2020/02/20 08:00

私自身の流産の経験は、15年前になります。妊娠9週目でした。

流産ということが、起こりうるという知識は、もちろんありました。妊娠しても1割は流産になるということは知っていました。でも、それがまさか自分の身に起こるとは…。そして、それがこんなにもショッキングなことだということは、経験して初めて知りました。

悲しくないだろうと思っていたわけではないけれど、「残念だったなあ」程度のものかと思っていたのです。とんでもない思い違いでした。

でも、その経験を、その想いを、話すことはできませんでした。何事もなかったかのようにふるまい、勤務をしました。

いま私は、流産や死産を経験した方を支援する働きを始めています。赤ちゃんを失った方がその心の痛みを理解してもらえずに、苦しんでいる現実が、まだまだあります。

生きて顔を合わせることができなくても。 ほんの数週間、おなかの中にいただけでも。それでも、大切な赤ちゃんなのです。大切な家族なのです。忘れるなんてできない。

乗り越えるとか、前向きに切り替えるとか、そんな簡単なもじゃないということを、多くの方に知っていただきたいと願っています。


アートセラピスト 名田文子
HP:https://arttherapy-foo.com/