2020/03/09 08:00

不妊治療でようやく授かった第一子を流産後、不育症治療も経験しながら授かった長男には心臓疾患を伴う染色体異常があり、妊娠21週2日に人工死産という形でお別れしました。

その決断までには凄まじい葛藤と苦悩がありましたが、たとえどんな理由と想いがそこにあったとしても、妊娠継続を諦めるという選択をした親に、様々な意見があることを私たちも知っています。

自分たちが子供の命を奪うんだという激しい罪悪感で、「たとえ死んでもお空の上の子供とは同じ場所へは逝けない。もう新しい命を望む資格はない。子供を喪ったことを悲しむ権利もない。救いや助けも求めてはいけない」と、自分たちを罰し続けてきました。

ですが、そんな日々の中、ある一人の看護師の方に、「あなたの選択を責められる人はどこにもいない。愛する子供を喪った悲しみに違いはない。泣いて何が悪いの」と言葉を掛けられた時、鎖で縛り上げた心が緩むのを感じました。人前で涙を流せる有難さを感じた瞬間でした。

それから少しずつ、私たちは、わが子の存在や、わが子への愛情を認めてくれる人と出会えたことで、罪の意識や子供たちへの溢れる想いを、子供たちのために生きる力に変えていきたいと思えるようになりました。

妊娠・出産にまつわる医療技術の進歩の陰で、置き去りにされている当事者たちが増えています。精神的ケアや適切な情報提供がなく、周囲の理解不足や社会対応の遅れにより、どこにもSOSを出せずもがき苦しんでいる人へ、手を差し伸べられる存在が必要です。

ピンク&ブルーリボン活動を通して、愛する赤ちゃんとお別れすることになった全ての人への理解が広がりますように。そして一人でも多くのお空の上の赤ちゃんの魂と、その魂を抱えて生きる家族の皆さまの心に光が灯りますよう、心から願ってやみません。


ゆいママ