みなさん、こんにちは。三鷹市新川にある空き家をリノベーションして「地域の第2のおうち」に作り変えるプロジェクトに取り組んでいるカノンです!



わたしは現在、保育園と認知症デイサービスと地域の寄り合い所を一つ屋根の下で同時に運営しているNPO法人で保育士をしています。


去年の夏から「より多くの人に赤ちゃんからお年寄りまで血縁関係なく支え合える暮らしを届けたい!」という想いで、職場以外でも活動を始めました。



今回は、三鷹市新川4丁目にある一軒の空き家を地域に開放するため、クラウドファンディングに挑戦します。


皆さんにリノベーション資金をご協力いただきつつ、一緒に作っていく仲間にもなっていただきたいと考えております。ご支援どうぞよろしくお願いします!



わたしは生粋のおばあちゃんっ子です。

おばあちゃんおじいちゃんに愛されて育ちました。

だから認知症や虐待・孤立などの問題に対して自分も何かしたいと福祉の道を選びました。


 


しかし高齢者の福祉を守っているはずの高齢者デイサービス等に行ったとき、「ここにいるなら、早く死んでしまいたい」と、多くの人からその様な声を聞きました。


わたしはその言葉を聞いて、人生長いあいだ懸命に生きてきたのに、最後の最後で報われないなんて、そんな世の中おかしい、と違和感を覚えました。



そんな違和感を抱え、どうしたらいいのかと悩んでいたある日、アルバイトをしていたデイサービス先に、利用者さんの0歳のお孫さんがお母さんに連れられて遊びに来ました。



今でもあの時の光景は忘れられません。


普段は認知症の症状により発話がほとんどない一人のおばあちゃんが、その赤ちゃんの姿を見て、とても穏やかな表情で懸命に口を動かし、赤ちゃんに笑みを送ったのです。



反対に赤ちゃんを見ると、赤ちゃんも笑顔でおばあちゃんに手を伸ばしていました。二人とも言葉を発することはなかったけれど、意識し合っていることが分かりました。


そしてその双方の表情を見て、


“もしかしたら赤ちゃんもお年寄りも
年齢・血縁関係なく寄り添う暮らしがあれば、
人はいくつになっても、生きるエネルギーが湧いて笑顔で暮らせるのかもしれない”



と思うようになりました。


そこで、赤ちゃんからお年寄りまでが集い、地域みんなで互いを見守りあえる暮らしの拠点をつくりたいと考えるようになりました。





築50年の一軒の空き家。2階建てで立派な杏子の木が生えるお庭があるこの家が、今回のプロジェクトの拠点となるお家です。


このお家はオーナーの中島さんの名前を取って「中島邸」とよばれていました。



オーナー中島さん

増え続けている空き家は防災性・安全性などの側面から、大きな社会問題のひとつです。中島さんのお母さまが最近まで住まわれていた中島邸も、お母さまが亡くなられ空き家となってしまいました。しかし、


“ 取り壊すのも一つの方法。
この場所が地域にとってプラスになる使い方ができるのであれば、それが一番


そんな中島さんの想いは、地域で多世代が集う拠点をつくりたいという私の想いと合致しました。中島邸をまちの「余白」と捉えて、まちに住まう人たちの暮らしを豊かにしよう!とこのプロジェクトが始動しました。



中島邸があるまちは三鷹市の新川地区。この周辺は、中世から近世にかけての住宅跡が多く発見されており、古くから人々が住み続けているまちです。


近くには仙川が流れ、住民の力で復活した丸池公園もあり、都心に近いながらも住環境と調和した、豊かな水や緑の資源があるまちでもあります。



昭和になると、現在のUR都市機構(元日本住宅公団)の集合住宅の建設や京王住宅による戸建て住宅の分譲が進み、三鷹市の中でも有数の住宅地となりました。


中島邸周辺エリアは、第一種低層住宅専用地域(基本、低層の住宅しか建てられない地域)であり、住宅地としての落ち着いた環境が保たれています。



しかし、閑静な住宅街としての環境が保たれている一方、分譲住宅に昔から住まわれている方々がそのままその場所に住み続け、このようなエリアは高齢化が進んでいます。


中島邸周辺も人口の約3割が65歳以上の高齢者であり、三鷹市の中では、高齢化が進展しているエリアとなっています。



近隣の商店街も人通りが少なく、歩いている人を見ると、多くの方が高齢者であり、病院や薬局に向かう高齢者が目立ちます。



また、このエリアにおいては昔から住まわれている方々で、自治会組織が作られています。しかし、自治会も高齢化が進み、新しく入ってきた住民との融合が上手くいかず、コミュニティは希薄化してきています。


これはここだけに限らず、どこの地域にもあてはまることかもしれません。



高齢化やコミュニティの希薄化が進むと、懸念されるのは「孤独死」などの問題です。


先にもお話ししたとおり、私は高齢者デイサービスという手段によらず、高齢者と地域がつながりながら互いの目で見守り、人間らしく生きられる環境が必要だと感じています。



さらに、エリアから都市全体に視点を広げると、三鷹市の大きな課題の一つとして謳われているのが「待機児童問題」です。


待機児童数は、東京都福祉保健局が発表した平成30年4月1日時点のデータで、都内ワースト8位の190人。前年から80人の減少ですが、まだまだ待機児童数は多いです。



今回のプロジェクトでは、単純に空き家を活用することだけが目的ではありません。

 

・進展する高齢化による孤独死などの懸念

・コミュニティの希薄化

・依然として多い待機児童

 

これらのまち、またエリアの課題を、「中島邸」を新しい使い方をすることで少しでも解決につなげていきたい、また、空き家単位(点)ではなく、まち単位(面)で変化を起こしていけないか、と考えています。

 


私は先にもお話ししたとおり、豊かな暮らしとは「年齢・血縁関係なく寄り添う暮らし」であり、先にお話しした課題は、この暮らしの実現によって解決していけるのではないかと思っています。



空き家はまちの余白。


色の付け方次第、つまり使い方次第でまちを豊かに変える可能性を持っています。


どうしたら誰でも集まれる、開かれたリビングのようなお家になるのか、そこで何をしていくべきなのかを模索するため、私たちは、ひとまず中島邸を地域に開いてみよう!と空き家活用プロジェクト「アキヤカフェ@三鷹」を実験的に開始しました。



アキヤカフェでは、オープンハウスも兼ねて空き家を開き、ホームパーティーで繋がるきっかけを提供してみたり、三鷹の地場野菜を使った料理教室や、ヨガ教室などの実験プログラムも実施。


これまで近所にお住まいの方や「空き家」というキーワードに興味がある方、またその活用に興味がある方と一緒に、空き家が持つ可能性を探ってきました。


 




空き家を開くと色んな人が集まり、色んな活用のアイディアが出てきました。そして実験プログラムを通して、自分のやりたいことを、当事者として関わってくれる人も出てきました。


アキヤカフェを進めていく中で私たちが感じたことは、この地域には色んなことができる色んな人が沢山住んでいる、ということです。 でも、聞けば地域での関わりはほとんどなく、地域との繋がりは薄かったようです。


このまちには住んでいるけど、暮らしてはいない。




そこで、2019年からはプロジェクトのコンセプトと目的を『中島邸周辺エリアを「暮らす」まちとして編集すること』と設定しました。


このまちに住んでいる人が、年齢や血縁関係なく自分のやりたいことを通じて繋がり、縁が広がる。この場所に来れば、誰かいる、何かある。そんなきっかけや環境をこの場所で提供できれば、このまちに住んでいる人の暮らしが豊かになるはず。


私たちは、多世代が集い、新しい縁が生まれる場の意味を込め、中島邸を【えんがわ家】と名付けました。


 


そして、えんがわ家を、年齢、血縁、性別問わず、様々な人が集まる地域の第2の家、多世代シェアハウス兼コミュニティプレイスとして運営しながら地域に開放することに決めました。




えんがわ家全体は、えんがわ家を通して地域みんなで支え合う暮らしをつくりたいという想いを持つシェアメイトが住むシェアハウスです。シェアメイトが暮らしながら、1階部分をコモンスペースとして開放します。


①1階の和室は、コミュニティプレイスの中心として、一時保育や地域住民の憩う場になります。休日は様々な方が利用できるイベントスペースとして開放します。


②キッチンやリビングはシェアメイトの同意に基づき、シェアキッチン・シェアリビングとして料理教室やコワーキングスペースとして地域住民にも開放していきます。






③外側を囲んでいる塀を取り除き、縁側やオープンデッキ、ウッドデッキなどを設けることで、外側の空間と内側の空間との境界をなるべく薄くします。内部空間が外に滲み出していくつくりにすることで、それが外部との境界線を薄め、コミュニティづくりにつながっていくと思っているからです。


また、このえんがわ家があるエリアは第一種低層住居専用地域で、最も建物の用途制限が強い地域です。法的にいわゆる「閑静な住環境」が担保されています。その中で、このように内部と外部の境界線を取っ払い、このような構想を実現していくことは、大きな挑戦です。


実際にえんがわ家に関わっていただいている方や地域の方からの共感を得られていることからも、このプロジェクトは三鷹市内だけでなく、全国の住宅街にとっても大きな意味を持つものなのではないか、と思っています。


               


えんがわ家で暮らすシェアメイト達は、3人です。


新川地区で暮らす住民として、地域と関わり合いながら、多世代の“ツナギビト”として暮らします。


えんがわ家の由来のように、地域住民にとっての「第2のお家」として、ここを拠点に赤ちゃんからお年寄りまでがつながる、そんな暮らしをつくっていきます。


\えんがわ家の女将/カノン

保育士 / 好きな物は赤毛のアンと掃除



\えんがわ家のお母さん/

 みのさん

管理栄養士 / 好きな物は山登りとトマト

子供達が独立したのを機に思い切ってえんがわ家シェアハウスお世話になることを決意しました。これからの高齢者社会に、私たちシニア世代の新しい住まい方、地域と共生していく暮らし方の学びの場として、頼もしい若者達、地域の皆様のお役に立てれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


\えんがわ家のお兄/

たいし兄さん

高校教師 / 好きな物はギターと旅行

学校現場で働きながら、子どもが家庭と学校だけでなく、地域で暮らす大人と関わり、自分の生き方あり方を見つめ直すことの大切さを感じ、シェアメイトとしてこのプロジェクトに参加することになりました。このえんがわ家を通じて、子どもがたくさんの大人と触れ合い成長していく姿を見守っていきたいです!



今回のプロジェクトに賛同していただける方には、クラウドファンディング限定のオリジナルステッカーや、三鷹市で農家を営む冨澤ファームさんの産直野菜ippo食堂主催のこてやすこさんによるお料理教室などをご用意いたしました。


ご支援いただいた方と一緒に、えんがわ家をつくっていきたいと考えております。



私たちがシェアハウス×コミュニティプレイスという形でえんがわ家の構想を実現していくためには、空き家を少しだけ丈夫かつ安全に、そして戸建て住宅をシェアハウスにつくりかえる必要があります。集まったお金は、そのために必要な改修費用に充てさせていただきます。


・バリアフリーのための段差解消など 160,000円

・各居室への排煙窓設置 225,000円

・各居室鍵付きドア設置 65,000円

・構造補強後の内部、外部仕上げ、塗装、モルタル補修 300,000円

・各居室への火災報知器及びエアコン設置、非常用照明設置 250,000円

・手洗い設備の設置及び洗濯機の排水管の移設 250,000円

※手洗い設備はキッチンで料理教室を行うため、専用のものを設けます。

・クラウドファンディング手数料 250,000円


 

2019年6月30日(日) 復活!アキヤカフェvol.4 ~アキヤ再生プロジェクトの今までとこれから~

2019年7月上旬 改修工事開始

2019年7月21日(日) クラウドファンディング終了

2019年8月上旬 えんがわ家オープン!


 

本プロジェクトはAll-In方式で実施します。私たちは本気でこのプロジェクトに挑みます!


えんがわ家が、周辺エリアの暮らしを豊かにする拠点になるためには、多くの人のお力が必要です。いただいたお力は地域に還元し、みんなで支え合う暮らしを、新川地区からつくっていきたいと考えております!



ーfacebook・instagramにて活動を発信しています!-

えんがわ家
facebook:https://www.facebook.com/engawaya
instagram:https://www.instagram.com/engawayaa/

カノン
facebook:https://www.facebook.com/kanopaya


ーえんがわ家住所ー
東京都三鷹市新川4丁目18-2

最寄り駅▶小田急バス「新川団地中央」より徒歩5分

JR中央・総武線三鷹駅から:鷹54仙川行き(新川団地経由)
 JR中央・総武線吉祥寺駅から:吉03仙川行き(新川団地経由)
京王線仙川駅から:鷹54三鷹行き(新川団地経由)
吉03吉祥寺行き(新川団地経由)



ーSpecial thanksー


\えんがわ家名付け親/

コミュニティコーヒーマスター中村寿夫さん「えんがわ家」という名前は、この家(中島邸)のシンボルでもある「庭と縁側のある家」に「人や地域の縁と輪」それから「みんなのわが家」みたいになればという思いを込めました。すでにそんな繋がりが生まれているようにも感じていますが、これからその輪をもっともっと広げていけるように、みんなで参加と応援をしていきましょう!


\えんがわ家リノベーション担当/

まちなか緑化士 /
一級建築士事務所(有)アトリエハル 藤野敬史さん

お施主さまをはじめ、たくさんの色々な人たちの思いのこもった取り組みだと思います。 みんながそれぞれに「自分ごと」として関わっている姿を見て、感化されました。 「こわして作る」のではなく、「あるものを使う」「新たな使い方を考える」、とってもいいな、と思います。 この住宅がこれまで積み上げてきた時や歴史を継承しつつ、さらなる新しい時を刻んでいけるような新しい使われ方の空間に生まれ変わる応援ができればと思っています。


\えんがわ家のお料理先生/


ippo食堂主催こてやすこさん

この地域に住んで15年ほど経ちますが、気が付けば、近所の友達や知り合いがいない!子供がいない事もあり、一番身近であるはずの地域社会と繋がる機会がほとんどありませんでした。えんがわ家さんに関わらせていただく事で、顔を見て名前を呼び合える仲間が増えてきました。お年寄りやお子さん連れの方はもちろん、私のように近所の方とゆるやかな繋がりを持ちたい方にも、ふらりと寄ってもらえる場所でありますように。

  • 2020/06/15 20:36

    細かい表現などややこしい訂正にもご協力いただき、無事に記事が仕上がりました。なぜえんがわ家をはじめたのか、これからどのようなビジョンを持っているのか、思いの丈をこちらで語らせていただきました。リンクはこちらから↓↓https://kaigopro-media.com/engawaya-maed...

  • 2020/06/13 19:00

    テーマの一つに「みんなでツクル」を掲げるえんがわ家。この度、えんがわ家の和室、ダイニング、2階居室の一室を、DIYで心地よい空間に変えるワークショップを行います。えんがわ家は昨年改修工事を行った際、一部壁がベニヤ板のままになっている部分があります。そこに、参加者の皆さまと一緒に、ワークショップ...

  • 2019/12/27 09:48

    【えんがわ家の近況をご報告させていただきます】やはり一口に空き家活用といっても、実際にやってみると想定外なことばかりで、予定していた工期が1ヶ月遅れてしまいましたが、なんとか工事を終え、OPENに至ることができました。さて、シェアメイトは5月より入居を開始していましたが、転入出などを経て、現在...

このプロジェクトの問題報告はこちらよりお問い合わせください