▼ごあいさつ

はじめまして、箱山正一と申します。
サラリーマン経験(転職2回)を経て、遠回りしてたどり着いたのが、生まれ育った長野市・西之門町。長野県屈指の観光地でもある善光寺さんのおひざもと、100年続く『箱山ふとん店』の4代目として、10年前にこの町へ帰ってきました。
 

 
決して順風満帆ではない家業を長男として継ぎながら奮闘するも、常に考えてきたのは地域のこと。「このままでは生まれ育った愛すべき町並みもどんどん消えてしまう…。」そんな危機感をモチベーションに、まずは自分たちの暮らしの足元からワクワクすることをしようと、10年間にわたり地域の仲間と共にさまざまな発信をしてきました。

そんなふとん屋の【バカ息子】が、今度は【若者】・【よそ者】を巻き込んで、またまた、またまた新しいことをはじめます!!

 

▼西の門町ホワイトハウスとは?

善光寺表参道から西側へ徒歩30秒。木造3階建ての大きな空き家が『西の門ホワイトハウス』へと生まれ変わります。この場所を拠点に、未来を担う若者・よそ者と地域とをつなぎ、善光寺門前に新しい火を灯していきます。

建物の玄関口に当たる1階部分には、テナントとして【ドッグ・カフェ】が入ることになっています。観光地でありながら愛犬を連れて入れるお店が少ないという、リアルで切実な課題にオーナーさんは取り組みます。

2階は長野市門前を盛り上げるプレイヤーが集う、まちづくりに特化したシェアオフィス(4部屋と共有スペース)へ。『善光寺びんずる市・事務局』と『高城デザイン事務所』、これから長野のために活動したい若者が仕事をしていくための新会社『ナガノート』のメンバーなどが入る予定。
現在1部屋空いており、この場所を拠点に地域を盛り上げてくれる仲間も同時に募集中です。


(写真上:2階廊下・共有部分)


(写真上:2階事務所スペース)

3階部分は21畳の広々とした和室。伝承活動を中心とした学び舎(貸し教室)となり、コンピュ―タ―プログラミング教室、日本舞踊教室、学習塾、忍者教室、茶道、華道・・・。これからの人材の学びの場として、どなたでもご活用いただける落ち着いた空間にします。

 
(写真上:3階和室)

1階~3階はそれぞれ機能が異なりますが、それぞれのフロアでの活動は緩やかに連携し、結果的に観光客をはじめとする地域内外の方々と、門前のプレイヤーがつながる拠点としても機能させていきたいです。 

すでに多くの仲間が関わってくれているホワイトハウスの立上げプロジェクトですが、実はここに至るまでには10年にわたる長い道のりがありました。

 

▼ 町並が消える!?危機感とともに歩んだ10年

10年前、実家のふとん屋へ帰ってきた僕には危機感がありました。全国から毎年600万人くらいの観光客が訪れる善光寺さんですが、そんな由緒ある門前町もちょっと裏通りに入れば、商店街が崩壊寸前。後継者がおらず、高齢者が切り盛りするお店ばかり。先細りのエリアとなってしまっていたのです。

 このままでは、どんどん駐車場になって、自分たちが生まれ育った町並が消えてしまう・・・!

悪い流れを変えるため、このエリア一帯を「おもしろいもん西の門」と称し、まずは自分たちで、小さくて、楽しくて、続けていけることから始めようとしたのが、2010年。このすべてのきっかけとなるスタートの年なのでした。そこから今日まで、自分の商売活動(ライスワーク)と、地域に賑わいを取り戻すための活動(ライフワーク)の両輪を動かす日々を送ってきました。

 

【2010年】西之門町 青年部の立上げ


(写真上:善光寺お盆縁日より)

僕が実家のふとん屋に帰って来るすこし前から、この門前地域の暮らしを丁寧に発信してくれていた信州大学の卒業生を中心とする編集者集団「ナノグラフィカ」のメンバーと、2010年当時、荒物雑貨店をリノベーションして自然派レストランをはじめようとしていた「こまつや」のご夫婦で『西之門町青年部』を結成。

青年部の最初の活動は…自分たちができる得意技を結集した、おしゃれ屋台。善光寺お盆縁日の「ナポリタン焼きそば」は毎年2日間で600食を売り上げる名物屋台に…(笑)

 

【2010年】『西の門市』はじめる。


(写真上:『西の門市』2010~2014年まで5年にわたり毎月開催。現在はお休み中)

現在の「善光寺びんずる市」の前身となった青年部主催のこだわりマーケット『西の門市』を毎月第4日曜日開催。123mの西之門町通り一帯に点在するガレージや、空き家、住居の軒下、店前を活用して、出展場所を確保!30店ほどのお店に声をかけて一日、楽しみながら販売していただく、まさにノミの市のようなスタイルです。

まちの最長老、金井さんによる、小布施町からの有機野菜の行商販売がきっかけで、常設は難しくとも、地域に定期的なリズム感のある賑わいを起こすヒントとなりました。

 

【2010年】『長野・門前暮らしのすすめ』事業に協力


(写真上:長野・門前暮らしのすすめHPより)

俯瞰して見渡せば、門前町には空き家や空き地、それを利用したパーキングが増え、また住民の高齢化が進んでいます。私たちはこの町で生活する中で「みんなで楽しみながら暮らすことが、街に活気をもたらすんじゃないか」「空いている家に人が住んだら、街はもっと元気になるんじゃないか」との想いを持ちました。そうして始まったのが『長野・門前暮らしのすすめ』です。

周辺の空き家を信州大学と協力して調査したり、まち歩きのテーマとして「空き家見学会」を入れたり、門前で暮らしてみたい方、お店を出してみたい方の相談に乗ったり・・・。この10年間で80件以上の空き家をリノベーションした事例が生まれ、エリアでまとまった事例は大変めずらしく、県外からの視察も増えました。

こういった空き家のリノベーションをまさか実際に自分たちの町でやることになるとは・・・。

 

【2011年】35年ぶりに西之門町の町神輿が復活!


(写真上:復活した町神輿の次は…新調した半纏のご披露でハイチーズ)

ながの町神輿保存会さんのお力をお借りして、西之門町の蔵に眠っていた御神輿を修復、外に出して展示するだけのつもりが担ぐことに・・・。35年ぶりに復活させて以来、9月1日の西之門町秋祭りでは、町外周辺の多くのみなさんの助けをかりながら、8年続けて町神輿が渡御しています。

 

【2013年】善光寺境内の手づくり市『善光寺びんずる市』がスタート


(写真上:六地蔵広場には石畳の通りに沿って30店)


(写真上:本堂の東側にひろがる庭園エリアには140店以上がたち並ぶ)

善光寺さんの本堂に鎮座されているびんずる尊者像。開眼300歳を記念して2013年にはじまったのが『善光寺びんずる市』。4月から11月の毎月第2土曜日、善光寺境内にて開催している手作り市で、作り手さんとお客さんの交流がとっても楽しい。今年で6年目を迎え、毎回170店舗が全国から集まる大きな『市』へと発展しました。


(写真上:11月の年内最後の開催日は、出展者さんと「交流会」をして一年間を振り返る)

2013年に始まった『善光寺びんずる市』がおかげさまで想像以上に順調に大きくなりました(汗)毎月開催ということもあって、びんずる市の業務にわれわれ西之門町青年部のメンバーが楽しく忙殺される日々。

ふと自分たちの町に目を向けてみると…。すべての活動のきっかけである西之門町のシンボルであった建物が、取り壊されようとしていたのです。

 

▼ 仲間たちとともに、この町並を守りたい!


(写真上:現在の物件の外観)

2014年11月22日22時08分、長野県北部で神城断層地震が発生しました。マグ二チュウード6.7を記録したこの地震の影響を受け、唯一、建物の1階に入っていたテナントが退去。その後、完全に空き家となり4年間、借り手が見つからない状態が続いていました。

「どうなってしまうのだろう?」という不安から、大家さんに詰め寄る日々。もう、取り壊して駐車場にするかもしれないという噂も耳に入ってきました。

 

「なんとか考え直してください!僕に貸してください!!」

 

大家さんへの説得の日々が続きましたが、お金もアイディアもない僕が3階建てのこの物件は僕一人でなんとかするには大きすぎて、途中あきらめかけた時期もありました。しかしそんなとき、ドッグカフェのオープンを目指していた永坂さんが1階にテナントとして入居することが決まったのです。

こうして再び軌道に乗った物件の活用計画。2階部分をシェアオフィスにしたいと考えていたところ、西之門町の半纏や手ぬぐいをデザインしてくれた『高城デザイン事務所』さん、長野市内の情報を発信するWEBメディア『ナガノート』さんが一緒にこの場所を盛り上げようと手を挙げてくれました。

物件について当初から相談していた空き家仲介会社『MYROOM』の倉石さん、長野県内のクラウドファンディングに多数携わってきた波多腰さんにも関わってもらい、ようやくここまでたどり着いたのです。

 

▼ 協力してくれる仲間たちからのメッセージ

ドッグカフェ『サニーテラス』 永坂麻希子さん

善光寺さんに犬を連れて来る人が沢山いるのに一緒に食事したり休んだりするお店がないなんて…門前にドックカフェは必要でしょ!という思いをずっと持っていました。何年もかかりましたがとうとう実現します。犬と一緒に色々楽しめる場所、交流の場、門前散策の休憩所などに沢山利用してもらい、この街の魅力を沢山の人に知ってもらいたいです。

 

『高城デザイン事務所』高城晃さん

事務所の移転を考えていた時、ちょうど箱山さんにこの建物の話を聞かせてもらいました。大げさに言うと、この門前界隈はちょっとよそ見をしていればいつの間にかお隣さんが駐車場になってしまう、そんな場所です。しばらく埃をかぶり眠っていたこの建物が、箱山さんや他の方々の働きかけによって消えずに息を吹き返しつつあります。

私が個人として仕事を始めるきっかけを作ってくれたこ町で、また新たな動きが産まれたことやそのタイミングに「縁」を感じて、自分もその一員になってここに入居させてもらおうと決めました。ピカピカに磨いた窓からこの街を行き交う人の声や街の空気が通り抜ける、そんな気持ちのいい場所にしていきたいです。

 

長野市のWEBメディア『ナガノート』荻野直人さん / 平岡駿さん
HP:https://naganote.jp

箱山さんの門前・西之門町への想いを聞いて,ぜひ私たちも一助になりたいと思い今回のプロジェクトに参加させていただきました。今までの門前・西之門町へ尊敬の念を持ちつつ,これからのまちづくりを担っていく一員として頑張っていきます。皆様ご支援よろしくお願いいたします!

 

『MYROOM』倉石智典さん

北国街道と西山街道の辻に位置する、築100年近い木筋コンクリート造の建物。時代に合わせ3世代、3業種に渡り引き継がれてきた建物とのこと。2階には洋風のしつらえが残り、3階からは善光寺や門前の瓦屋根の家並みがよく見え、当時のまちの面影が感じられます。軒下スペースは西之門町のお祭りや集会でも人が集まって使われてきた場所。古くてダメなところは直しつつまた新しい使い手に引き継がれていくことを、大家さんもまちのひとたちも喜んでくれていると思います。

 

『遊覧潜水』波多腰 遥 さん

僕が善光寺門前で暮らしはじめて3年。そのずっと前からこの地域を盛り上げようと挑戦を続け、僕ら若者世代と地域が接点を持つ機会を作ってきてくださったのが箱山さんたちです。僕がいま地域と関わりながら活動ができているのはみなさんのおかげ。若い方々にもぜひこのホワイトハウスの立上げに関わってほしいです!

 

▼  地域と若者・よそ者をつなぎ、新しい火を灯す場へ。

これまで自分たちの町のことはできる限り自分たちでなんとかしてきたつもりですが、実際にはさまざまな出会いやご縁に支えられて、この10年間やってくることができました。今回のホワイトハウス設置についても、こうしてすでにたくさんの仲間に支えられています。

そして、私も年齢的には40歳を過ぎて50歳が見えてきました。ここから次のステージへは、若者とよそ者と一緒にこれからの門前地域を一緒に盛り上げていく時期だと認識しています。

 
(写真上:西之門町の最長老、金井さんに相談)

歴史あるこの門前地域では、何をするにもそこで長年暮らし、地域を守ってきた年配者の厳しい目があります。「そんな古い建物に何の価値があるのか?」「そんなことをしても続くわけがない!」いろいろ言われます。

それでも生まれ育った自分の町の風景が消えてなくなることは寂しいもの。大家さんの建物に対する愛着にも敬意を示しながら、これから先の未来、必ずこの地域になくてはならない空間にすることをここに誓います。


今回のクラウドファンディングでは、2階・3階部分の改修費を募りますが、およそ300万円かかります。目標金額の250万円から手数料などを差し引いて、手元に残る金額がほぼ200万円。ここに自己資金の100万円を合わせて改修費に充てたいと思っています。

少額で構いません。できるだけ多くの方々からご支援いただきながら、この建物のこれからにみなさんにも関わっていただけたら幸いです。ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 

最後になりますが、支援のお願いとともにこの場を活用してお伝えしたいことは、この『西の門ホワイトハウス・プロジェクト』が門前における『新しいまちづくりビジネスの創出』のための実験であるということです。

僕ら入居者のもつこれまでのリソースを積極的に活用して、空いてる1つの部屋に入っていただき、一定の距離感を保ちながら、ビジネスを軌道に乗せていく。コンサルティングとか、評論家といったような距離感や責任感ではなく、もう目の前に、参考になる僕らの営みがすぐそこにあるのです。

この10年間、僕らは失敗も成功もいっぱいしてきました。『西の門ホワイトハウス』から今後、いったい何が飛び出るかわかりません。そんな人と人との化学反応を楽しめる方に来てもらえれば最高ですね!

『西の門ホワイトハウス』へようこそ!

 

 

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