まれも育ちも三陸大船渡の小さな漁村「崎浜」の漁師、山﨑太樹です。

(左から、漁師仲間の川畑和稔、山﨑太樹(本人)、中野圭)

崎浜では周りの漁村と同様、ホタテやワカメの養殖が盛んで、相当儲かった時代もあったと年配の漁師の方からよく聞かされます。

しかし、昨今は震災の問題や貝毒の発生による出荷停止などが相次ぎ、漁師という職業自体が、安定的に収入を得られる時代ではなくなってきているという実感があります。

これからどうすれば良いか、年の近い漁師たちと日夜議論する中で、価値が無いものと見なされて、市場に出回らない水産物の商品化を中心に、崎浜自体をブランディングして活性化していこう!という結論に至りました。

例えば、ワカメ養殖でいえば、本格的な収穫を前に間引きされるワカメがあります。若い芽の段階で間引きされたワカメは、漁師の自家消費もむなしく、大半が廃棄されてしまっています。

通常、皆さんの食卓に並ぶのワカメが「歯ごたえがあり、丈も150センチ以上とサイズも大きく加工に適している」のに対し、間引きされるワカメは「適度な柔らかさでシャキシャキとし、磯の香りが高く、40センチほどのサイズで」刺身ワカメやサラダ、しゃぶしゃぶに適しています。

これを廃棄せずに商品として流通させたいと思ったことが、今回のプロジェクトのはじまりです。

「社会の中で居場所がない、でも実は良いやつ」というヤンキーと、市場に出回らない間引きワカメなどの水産物とがイメージとして重なったことから、思い切って「崎浜ヤンキーブランド」と命名し、幼馴染で漁師仲間の中野圭や川畑和稔と一緒に、ブランド化に向けた取り組みをスタートしました。

【日本の漁業における問題点の解消と、若手漁師の地位向上】

 日本の漁業養殖率は海外平均に比べて極めて低く、漁業自体が安定的な需給環境に置かれていません。

そのため、中間信用組織(漁業協同組合等)の役割が非常に重要ですが、一方で、依存しすぎていることへの怖さもあります。

本プロジェクトでは、漁師がダイレクトに消費者とつながる仕組みを構築し、中間信用組織への依存度を低減させつつ、強い地域漁業の確立につなげたいです。

三陸の小さな漁業集落での若手によるこのような取り組みは、全国で漁業に取り組む若手漁家や漁業従事者の励みと同種の取り組みの萌芽につながると考えています!

【低・未利用資源の活用促進】

本プロジェクトで商品化・販売する水産資源は、いずれも漁協を経由した既存出荷ルートでは取り扱われない「無価物」と見なされる物が中心です。当該資源が無価物である理由は、品質や食味の問題ではなく、中間作業等の煩雑さと取引金額とを比較した場合に、廃棄する方が効率的だと考えられるためです。

間引きワカメを取っても、一番美味しい成長段階のワカメであるため、品質は通常出荷される養殖ワカメに劣らないものなのです。そのような無価物に価値を与え、残渣を無くしつつ、利活用を図ることは、漁業の効率性と安全性の担保という視点からも重要だと考えています。

(ワカメの間引きの様子)

今回のプロジェクトの趣旨は、単なる商品販売ではなく、具体の交流につなげることです。

贔屓にしている商品が「どこ」で「どんな人」に「どのような手段」でつくられているのかを見てもらいながら、地域を知り、地域の人とふれあうツーリズム機会の創出や、漁師による都市部への販路開拓・販売促進イベントなどを通じた交流のあり方を実践的に検証し、都会と田舎の新しい関係構築につなげたいと考えています。

食の安全や生産文化などに対しての消費者の関心が高まっている中で、単に商品を販売するだけでなく、上記のように食をテーマとした交流を促すことは、消費者が水産業との新しい関わり方を知り、生産者と消費者、双方の意識を高めることにも繋がります。

なぜ、交流により生産者と消費者の意識を高めることが必要なのか?ー そう聞かれるかもしれません。生産者の立場からすれば、「価値主義社会(より質の高いものが選ばれる社会)」である都会に向け、ものの価値を五感で伝える術を会得する機会を重ねることで、自分たちを含む、三陸の生産者によって水揚げされる海の幸を「選ばれる存在」にしていきたいという純粋な思いがあります。また、そもそも、漁獲や養殖を行う上で、リアルで交流している消費者の顔が浮かべば「日本の食卓を支えている」という自覚が強くなり、より高品質で付加価値の高いものを生み出していこうと努力する気運が高まると考えます。

一方、消費者の立場からしても、生産者の人間性や日常を知ることにより、どこの誰がどんな環境で作っているかわからない大量生産品よりも、顔の見える相手が生み出すものには愛着や安心感をおぼえるようになるでしょうし、他のあらゆる食品に対しても、同種の意識を持つことが、大量生産=大量消費+大量廃棄という現代社会の抱える問題の緩和、あるいは改善に繋がると考えています。

(東京での交流イベントにおける崎浜若手漁師たちの崎浜ヤンキーブランド紹介プレゼンの様子)

2017年12月より、岩手県大船渡市崎浜地区出身・在住の漁師等が中心となり、人口減少の著しい同地区の活性化を目的に「崎浜ヤンキーブランド」として、間引きワカメの商品化等の取り組みをスタートしました。1年間の取り組みの中で、商品化と実際に消費者への直接販売を行ったのは、ワカメ、メカブ、ウニの3品目です。

(左から、ヤンキーワカメ、ヤンキーメガブ(メカブ)、ヤンキーカゼ(ウニ))

販売に合わせて、都内の飲食店に若手漁師が赴き、首都圏の消費者に三陸の今と旬の味覚などを伝える交流イベントを4回開催しました。生産者である漁師と直接触れ合える機会を設けたことで、生産されるもののストーリーを聞いたり、トレーサビリティを意識する機会になったり、生産現場と食卓との距離が近づいたことで、参加者からも好評でした。

上記のイベントを経て、東京側にも崎浜ヤンキーブランド応援団が発足するに至りました。

(崎浜ヤンキーブランド応援団と崎浜の若手漁師) 

2019年は上記の取り組みをさらに加速させ、崎浜地区のPRと商品化と販路拡大、都市部住民との往来による具体の交流創出につなげ、「若手漁師の地位を向上すること」「資源の有効活用へつなげること」「都市部住民や次世代に対して漁師という職業の魅力を伝えること」を目指します!

今回のプロジェクトで皆様から頂くご支援は下記のものに使わせて頂く予定です。

・商品開発研究費:70万円(原材料25万円/梱包資材20万円/成分分析 25万円)

・デザイン及びPR費:30万円(トータルデザイン料20万円/販促物制作10万円)

・交流イベント開催費:50万円(都市部開催)

自分たち漁師が、自信を持ってお勧めする海の幸を用意しました。

ワカメの塩蔵品や、崎浜海産詰め合わせなど、ぜひとも召し上がっていただきたいです。また、東京で開催する漁師との交流イベントや現地・崎浜で山海の幸や自然の魅力などを体験するイベントなど、参加型のリターンも計画しております。

この機会にぜひとも漁師と交流し、崎浜の美味しい海の幸を味わって頂きたいと思います。

なお、現時点で想定している交流イベントは下記の通りです。

①都市部での交流イベント

a)京都開催

開催時期:本年10月26日

開催場所:京都市内の飲食店を予定しています

※現地往復交通費はパトロンさまのご負担でお願い致します

b)東京開催

開催時期:本年8月中旬から9月下旬(日程調整中)、あるいは12月14日

開催場所:23区内の飲食店を予定しています

※現地往復交通費はパトロンさまのご負担でお願い致します

②現地・崎浜での体験・交流イベント

開催時期:第1回は本年7月13日、14日(以降、パトロンさまの参加意向に合わせて、逐次実施します)

開催場所:崎浜地区内(漁港と漁師宅、その他複数会場間を移動します)

※現地往復交通費はパトロンさまのご負担でお願い致します。地域内での移動に関しては、実行者側で負担します

※開催当日は崎浜の漁師宅への宿泊体験をして頂きますので、宿泊先の手配は不要です(前入り、後泊はパトロンさまの方でご手配願います)

3月上旬〜3月下旬:崎浜ヤンキーメカブのテスト販売

4月上旬〜4月下旬:通年スケジュールの策定

4月20日:東京都内での交流イベント

3月下旬〜5月上旬:クラウドファンディング募集期間

4月中旬〜5月下旬:デザインと包装方法の確定と製作

7月13日、14日:第1回崎浜魅力体験イベントの現地開催

8月中旬〜9月下旬:東京都内での交流イベント(日程調整中)

10月26日:京都府内での交流イベント

12月14日:東京都内での交流イベント

皆さんは、どんな時に「幸せ」を感じますか?

俺は浜から船で出て、成長した「海の恵み」を目にする時です。

ワカメもメカブもウニも、全ての水産物が俺にとって掛け替えのない存在です。

だからこそ、皆さんにもっと知って頂きたいですし、時にはつくられている場所や、つくっている人に対して想像を巡らせてもらえるように、こらからも努力していきたいと思います。

応援宜しくお願い致します!


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本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。


このプロジェクトは、東日本大震災からの復興につながるクラウドファンディングをサポートする「復興庁クラウドファンディング支援事業」の対象プロジェクトです。

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